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【No.015】

「バッシング」の占部房子

今年のカンヌ国際映画祭のコンペ部門に出品された「バッシング」(小林政広監督)の主演女優が占部房子さんという人だと知った。

この占部房子という名前をどっかで見たような気がして、思わず調べてしまった。なんとなく舞台関係の人のような気がしたので・・・。

ちなみに「バッシング」はいま最も注目している作品。ぜひ見たい。去年の自己責任問題で騒がれた高遠さんをモデルにしたフィクションだそうだ。小林監督は「いまこれを作らないと、永遠に作れなくなってしまう素材」だと言っている。「日本では人質バッシングを語ることはタブー視されている」とも。ほんとだよね。メディアのあり方、問題点、インターネットの可能性、などなどを語る上でもっともわかりやすいネタだと思うんだけど。

占部房子さんだが、劇団チャリカルキの創設メンバーだったのね。もうすぐ第11回公演があるが、1998年にビタミン天使「ABC」の大塚敦士と、青年団プロデュース「夏の砂の上」に出演した占部房子の二人によって結成されたという。去年、知人が出演するので見たんだけど、最近は占部さんは出演していないみたい。

占部さんは、最近は映画やテレビなどの映像方面でも活躍しているみたいだ。あと、プロデュース公演にも多数出演している。

しかし、「バッシング」はぜひ見てみたい。高遠さんの受けた自己責任バッシングがモデルだけど、あくまでもフィクションであり、群集心理的ムラ社会的に攻撃するサマが描かれているらしい。

こういうのこそ演劇が扱うネタだと思うんだけど・・・。

ふと、あの現象ってのは、キリストが時の為政者と群集によってナニされたのと一緒じゃないのか、なんて思ってしまったりした。まあ、ちょっと大げさかもしれないけど。でも、日本の自己責任バッシングって、マスメディアに煽動された群集心理的喧騒であったと思えるわけで。政治家が文句言うのは当然としても、メディアや大衆が一緒になってバッシングするのは異常なことだったと思われる。まあ、オウムにしろ北朝鮮にしろ、なんでもネタがあればバッシングして盛り上がるのはマスメディアの常ですけどね。

カンヌ国際映画祭は22日まで。下記で「バッシング」の製作過程が読める。

ボクの映画渡世帖 小林政広

週刊FSTAGE編集部
神保正則
2005.5.7


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