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2.一回戦第2試合
 弾丸MAMAER 対 ビタミン大使「ABC」 
(2006.5.3)


スカパーのフジテレビ721の劇団対抗トーナメント「インプロ!」の第二回(5月2日放送)を見たので、詳細報告。

まず、今回出場する10劇団は、東京乾電池、 InnocentSphere、弾丸MAMAER、ビタミン大使「ABC」、宇宙堂、インベーダーじじい、文学座、東京セレソンDX、欽ちゃん劇団、チャリT企画。キャリアの長い劇団と若手劇団が半分ずつ。

で、コンテストの方法は毎回2劇団の対抗で、一回戦の種目は「3on3」と「1on1」。お客さんが見て、最後に良かった方に投票して優劣を決する。

「3on3」は3人ひと組で、与えられたテーマで即興劇を行うもの。全体で15分。スタート時点で「シチュエーション」が決められ、それに即して3人で芝居を作っていく。途中、3分経過時に新しいお題1が与えられ、6分経過後に二番目のお題、9分経過後に三番目のお題が出される。3人は与えられたお題を取り入れて芝居を進行させなければならない。で、12分経過後に「エンディングセリフ」というのが示され、最後のセリフとしてそのセリフを言うことが強制される。ちなみにこの日のシチュエーションは「超高級レストラン」、お題三つは「パソコン」「誰かの声が出なくなる」「南の島の旅行券」、エンディングセリフが「どうして壊れちゃったのかな」でした。「エンディングセリフ」を言った時点で、暗転(終了)。

当然、先攻の劇団の芝居を後攻の劇団は見ることができない(地下室に隔離された)。お題は同じなのだ。よって、審査するのが観客なので、後攻のほうが不利になると言えよう。

後半の「1on1」は、それぞれの劇団から一人代表が出て、1対1で一緒に即興芝居を作る。スタート時点で、二人それぞれの役柄(職業など)が与えられ、かつシチュエーションも提示される。それから10分間の芝居が始まるのだが、途中で舞台に落ちている紙を拾い、それに書かれているセリフを言う必要がある。それぞれ3枚がノルマ。ちなみに抽選で決まったこの日の二人の役柄は「美容師」と「プログラマー」で、シチュエーションは「病院の待合室」。拾ったセリフは場面と全く関係ない「お金持ちになりたーい」とかそんなの。この無理矢理なセリフを、いかにうまく会話に取り込んでいくかが問われる。(これはインプロの「ペーパーズ」という種目)

この日の対戦は弾丸MAMAER(先攻)対ビタミン大使「ABC」(後攻)で、弾丸MAMAERの圧勝。かなり差があった(投票実数は発表されない)。

インプロってのは、お題など、突然起きたことに対して即座に対応するワザ(テクニック)であるが、基本は演技の基礎である「相手のセリフを聞く」にある。そこで関係性を構築し高めていくものである。お題をうまく取り入れ、きれいにまとめればいいだけではない。そこが「笑点」とは違うところ。意外性やテンションの高さなどでどきどき感を生み出さなければならない。でないと審査員(客)をわくわくさせられないのだから。・・・難しいよね。

おそらく、一回戦5試合は「3on3」と「1on1」で対戦するのだろうが、今後「ノーブロック」や「イエスアンド」などもやるんだろう。あと「ペーパーズ」の高度な使い方のも。楽しみだ。


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