週刊StagePowerTopPage
日刊StagePower

乾坤一滴
NYの日本人俳優
西山水木の使い方

野平総研!!
テレビ文芸時評

レコメンの殿堂
お気楽鑑賞記
目撃者
TheStageTribune
特集:さいたまGT
特集:小劇場史
週刊SP企画室

NEWSバックナンバー
過去の連載・記事
取材のお願い
Onlineインタビュー
このサイトは?
NEWS ON STAGE
(1596)

2008.8.27
深浦加奈子さんが亡くなりました

テレビでは名脇役として活躍している女優・深浦加奈子さんが8月25日夜、亡くなった。48歳。S状結腸がんのため。5年前にがんが発覚し、入院・手術を繰り返していた。がんと闘いながら舞台やテレビの仕事を続けてきた。

深浦さんはただの「名脇役」では決してない。小劇場が最も輝いていた時代に、最も注目されていた女優の一人だった。美しさと狂気を持った「時代の看板女優」だった。

1980年に明治大学で劇団第三エロチカを旗揚げ。89年に退団するまで劇団のヒロインとして活躍していた。第三エロチカ(主宰・川村毅)は80年代の小劇場ブームを牽引した存在だが、深浦加奈子という稀有の存在が大きな役割を果たしたことは疑いない。第三エロチカと言えば、有薗芳記と深浦加奈子だった。

小劇場ブームを象徴するのは「1985年」である。その前年の1984年に下北沢のザ・スズナリは近未来作品五劇団連続競演という企画を行った。そこで第三舞台が「宇宙で眠るための方法について」を、ブリキの自発団は「ナンシー・トマトの三つの聖痕」(片桐はいりデビュー)を、第三エロチカは「ニッポン・ウォーズ」を上演した。これらの作品が、小劇場ブームを決定的なものにした。翌85年、第三舞台は紀伊国屋ホールに進出し、野田秀樹の夢の遊眠社は初めて三菱自動車をスポンサーとして公演を行った(翌86年には国立代々木体育館で伝説の1日3作品上演)。また85年は、蜷川幸雄の「NINAGAWAマクベス」がヨーロッパで絶賛され、ワハハ本舗や新感線が頭角を現した。

小劇場出身の男優は数多くが映像でも活躍している。筧利夫や古田新太や西村雅彦や堺雅人や八島智人などなど。風間杜夫や平田満や豊川悦司、あるいは小林薫や柴田恭平や根津甚八もバリバリ小劇場出身だ。しかし、女優はというと・・・。

小劇場ブームを牽引した女優の存在も忘れてはいけない。個人的な思い入れになるけど、書いてみる。

確かに、李麗仙や緑魔子がまず、いた。つかこうへい時代の根岸季衣や岡本麗もいた。しかし、小劇場がブームとして最も輝いていた80年代中期がいわゆる「演劇第三世代」と称される時代で、夢の遊眠社や3○○から第三舞台、山の手事情社、善人会議あたりまでを指す。アニメや笑い、テレビ、近未来などがネタとなった作品が多く上演された時代だ。そこで輝いた女優には三つの系譜がある。一方に深浦加奈子や銀粉蝶という美しさとエロと狂気を内包させた女優がいた。緑魔子や李麗仙から連なる系譜だ。これ以外に、美加理や蘭堂セルから羽野晶紀に連なるアイドル系があり、片桐はいり、篠崎はるく、もたいまさこから連なる特殊反則ワザ個性系があった。

真に小劇場の悪場所を体現していたのは深浦さんらであった。円城寺あや、長野里美、柳岡香里、竹下明子、木村緑子、高田聖子、黒木美奈子、西山水木、文月遊、高泉淳子、金久美子、余貴美子・・・美しさとパワーと狂気とエロと知性と華やかさと屈折を持っていた。つまり、その時代を背負っていた女優だった。

(思い入れで書いてるので、名前が多数抜けてると思いますが・・・ご容赦・・・ときどきこっそり増やしていく予定)


公演情報募集 / 週刊StagePower / ニュース募集