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2009.10.10
劇団劇作家は「虎の穴」だ!

劇団劇作家は、日本劇作家協会の戯曲セミナー卒業生を中心に2006年5月に結成された「研鑽とプレゼンテーション」を目的とした集団だ。私は勘違いしてた。劇作家同士が仲良く、お茶でも飲みながら稽古し、余芸として舞台をやってるのかと。とんでもない誤解だった。ハンパない批評が飛び交っているようだ。言わば「劇作家虎の穴」だ。「劇作家養成ギブス」だ!

12日まで劇団劇作家の第三回公演が行われている。まあ、劇団劇作家では「公演」というより「プレゼン」なのだとか。メンバーが書いた戯曲を上演し、「買ってください」と。かなり一流の役者によって演じられており、作品または作家を「売る」ことが目的なのだ。

代表の篠原久美子さんによると過去2回で15作品を上演し、五つが売れたという。すごい確率だ。作家へ外部からの依頼も来ているという。「日本には劇作家を売ってくれる組織がないんです。だから作りました。外国ならあるんですよ。」と。

10月10日(土)にはシンポジウム「婚カツする戯曲たち」を開催。ゲストは高萩宏氏、坂手洋二氏、西山水木氏の三人。興味深いお話しが次々と話され、客席を埋めた劇作家・劇作家の卵たちの鋭いつっこみ、質問により・・・熱かった。

高萩さんは、野田秀樹さんらと夢の遊眠社を設立し、退団後に東京グローブ座、世田谷パブリックシアターを経て、現在は野田さんが芸術監督を務める東京芸術劇場(池袋)の副館長。たぶん、日本で一番、劇場運営の七転八倒を知っている人だ。とても重いことばを発していらっしゃった。「演劇は他のメディアではできないものを持っている。そのことを誇りに思って書いてください。」などなど。素晴らしい。

劇団燐光群を主宰する坂手さんもアメリカやヨーロッパ各地の演劇情報を実際に歩いて見ている人。海外の劇作家、劇団、劇場の育成事情などにも詳しい。客席からの質問「ところで劇作家はどうやって食べていけばいいんですか?」に対しても、高萩さんと一緒にまじめに応えてらっしゃいました。「チケット収入の5%もらえば大丈夫です。とにかく自分の戯曲の上演回数を増やすこと。5%の実際の事例は・・・(伏字にします)」

劇団劇作家のプレゼン公演に実際に俳優として参加している西山水木さんは、リーディング公演に参加することの意義を説明。自分の芝居仲間にも勧めているという。劇団劇作家での上演は、ただ静かに朗読するわけではなく、衣装も着て、装置、照明もありで、段取りに従って出ハケもある。動きまわる。大変だ。そして、声の表現力を最大限に求められる。なんせ、芝居のデキが「売れるかどうか」に大きく関わるのだから、演出家や俳優に期待されるものは小さくない。だからこそ、参加することが有意義なのだろう。

公演は12日(月)まで。

劇団劇作家本公演「げきよみ!」Vol.3

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