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月光舎公演観劇レポート
2001年9月第23回公演
「啼く月に思ふ」(なくつきにおもふ)
@新宿タイニイアリス

なんか、悪い宗教に侵されているとしか思えない・・・いい意味で。でなきゃ、うら若きおねーちゃんやおにーさんがすっぽんぽんで、絡んだり、乳もんだり・・・しないよね、人前で。女性もだもん。

9月29日(土)午後7時開演の部を観ました。客は100人ぐらい。桟敷までほぼ満員。

月光舎の、というより、小松杏里の作によるものを初めて観た。なるほどー、カタストロフィー好きなんだろうなあ。すべてが終わっちまうような感じ。そういうの、今ってあるもんなあ。

どこだかわからない場所の、どこだかわからない時代の世界。なんだかわからない砂地で、誰だかわからないボロボロ人たちの、しゃべれてない会話が続いていく。お、お前は誰なんだ。そんなことはわからない。

9月23日に横浜の稽古場で、一部は見ていました。が、芝居が始まってすぐ、「なんか違う芝居だぞ」って思いました。稽古場の印象とまったく違うのです。稽古場で頑張っていた役者さんも出ていないのです。「違うじゃん」という思いが1時間続きました。なんのことはなくて、私が見た稽古は後半だったのです(全1時間50分)。後半に登場する赤ハゲ姉弟は普通にしゃべっていたので、いきなりしゃべれてない会話が続くもんだから、ほんとびっくりしてしまいました。

いやあ、こういう芝居は一部を見ただけじゃわからんもんだねえ。

思いのほか、寺山、でした。ホンはシンプルです。男と女のあれやこれやです。設定が抽象化されてますが、基本はシンプル。中には両性具有、アンドロギニュス、とか出てきて複雑化しますが、まあ、シンプルなものを複雑に見せてるだけですね。要は「やりたい」「やらせろ」「いやーん」「やめてー」です。そしてしまいにゃみんな死んでしまいます。おいおい。カタストロフィーかよ。ま、再生っつうか、「次」が一瞬見えましたけど。

こういうの結構好きなんですよ。裸になるのも、ゴキコンとかハイレグとかとは違って(あれはあれで好きですけど)、思い先行ですから流れで観れちゃいます。まあ、バックサスでしたので、シルエットしかあれしませんでしたけど。あと、化粧とか衣装とかが、寺山っていうか、アングラしてて楽しめましたよ。全体的に、いろんなことをやりまくっていて、次から次へといかがわしい奴らが登場してきて飽きさせません。てんこ盛り芝居です。ねっとりしてるんで、テンポはないんですけど、それはまあ狙いなんでしょうね。テンポはあってもいいかもって思ったんですけど。あと、役者の力量にも差があるんですが、それはまあ、難しいことをやってるんで、かなり大変ですよ、ここの役者さんは。頑張って育って欲しいもんです、はい。

来年、韓国行って、その後は全国を回るんだとか。きっと展開も変わるんでしょう。ラストも変わるでしょう。「そんなの当然」みたいなことを杏里さんは言ってました。芝居は「変化するもの」みたいです。月光舎自体が変化していきますし。はたして月光舎はどこへ行くのか。そんなことは小松杏里にだってわかりません。ま、そーゆーもんですよね。だって、芝居ですから。時代ごときだって変化してるんですから。

とりいちえ、疼生玩具、中村祥子、良かったです。特にとりいちえはダントツですね。

参考:ムービーネット

◆◆◆稽古場取材◆◆◆


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