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2008.7.17
さらに続く新国立劇場問題

すでに読売(7/1)、朝日(7/7)、毎日(7/8)が伝えた新国立劇場芸術監督問題だが、7月17日の朝日新聞のオピニオン面「私の視点−ワイド−」には、「◆新国立劇場 官僚主義で現場を殺すな 蜷川幸雄」の文章が、「◆穴あきダム 歴史的愚行に他ならない 今本博健」「◆環境建築 学校改修にエコの視点を 善養寺幸子」と並んで掲載されている。

蜷川氏の意見はこうだ。「劇場という場は多くの人による『いい芝居を作ろう』という熱気で支えられている。その中心にいるのが芸術監督だ」「新国立劇場の演劇部門芸術監督交代はその劇場の命である『関係』を断ち切るに等しい」「遠山理事長による強引なやり方への演劇関係者の批判は当然だ」「残り2年の任期がある鵜山さんに対して、創造の現場を見殺しにする行為だ」「動員や採算性などの経済的な問題で芸術監督を評価してはならない」「公共の劇場は観客を集めることが最優先ではない」「性急に交代を決め未来を遮断するのは間違っている」などなど。また「忙しすぎる」「コミュニケーションがとれない」という交代の理由に関しては「ほとんどこれは喜劇だ」と断じている。

そして、理事長の行為だけでなく、それに黙って従っている劇場スタッフに対しても「声を上げよ」と蜷川氏は訴えている。「責任をとらない官僚主義のはびこり」と。

今回の問題は、たったひとつの劇場の問題ではない。「国立」を冠した特殊な劇場の問題でもない。今の演劇が置かれた状況を反映したものだ。それゆえ、これをどう解決していくのかが問われることとなる。文化大好きの小泉さんがいなくなり、ミュージカル大好きの奥さんを持つ安倍さんもどっかへ行ってしまった今、「ツルのひとこえ」が期待できないのだから、そこは自分たちでなんとかしないとならないのだろう。演劇界は決していい状況にあるとはいえないのだから。

asahi.com「次期芸術監督の人事迷走 新国立劇場」(7/9)
(7/17の「私の視点」はasahi.comに掲載されてません)


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