2006年1月第5週

 3月4日(土)・5日(日)にやる韓国現代戯曲ドラマリーディング『豚とオートバイ』の稽古は、先々週の19日(木)から始まりました。本来の稽古始めでもある顔寄せは、21日(土)だったんですが、主要な役である、男の妻と現在の恋人キョンスクのところだけでも、どんどん進めていこうということで、二人だけ先にスタートしたわけです。しかし、当日は、最終的に医者役になった渡辺ハンキン浩二さんも来てくれて、いくつかの役を代役でやってもらいながら稽古を進めることが出来ました。ハンキンさんも、それを楽しんでくれてたようで、よかったです。私もちょっと代役をやったりしたんですが、やはりだめですね。役を演じると、つい演じることに一生懸命になっちゃって、客観的に演出が見れなくなっちゃいます。かといって、中途半端に演じても、相手役に悪いし。そもそも、初めてお手合わせする役者さんたちですからね、みなさん。どういうものを持っているのか、しっかり見て聞いて、演出していかないと。まぁ、ある程度、相手の芝居がわかっているのであれば、自分で演じながら一緒に作っていくことも出来るんですけどね。とにかく、やはり演出をする時には、演出に専念した方がいいと、改めて思いました。かといって、役者をやる元気も、最近はなくなってきているんですけど。どうも体力が……。3年ちょい前の12月には、天王洲アイルのスフィアメックスで、役者として飛び回っていたんですけどねぇ。ま、それはともかく、稽古初日には、まだ、完全な脚色台本は仕上がってなかったんですが、実際に役者さんたちに声を出して演じてもらうことで、いろいろ見えてきた部分もあって、少ない人数ながらも、充実した稽古が始まったなぁ、という感じで、うれしかったですね。とにかく、学院で学生たち相手に稽古をしているのと、まるっきり違いますから。当たり前ですけど(笑)。

 で、翌々日の21日(土)には、今泉にある農民会館というところで、顔寄せが行われました。きららの公演の稽古がある男役の中村卓二さんとチェ・バンドンの妻役の宗真樹子さんと0相の公演の稽古がある看護婦役の松岡優子さんの熊本組、それと仕事の都合で出られなかった、声担当の幸田真洋さん以外の6人の出演者が集まり、制作の薙野さんの話の後、読み合わせをしました。こういうのも久しぶりでしたからねぇ、楽しかったです! 読み合わせの時間は約1時間半。リーディングですから、あまり長いと辛いだろうなぁと思っていたので、ちょうどいい感じでした。ト書きもいったりしてたので、それがなくなって、テンポなども調整するので、もう少し短くなると思います。その日は、さっそく朝日新聞西部本社の長友さんが取材に来てくれました。長友さんは相変わらずパワフルに、出演者や私に話を聞き、写真を撮り、その後、徹夜で仕事があると、急いで仕事場に戻って行きました。御苦労様です!

 読み合わせの後、親睦会ということで、先週、写真でも紹介した通り、近くのiconeというおしゃれな店で飲み会が行われました。そこには、仕事が終わった幸田さんや、Webサイトを作ってくれているo2k(大塚)さんも参加し、後から、チラシのデザインをしてくれた東内拓理さんや制作協力の萩原綾さんも駆けつけてくれました。キョンスク役の都地みゆきさん、修道院長役のなかむらとし子さん、弁護士役の鈴木新平さんは、他の稽古や打ち合わせがあるということで、参加出来ませんでした。

 その席で、幸田さんと検事役の矢ヶ部哲さんが、同じ高校の先輩後輩だということがわかりました。その高校は、前にも書きましたが、新感線のいのうえひでのり氏も出身の、福岡の高校演劇界ではあまりにも有名な福岡大学附属大濠高校で、中村卓二さんもそうなので、なんと今回の出演者中、3人も大濠高校演劇部出身者だという、東京では考えられないようなことが起きてたのです! いやぁ、先週紹介した25年ぶりに再会した彼女といい、中島かずき氏といい、福岡の高校演劇界恐るべしですね! あ、最近はどうなのか知りませんが。しかし、福岡に来て、高校演劇に対する見方が変わったのは確かですね。昔は、高校演劇っていうと、ひとつの型にはまったような芝居ばかりやってる、アマチュア演劇と同じようなもんだ、と思ってましたから。いや、今でもそういうところもあるかもしれませんが、福岡の高校演劇の話を聞くと、いろいろ楽しそうでいいなぁと思いますね。

 さて、その後、先週に入り、26日(木)、28日(土)と稽古があり、木曜日には、さっそく本番と同じような動きを想定しての稽古を始めました。今回はリーディングなわけですが、福岡ではあまりリーディングというのはなじみがなく(北九州芸術劇場では行われていますが、観ていないので、どういう形でやっているのかわかりません)、出演者たちも朗読劇のようなものというイメージを持っていたようなので、「台詞を朗読で語るのではなく、台詞はあくまでも台詞として演じていく」「台本は手に持って、身体を動かさないで立って読むので、つい身体を動かしたくなるのが、ちょっと大変かな」などという話をしました。まぁ、リーディングといっても、いろいろなやり方があるようですが、少なくとも私は、座って台本を読むままの朗読劇のようにはしたくないと思っていますし、おそらくこれからどんどん増えてくるであろう、リーディングというものの可能性を広げるようなことはしていきたいんですよね。これは、4年前の韓国現代戯曲ドラマリーディングVOL.1に参加し(チャン・ジン作『無駄骨』の演出)、去年のVOL.2を観に行って思ったことなんですけど。

 そんなわけで、今回は、登場人物が入れ替わり登場しては退場してゆき(全員、最初から最後まで舞台上にはいるんですが)、照明や音響のきっかけも多いので、いわゆるリアルな身体演技をするような動きこそありませんが(基本的には、台本を持って立って読むわけです)、かなり普通の演劇に近いものになっています。まぁ、戯曲自体、それほど大きな動きもなく、独白も多くて、リーディング向きの作品ともいえるんですが。

 それにしても、リーディングですから、1人の役者で何役か出来ないこともないんですが(事実、鐘下辰男演出の去年2月の韓国現代戯曲ドラマリーディングの『豚とオートバイ』では、ト書きの読みを入れると10の役を、5人でやってましたからね)、今回は、少ししか出番のない役も含めて10役それぞれ、10人の役者でやるという、なかなか贅沢なやり方をさせてもらっています。しかも、みんな個性的な人たちばかりですからねぇ。まだ、全員揃っての稽古は出来てないんですが、みんな揃ったら、なかなかすごいことになると思いますよ!

 土曜日には本チラシも刷り上り、稽古の前には、急遽、シティ情報ふくおかの取材も受けました。いやぁ、制作の薙野さんは、御存知のように『福岡演劇のひろば』の主宰者で(それで、今回は“HiRoBaプロジェクト”公演なんです)、芝居の制作はもちろん初めてということですが、なかなか頑張ってくれています! その経過は、薙野さんのブログ“のんちゃんのつれづれ”に詳しく書かれています。まぁ、その忙しさのおかげで、『福岡演劇のひろば』のサイトの方は、あまり更新している時間がないようで、すみません。ていうか、今年定年だということですし、お身体にはくれぐれも気をつけてほしいと思います。なんていうと、年寄り扱いするな、といわれそうですが(笑)。

 というわけで、今週は『豚とオートバイ』特集になってしまいましたが、最後に、稽古の合間を縫って、29日の日曜日には、今年最初の小倉競馬開催中ということで、小倉競馬場へ行って来たことを報告しておきたいと思います。残念ながら馬券の方は散々でしたが(同時開催の京都競馬の方は少し当たったんですが)、例によって学院の先生方と、今回は初めての人も含めて8人の大人数で行けたのが、楽しかったですね! ギャンブルというより、みんな、サラブレッドが走っているのを目の前で生で見て、感動していたようです。もちろん、当たれば喜んでいましたが。

 さて、今週末の日曜は熊本に、中村卓二さんと宗真樹子さんが出ているきららの公演を観に行って来ます! それと、土曜日は40代最後の誕生日だ……のんびり温泉にでも行って来たいなぁ。

(2006.1.31)
(つづく)


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