さてさて、先週から、3月にやる韓国現代戯曲ドラマリーディング『豚とオートバイ』の稽古が始まりました。というわけで、この2週間を日記形式でサクサク書いちゃいましょう!
■1月9日(月)
博多新劇座で大衆演劇を観た夜、福岡在住のある女性に会った。それがなんと25年ぶり! というのも、その女性は、私がまだ明治大学に在籍中だった夏のある日、大学内にあった演劇舎螳螂のアトリエに突然やってきたのだが、当時、彼女はまだ高校生。夏休みを利用して福岡から東京に芝居を観に出て来たはいいが、演劇の公演がなく、公開ワークショップをやっていた螳螂のアトリエにやってきたというわけ。で、いろいろ話し、彼女が福岡に帰った後も、連絡を取り合った。実は、その顛末は、私が当時アリス出版の雑誌に連載していたエッセイにも書き、私の初めての単行本『少女博物誌』(絶版! 時々、古本屋にあるらしい)にも収録されているのだが、今回、彼女に読んでもらったら、いくつか事実と違っているところがあったらしい。私は「セーラー服の美少女」と書いたのだが、セーラー服は着てなかったというし……ま、考えれば、よっぽどの趣味とかじゃなきゃ、東京に遊びに来てるのに、セーラー服なんか着てるわきゃないか! 美少女は……紛れもなく、美少女でした。
で、その後、彼女は演劇ではなく舞踏にはまり、大駱駝艦の合宿に参加するために東京に出て来たり、ビアガーデンで金粉ショーをやったりと、とにかく行動的だった。実は、私が福岡という街を訪れたのも、彼女に呼ばれて福岡まで夜行列車で会いにやってきたのが最初だったのだ! 今から27年ぐらい前。その当時の福岡の印象もエッセイに書いているが、「ラーメンを食べに行くだけのために、博多に行ってもいい」「ぼくにとっての博多は、今のところ、あくまでもラーメンなのだ」と記している。よほどラーメンの印象が強かったようだ。今ではしょっちょう食べているが。
それからしばらくして、彼女は結婚し、子供も生まれたということで、疎遠になってたのだが、今回、当時福岡で会った彼女の友だち(その友だちには、11年前の北九州演劇祭に参加した時に会った)を介して、約25年ぶりの再会と相成ったわけだ! 現在、彼女は、二人の子供が成人して独立した後、旦那と離婚し(熟年離婚っていうには早いけど)、3年前に高校の同級生と再婚して、2年前に子供を産んだという(44歳でですよ、素晴らしい!)、昔のままの行動的な彼女で、25年ぶりに会っても、私はすぐ彼女だってわかったぐらい、変わってなかった! 私はもう、たっぷり太ったけど。なんたって、当時はガリガリで、体重も50kgもなかったんだから、29歳までは!
その彼女のバイタリティはどこから来るのかと思っていたら、やはり、彼女は高校時代からタダ者ではなかったというのが、今回話してわかった。福岡は、中島かずきやいのうえひでのりといった人たちが高校演劇から活躍していたわけだけど、彼女もなんと彼らと同級生で(高校は違うけど)、中島かずき氏が当時、高校演劇の横断的なメンバーを集めて作った「ももカン」の劇の主役もやったという経歴の持ち主だったのだ! いろいろあったらしいけど、詳しくはいいません、いや、知りません、てことにしとこう。
そんな彼女と、いろいろ福岡の演劇についての話や昔話や夫婦というものは、なんて話をした。彼女自身は、今は子育てが楽しいということで、直接演劇に関わることはないそうだけど、そのバイタリティを、いつか福岡の演劇界のために役立ててほしいものだ。
彼女の実名は出さないけど(出さないでっていわれてるんで)、これを読んで、知ってる人なら当然わかるだろう。そうなんですよ、彼女と大昔から知り合いだったんですよ、後輩の糸山さん! 彼女とは、3月のリーディングを観に来てもらうことや、また会うことを約束して博多駅で別れた。懐かしさと同時に、今も相変わらず元気なままの彼女に会うことが出来て、とてもいい気分だった。
……なんか、これだけで長くなっちゃいましたねぇ。いやいや、簡潔にどんどん行きましょう!
■1月11日(水)
この日から、朝、FBSで『ラブレター』が始まるので、しっかり録画のセット。妻が主演のチョ・ヒョンジェのファンで、夏に釜山に行った時もサントラを買ってきてと頼まれた作品。どんな物語か知らないけど、私の大好きなチ・ジニも出てるじゃん! 録るだけ録っといて、まとめて観よう!
■1月12日(木)
夜、今年初めての韓国映画(DVDじゃなくて、映画館で)。観たのは、『アメノナカノ青空』。原題は『…ing』。この印象が強かったので、日本語のタイトルはいかがなものかと思ったが、まぁ、雨もキーワードになっていたので、良しとしよう。雨の日でも、差していると青空が頭の上にある、あの傘、欲しい! 『箪笥』でお気に入りになったイム・スジョンが主演。いやぁ、好みです、イム・スジョン! これからどんどん活躍してくれるでしょう! 『ピアノを弾く大統領』でも、アン・ソンギソンセンニムの娘役だった。この映画を観た後、さっそく学院のパソコンの壁紙を、ソン・イェジンからイム・スジョンに変えた。いや、ソン・イェジンもずっと好きですが。映画は、決して派手ではないけれど、出演者がみんないいし、映画の中に出てくる写真がすごくいい! 『頭の中の消しゴム』は、力技って感じでよかったけど、この映画の脱力感も好きだ。それもみな、イム・スジョンの魅力のおかげだと思う! キム・レウォン扮する大学生の描き方がちょっと疑問だが、去年のベスト10に入るであろう好きな作品。★★★★
■1月13日(金)
西鉄ホールに『E−1グランプリ2005/九州決勝大会』の初日を観に行く。この日は、「万能グローブガラパゴスダイナモス」(長い!)と「劇団ぎゃっ。」と「(劇)池田商会・総合芸術舎玉屋」(これも長い!)のバトル! この中から、観客の投票で選ばれたひとつの劇団が、東京で行われる全国大会に行ける。万能グローブには、代アニの1年生の立石めぐみが出ているし(高校演劇の付き合いで頼まれたとか)、劇団ぎゃっ。は、劇団員の三坂恵美嬢が顔見知りで、代アニにインフォメーションにも来た。池田商会には、3月のリーディングに出る都地さんがヒロイン役で出演している。私は当然、公平に判断し、劇団ぎゃっ。に一票を投じた。結果は、5票差で劇団ぎゃっ。が選ばれた。終演後、それぞれに公平に挨拶し、劇場を出て、観に来ていた薙野さんと天神のふとっぱらに行き、リーディングの打ち合わせ。稽古日程を決める。主役の男役の中村卓二さんが、2月4・5日に熊本で行われる劇団きららの公演(観に行く予定)に出演しているので、それまでは参加出来ない。その後も、4月のギンギラ太陽’sの稽古もあり、なかなかタイトな稽古日程になる。薙野さんは心配しているが、みんな力のある役者さんたちですから。何より、演出は私だし(笑)。
■1月15日(日)
昼間は、今年初めての学院の体験入学。ゲストはナウシカの島本須美さん。島本さんは日帰り。時期的なこともあるのか、参加者は少ない。私のやることも、このところ減っている。ま、いろいろ今後のことを考えてのことだろう。しかし、参加者の年齢が以前に比べて下がってきている(中学生の参加が多い)のは、どういうことか? 若いうちから声優を目指す子が増え、身近な存在になってきたということなのかな。
夜、3月のリーディングの演出協力でもあるGIGAの山田恵理香さんと会い、釜山から来ているという劇団トケビのメンバーを紹介される。みんなで中洲のふとっぱらへ。ホルモンの本場、釜山の人たちに、ふとっぱらのホルモン炒めを食べさせたかったから。味付けは甘いが、おいしいといっていた。他にも、酢モツやラーソーメンを食べながら、ハングルで説明。さすがに、キムチやチャンジャは頼まなかったが、黒霧島(芋焼酎)もおいしいおいしいとストレートでグイグイ飲んでいた。韓国焼酎とどっちが強いんだったっけかな? トケビ代表のキム・イクヒョン氏は、私も釜山でお世話になったイ・ドンジェ氏の處容劇団(チョヨンクッタン)に役者として在籍していたことがあり、2000年のアリスフェスティバルにも、公演に来ていたということがわかる。公演終了後、タイニイアリスでみんなで飲んでいた場で、私も会っていたのだ。もちろん、お互いに覚えてなかったが。今、イ・ドンジェ氏はソウルに行って興行の仕事をしているということも聞く。近いうちに、トケビとGIGAの合同公演をタイニイアリスで実現出来るよう、大いに協力することを約束して、私は仕事が残っていたので、一足先に出て家に戻る。
仕事を一段落させ、テレビでチェルフィッチュの『目的地』を見る。最近のチェルフィッチュは観てなかったので、驚く。確かにおもしろい。言葉の表現のおもしろさは相変わらずだ。しかし、動きがあまりに様式化されてきていることに、ちょっと疑問を感じた。ダンスのような動きが鮮明になってきて、ひとつのスタイルが出来てきた感じ。これはこれでいいのだろうが、飽きてしまうおそれもある。1回観ればいい、というやつだ。昔のチェルフィッチュのおもしろさは、わけのわからない、どこへ行くかわからない、未完成のおもしろさだった。毎回、違う楽しみ、おもしろさがあった。それが、ひとつのスタイルを持った形で様式化してくると……やり方としてはいいのかもしれないが、私は未完成な、あやふやなものが好きなので、ちょっと複雑な気持ちだ。出演者の中に、初舞台が月光舎の『莫』だった瀧川英次(当時は高校生で、その後も『眠れぬ夜のアリス』にも出て、北九州演劇祭にも来た)がいて、芸術劇場とかに出ているなんてのが、うれしかった。なかなか活躍しているようだし。いずれにしても、早くまたチェルフィッチュの生の舞台を観に行きたいと思った。
……おおっ、長くなってますねぇ。すんません。まだいろいろ書きたいこともあるし(mixiのこととか)、先週のことがまったく書けませんでしたが、先週と今週は『豚とオートバイ』絡みがほとんどなので、来週まとめて『豚とオートバイ』特集でドーンとお送りします! そうそう、制作日誌のブログも出来たようなので、お時間のある方は、見てみて下さい!
(2006.1.24)