2003年3月第3週

 先週は観に行きたい芝居の谷間で週末は久しぶりにのんびり出来ました。芝居は、平日の月・火に二日間だけ神楽坂のdie pratzeで行われた、3月いっぱいで月光舎を辞めて沖縄に帰るよこだ真斗がやった演劇舎◎夢幻シアターの「旗下げ公演」に行っただけでした。しかし、去年の7月にやった最初の公演が旗揚げ公演で、二回目が旗下げ公演とは(まぁ、揚げがあるんだから下げがあってもいいんだろうけど、私は初めて見ました)……まぁ、よこだらしいといえばよこだらしいんですが。

 今回の芝居は『ホームレスの歌』というタイトルで、原作もあったようで、自分探しと現代[いま]のホームレスの問題をリンクさせている作品です。なかなかの力作だとは思うし、やりたいことはわかるんだけど、若い役者たちの力量がそれについていってなくて(演出の問題もあると思いますが)、台詞にリアリティを感じなかったということが、一番の弱点になってましたね。みんな台詞は一生懸命しゃべってるんだけど(台詞が多過ぎるとも思いましたけど)、それぞれの過去や背景が浮かび上がって来ないんです。情熱的にしゃべること(それはそれでいいとは思いますが)とリアリティを感じさせることはまったく別のことだということに気づいて欲しかったというところでしょうか。あ、最近は、静かな演劇もどきの芝居をすることとリアリティを感じさせることが同じだと勘違いしているような劇も多いですね。なんか、最近の若い劇団を観に行くと、どっちかって感じの芝居が多いのはどうしてなんでしょうかね。舞台の上で、その役を演じるんじゃなくて、その人物として「生きよう」と思わないのかなぁ。私はジャンルはともかく、生きてない芝居は嫌いですね。

 さて、週末は久しぶりに床屋に行って来ました。月光舎の事務所の近くにある行きつけの床屋で、一時、美容院でカットしたり、駅前にある20分ぐらいでやってくれる安い床屋に行ってたこともあるんですが、ここ何年かはその行きつけの床屋を利用してます。床屋といえば、私が小さい頃は下北沢で漫画家の岡崎京子の実家の床屋に通っていて、漫画(懐かしい貸本屋にあったような漫画です)を見ながら散髪してもらうのが楽しみだったんですけど、大人になってからは、時間が空いている時に近くにある安い床屋に飛び込んで、というのが多くなりましたね。まぁ、それだと時間もかからないし安くていいんですが、毎回違った髪形になるし、下手な人に当たって悲惨な目に合ったこともありました。で、何年か前に今の行きつけの床屋に思い切って飛び込んでみたんですが、なんか昔の床屋を思い出して気に入ってしまったわけです。もちろん、中はとてもきれいで、椅子もマッサージ機が付いていたり、回転して仰向けに寝て頭が洗えるし(昔はそのまま頭を前に下げてましたよね)、親父さんとつまらない世間話をしながら過ごす時間が、とても心地良かったんです。で、そこは子供料金もあって、小学生が1.000円、中学生が1.500円で大人と同じようにやってくれるんで、子供たちも連れて行ったら、子供たちも気に入ってしまって(終わるとくじがあって景品をくれるということもあると思うんですが)、今では小松家御用達(妻は美容院ですが)の床屋になっています。

 で、先日行ったら、何やら新しい機械が入っていて、その日の最後の客ということもあって、マッサージや洗髪を長めにやってもらった後、その新しいのを使って顔のエステというのをやってもらったんです。これがもう、凄いんですよ! 顔にクリームを塗ってマッサージをして、それから顔をプラスチックの大きなマスクのようなもので覆って、スチームでサウナのように15分ぐらい蒸すんですが、そうすると毛穴が開いて汚れが出て来て、終わってクリームを拭き取ると、顔の肌がツルツルになっているんです。もう触ってびっくり! このツルツルは一週間ぐらい持続するそうで、会う人会う人に「ちょっと触ってみて」といいたくなるぐらいです。女性がエステに行きたい、行ったら病み付きになるという気持ちがわかりましたね。男でも、別に美しくというのではないんですが、この気持ち良さは快感以外の何物でもありません。韓国でアカスリとカッピングをして、帰国してからもしばらくは、肌はツルツルだわ身体は軽いわの状態が続いて気持ち良かったのを思い出しました。洗髪に散髪、髭剃りにマッサージ(これがまた気持ちいいんです)、さらに顔のエステが付いて1時間40分、これで4.000円! 高くてつまらない芝居を観に行くよりよっぽどいいですね。まぁ、高いと思うか安いと思うかは人それぞれだと思いますが、私にとっては三ケ月に一回ほどの至福の癒しのひとときです。そうそう、顔のエステだけでも1.500円でやってくれるそうなんで(女性も可だそうです)、妻もさっそく行きたいといってました。

 ところで、好天の日曜日にはこれまた久しぶりに東京競馬場に行って来たんですが、出ましたねぇ、JRA史上最高配当が! な、なんと、1.498.110円! これは3連複という1着から3着までの馬を順番に関係なく当てる馬券(正式には勝馬投票券)なんですが、100円が約150万円になるわけです。この日は私も3連複の馬券は結構買ってて(最近はワイドが多いんですが)、この中山の6Rも2着と3着になったコアレスチャージとジョニーノデンゴン(なんて名だ!)は2頭だけのせん馬(去勢馬、つまり馬のニューハーフ)だったんで注目はしてたんですが、1着に来たこれまた人気薄のコスモカラット同様、馬券は買ってませんでした。しかし、3連複は前日の中京競馬では92万円(史上3位)、日曜中山の最終レースでは70万円の配当が出るし、今年掲げた競馬の目標の達成も近づいてきてるような気もするんですけどねぇ。

(2003.3.24)
(つづく)


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