火金にしてねっ!
wrote by 一寸小丸(押しかけ制作補助)
■懺悔
チラシのおもて面に
「祈りのあとに」から10年
母たちは
祈るための手を解き
娘たちは
新たな絆を結ぶ旅に出る
と大書してある。この「祈りのあとに」がわからんかった。なんのことだろう、と思ってた。だいぶたってから、それが旗揚げ作品のタイトルだと知った。・・・って、どんな制作補助なんだよ私は!
ラ・カンパニー・アンはフランスの地でフランス人スタッフとともに10年前「祈りのあとに」という作品を作り上げた。西山水木と明樹由佳がフランス・アヴィニヨンで。当然、コトバが通じないため、コトバに頼らない身体表現系の作品となった。言語なしでも、平和、女、愛、などを表現していた。そしてこの「祈りのあとに」はフランス、日本、韓国で何度も上演し続けたのだった。アンの原点であり、アンのすべてが詰まった作品だった。ということをだいぶ経ってから知ったのだった。とほほ。懺悔しときます。
■その後の10年
アンは結成10年だ。「祈りのあとに」を持ってフランス、韓国、日本各地で公演し、その後、様々な出会いと、新たな挑戦を繰り返してきた。10年間で、多くの優れた才能と出会ったのだ。
1999年 フランスで旗揚げ
2000年 吉良知彦初参加
小峰公子初参加
2001年 NY同時多発テロ
照明家千田実初参加
2002年 田嶋ミラノ脚本との出会い
2003年 「非戦を選ぶ演劇人の会」に参加
2005年 立花あかね加入
2006年 DJ.TEYO初参加
2007年 成本千枝加入
2008年 高木充子加入
アンを語るキーワードは三つ。「女」「非戦」「アジア」だ。特に、2001年のNY同時多発テロと、その後の戦争が与えた影響は小さくない。「非戦を選ぶ演劇人の会」に参加することで、アンは「愛と平和」を意識的に表現するようになっていった。もちろん、それを作品中で声高に主張するわけではなく、「愛」とて男女だったり、母子だったりした。アンは国境を超え、性差を超え、敵味方を超える。演劇や音楽の制約も超え、自由な表現を希求し活動している。その10年が「月いづる邦-mother moon-」に集約される。みたいです。
■「祈りのあとに」のビデオを見た
ビデオがあったんです。先週、見ました。2002年のアヴィニヨン版。吉良さんや公子さんも出てる。いやあああ、明樹さんがかっこいいいい。いまはもう、明樹さんの人となりを知っちゃってるんでアレですが、なにも知らなかったら感動するよ(いや、ビデオみて感動したんですけど)。ダンスのキレがいいんです。私の知っている明樹さんは、「御母堂伝説」でのくんずほぐれつの妖艶なやつで・・・。
それと、音楽性の高さにびっくり。アンって音楽方面のプロモーションってしたんですかね。無国籍アジア系のちゃんぷるーな音楽が、かなり面白かったなあ。音楽ユニットとして売れなかったもんか・・・。まあ、吉良さんの才能に依存している部分は大きいのかもしれないけど。
しかし、ビデオを見て一番思ったのは、これにDJテヨが絡んだら、何が起きるんだろう、ってことだ。全然想像できない。何が起きても不思議じゃない。いや、全くわかりません。
■出演者紹介
個人的なシュミで、暴走させていただきます。まずはこの二人。なんと言ってもこの二人。メンバーの視線が痛いんですけど・・・。ゆかさんに写真撮ってもらいました。キャプションもゆかさんのものです。
日和佐美香
のんびりやで、繊細。今回は‘漂う’という意味のフランス語が役名です。カメラ向けたら、めちゃ照れてました。伸びやかなダンスが楽しみです。(ゆか)
ほんとはもっとアダルティなんですけど、なんか風呂上がりのような、むき卵のような写真になってますね。スタイルがめちゃいいんですが、今回は顔。文学座研究所出身ですって。あの「ダンスがみたい新人シリーズ」で新人賞を獲ったとか。踊るんですねえ。
清水理沙
国立音大声楽科のバリバリ。水木さんが演出した『空色勾玉』からのご縁です。綺麗な‘娘’になりました。(ゆか)
声優もやってるんですね(映画「スパイキッズ」)。けっこう大人っぽい雰囲気なんですが、今回のキャストの中で一番若いんじゃないでしょか。見た目よりかなり若い。これポイント。CMのナレーターもやってるって。声がいいんでしょうか。
(今後も順次、紹介していきます。なお、他の方の写真などはアンHPの「公演情報ブログ」にも掲載)