福岡演劇事情

(2) 1999.3.13 「福岡は演劇が盛んじゃない!」

 「福岡は演劇が盛んじゃない!」という私に、とある女優さんは「あら、新感線のいのうえひでのりさんをはじめとする創立メンバーは福岡の人だし、池田成志とか松重豊とか松尾スズキとか、みんな福岡の人だから、福岡って演劇が盛んだと思っていたわ」とおっしゃいました。し、知らなかった・・・。その昔、新感線も夢の遊民社も福岡公演を行っていたらしいです。

 福岡では、劇団四季が初の常設劇場をキャナルシティー博多に持っており、6月には、松竹系の「博多座」がオープンします。
 私が住んでいた北九州市では毎年秋に「北九州演劇祭」なるイベントが行われており、第1回劇作家大会が開かれたのも北九州市でした。市内各地で地元劇団による公演が行われる他、招へい公演として青年団、ク・ナウカなどの公演が行われます。
 福岡市の南にある大野城市では、第三舞台や新感線、今年は遊気舎を呼び、また地元劇団の育成にも積極的な姿勢を見せています。
 私が福岡に来てからの4年の間に、少しずつ福岡の演劇は充実してきているのかな、という気がしています。
 ただ、ハードの面ではちょっと不満。福岡には、大ホール(1千〜2千人規模)や多目的ホール(1百〜5百人規模で、固定座席ではない)はあっても、いわゆる「劇場」はほとんどありません。この春、西鉄が福岡市のど真ん中・天神に劇場をオープンしますが、これも固定座席ではないようです。仕事帰りにちっこい小屋でぎゅうぎゅう詰めになって、あるいはリッチな気分で芝居が観られたらどんなにいいだろうと思うのですが、そんな条件も暇もそろっていないのがちょっぴり悲しいです。

(つづく)



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