小丸「主観的」観劇2000

更新:2000年12月31日

(2000年観劇分、全部掲載) 観劇1999はこちら

これは小丸が見た舞台についての星取り表です。また敵作る。ひどいこと言ってるもんなあ。本当は、ダメな芝居に対しては、それをどうすればいいのか、という提案も持ってるんだけど、それは書いてないんで、言いっぱなし状態だもんな。まあ、ネットだからとりあえずはここまでだ。2000年は計53作品。(同点の場合は、公演の新しい順になってます)
★★★★素晴らしい
★★★ まあ良かった
★★  ちょっとどうかな
★   私は苦手よ
(since2000/1/1)
観劇日  評価 劇団 タイトル 感想
1 12/20 ★★★★ 清水宏のサタデーナイトライブ 「清水宏のサタデーナイトライブ13」 トークネタが炸裂。単身、東大の英語の授業にもぐり込んだネタはすごかった。40人クラスの後ろの方で、聴講しようと思っていたら、その授業は全員による「1分間スピーチ」だったのだ。清水さんの順番が回ってきた時、「お前は誰だ?」という視線の中で、堂々とスピーチを始めたのだったが・・。スリリングでした。他のネタがかすむ。
2 11/6 ★★★★ にんじんボーン 「サイレントナイト」 村上マリコ作品としてはベストでないのか。テクニックで書いたホンだと思うけど、うまく書けてるよ。宮本さんは役者として定着したのかなあ。出ない出ないと言いながら、いっぱい出てる。それ、嬉しい。
3 10/29 ★★★★ CABDRIVER 「明日は天気になる」 松田正隆のホンだったけど、なかなか楽しめた。役者うまいし。地味なホンをよってたかって高いクオリティに仕上げてた。この劇団、好きだなあ。金野さん素晴らしいし。
4 8/20 ★★★★ パンタロン同盟 「最後から2番目のコント」 素晴らしかった。「森は日本一のバカ」とか。核心ついてるよ。
5 11/13 ★★★ ポケ 「ポケの一人舞台3」 クオリティを上げる努力をしたらしいが、見事に高いクオリティの舞台を作ってた。えらいぞ。ネタの中には、外に出しても通用するようなものもあった。素晴らしい。あとは、どうやって、ネタの平均を上げるかだね。オープニングとか、本人は抜群のアイディアだと思ってやってるんだろうけど、けっこうありがちなんだよなあ。まあ、ありがちでもいいんで、どう作り込むかだね。ちょっとアイディア倒れだった。
6 10/29 ★★★ 扉座 「愚者には見えないラマンチャの王様の裸」 うまいホンだよなあ。てんこ盛り具合いがエンタメしてるしね。岡森・有馬の役者陣もいい。クオリティ高いよ、ホント。
7 10/4 ★★★ MODE 「秋のエチュード」 稽古場で見たのより盛りあがらなかった。羊屋さんのパートは浮いてるぞ。暗転するし。石村実伽さんを発見したのだけが救い。ちょっと素晴らしい。
8 9/30 ★★★ アンファンテリブル 「ソウルオブエメラルド」 ラサール石井さんの存在感大きい。清水宏の作り込みもヒキョーで素晴らしい。私、この木村座シリーズ、大好きです。
9 8/5 ★★★ RUP 「双数姉妹」 メインの女優がちょっとつらかたけど、中村まこと&五味が素晴らしかった。クオリティの高さだ。バラコもね。
10 7/29 ★★★ にんじんボーン 「恋ハ水色」 宮本さんと山口さんの、ろくでもないボケっぷりが見れて、すごく楽しかった。女優も前回の人が残っていたので、クオリティは高かった。
11 4/28 ★★★ にんじんボーン 「い・い・ひ・と」 やっぱ宮本さんと山口さんの二人以外の役者のレベルが低いっす。特に女優はもう、かなり弱い。憩居とか、いっぱいいっぱいだもんなあ。そこんとこが解消されないと、将来に対する不安がいっぱいだ。解消の方法は三つぐらい考えられるんだけど。
12 4/8 ★★★ アンファンテリブル 「Soul of Ruby」 シリーズの中では出色の出来。ってゆうか豪華版。本来のこのシリーズとは別もんだった。こんな感じでやれていけたら、きっと動員も伸びるだろうに。まあ、ヒナタまで出ていて、今回のはちょっと特別あつらえ的だった。このパターンを続けるのは難しいのかなあ。
13 3/11 ★★★ 清水宏のサタデーナイトライブ 「清水宏のサタデーナイトライブ12」 初日の一発目のネタであるCTOはすごかったなあ。最近のライブの中では久々のベストだったと思う。異様なテンションで、ほんと血管切れるんじゃないかと思うぐらいだったもの。清水さんにはこういうすごさを求めてしまう。が、トリネタは弱かったなあ。
14 3/8 ★★★ 花歌マジックトラベラーP 「窪面漬」 窪面シリーズの中では1番の出来じゃないのか。そこそこできる役者が集まったおかげで、窪ちゃんも生き生きしていた。
15 1/25 ★★★ 星屑の会小宮派 「人生悲喜劇案内」 役者さんがいまいちだけど、ホンが面白いので楽しめた。小宮さんの演出も丁寧で好感が持てる。今の宗教状況をうまく反映させていた。ってゆうか、こっちが勝手に反映させるんだけどね。深いホンだよ。
16 12/30 ★★ 藤井賢弥ライブ 「見せ者小屋でSHOWTIME7」 一人芝居の王道に戻ったが、クオリティはやっぱり低い。まだ、ネタ見せ段階のものが、板の上に乗っているように感じられる。こんなことやってても・・・。
17 11/21 ★★ レディレディプロジェクト 「財布とミルクと眼鏡とりぼん」 前に見た時はすごく苦手だったんだけど、今回のはちょびっと楽しめた。セリフのテンポがずっと良くなってたからだ。ただ、ホンは私から遠い。「コンピュータを職業としている人」が「頭いい人」にはならないと思うがなあ。もうそういう時代じゃないでしょ。
18 11/3 ★★ 胡麻塩玄米舎 「ポジティブの門」 大ちゃん(廣瀬大輔)のすごさが光るけど、芝居としては、地味だよなあ。こういうちょっといい話し系の芝居って腐るほどあるもんね。アイディアとか、本人たちが気に入っているほどには特別なアイディアでないんだけどなあ。
19 9/19 ★★ ラストキンダーガーテン 「くびきり」 面白い設定だけど、やっぱりホンが書けてないと感じる。役者も実力の3割ぐらいでやってる感じで、その力の抜け具合いは狙いなんだろうけど、もったいない感じになるよ。
20 8/31 ★★ 花歌マジックトラベラー 「パラサイト・トリップ」 そこそこ実力のある役者を集めたんだけど、お話しとしては浅かったような。それにしても動員が悪すぎるよ。
21 8/19 ★★ アンファンテリブル 「ソルウオブレインボウ」 ワークショップメンバーの公演。若手だけだとシンがないのでちょっとつらい。
22 8/10 ★★ かしこい僕達 「ロマンチック裁判」 そこそこキャリアのあるいい役者が集まって、きっちり仕上げてた。でも、ホンはまとまってなかったなあ。前半と後半、別の芝居だし。
23 7/9 ★★ プレイヤーズマーケット 「サヨナラ・ニッポン」 外人ばかりが住むアパートという設定自体が大変だよな。よくやるよ、こんな困難な企画。えらいよ。日、中、北欧、ブラジル、アフリカ系と並んだ。それで、まあ、ほとんど事件らしいものにはならず(人が死ぬけど)、けっこう平和だった。やっぱり平和、でいいのか。杉山はこれをやりたかったのかなあ。
24 6/18 ★★ じょじ伊東P 「宴のあと」 静かな演劇系でエンタメ要素強し。静かななかにもドラマがあって、役者のふんばりもあり、そこそこ盛りあがる。が、やっぱ私はこういう静か系の芝居を受け入れられなくなってしまったのね。体質が。今のリアルって、ここにないと思うんだけどさ。
25 6/17 ★★ チェインギャング 「ヒーロー」 達者な役者がそろって手堅い芝居だったけど、いまいち乗れなかった。たぶんホンが弱いんでないのかしら。後半、大きく変化するはずだったんだけど、そこまでいかなかった感じ。惜しいじゃん。
26 5/5 ★★ デンワマーク 「コロコロコロス」 エチュードから立ち上げた芝居らしいが、構成が半端だった。無理矢理だもの。布施って役者がすごく良かった。
27 4/29 ★★ ゴキブリコンビナート 「プチトマトサラダ記念日」 噂のゴキコンを初見。めちゃめちゃちゃんと演劇だった。装置とか凝ってて、ストーリーもしっかりしてて、驚いた。嫌いじゃないけど、もっとアナーキーかと期待してたんで。ハイレグよりは好き。
28 3/23 ★★ ジャブジャブサーキット 「図書館奇譚2000」 久しぶりに見たジャブジャブはもろ青年団だった。初演のときにFSTで話題になった作品なので、期待していったが、なんかたいくつ。6年前の作品だからか? 最後に大どんでんがえしがあるかと期待したのだが。
29 2/6 ★★ ノマドセカンド 「シンクロニシティ2000」 かなり良くできた芝居で、いっぱい楽しめたのですが、不満もまた沢山。1番の問題は、最後が夢落ちだったこと。横丁のコンビニ強盗の物語が地球崩壊まで進展し、人類滅亡・キリスト再臨まで行くのですが、これが夢だったという・・・。で、2年ぐらい前に初演されたときには、この夢落ちがなかったと聞きました。再演するにあたってエンディングが変わったんだとか。2年前は「崩壊」で行けたのに、今やると「夢」であり、現実は変わらない、となるわけです。なんとなく理解できるのですけど、そこが最大の不満でした。これって、ナイロンの壮大な夢落ちである「テイクザマネー〜」の裏返しだよね。つまり、崩壊が現実であり、変わらず続く日常が「夢」だったという・・・。私はナイロンを支持しますね。あと、映画の「ファイトクラブ」です。あれも、エンディングでちゃんと崩壊にしてて、「夢」落ちにはしていません。どんなに荒唐無稽の話しでも、きちっとリアリティを持たせて終わるのがとても重要だと思います。「崩壊にリアリティない」とせずに、いかに「崩壊のリアリティ」を出すかが勝負だと思うのです。
30 1/19 ★★ ワークスクリエイティブ 「イエローマン」 ビシバの二人は良かったけど・・。特にふせえりのうまさが際立つ。でも、ホンがつまんない。ってゆうか古い。あと、演出が芝居じゃないみたいで、ぬるいの。裏方さんが大変だったろう、とか思って気の毒だった。
31 12/22 コスモル 「地底中」 花歌を退団したメンツで結成した劇団。芝居の作り方の方法論が花歌と同じだけど、あらゆるところが雑で、完成度も低い。いまさらこんなこと始めても意味無いと思ってしまったが、どうなんだろう。情けなかったよ。
32 11/27 劇工房ライミング 「ザ・カスタム・オブ・ザ・カントリー」 演出は面白かったんだけど、ホンが苦手だなあ。説明セリフが多いんだもの。ってゆうか、それを説明っぽくしないように役者が表現しないとならないんだろうけど、なんか、新劇っぽくて、無駄っぽく聞こえてしまってた。惜しいよなあ。
33 10/27 くされ芸道 「ひひーん!野次馬探偵団」 うーん、苦手だった。こてこてのギャグが楽しめない体質な私だ。ざんねん。
34 10/5 エクスクエスト 「テイル」 SFっぽいけど、なんか、余計なおかずが多すぎて、散漫だったよ。何がなんだかわかんないんだもの。書ききれてないって感じだ。ダンスとアクションが本格的で、それでエンタメかというと違うんじゃないのかしら。花歌の窪ちゃんは奮闘してたけど。
35 9/29 藤井賢弥ライブ 「見せ者小屋でショータイム6」 若い役者さんと4人でやる芝居が、普通のエンゲキだもんだから、ただの若手劇団になってしまっていた。稽古不足劇団だ。賢弥は何をやりたいんだい?
36 9/24 カプセル兵団 「スペース一休」 だって、西遊記とか一休さんとかをSFにするのって、あまりにもパターンだもの。その設定だけでおなかいっぱいだった。次のステップに進まないのかなあ。
37 9/15 波noriルネッサンス 「とびっきりヘヴン」 ちょっと笑えないホンだったなあ。なんか、古くないか?
38 9/13 バンソウコウ 「マーズフロンティア」 やっぱホンがちょっとなあ。使える女優もいなくなったしぃ。とちりが多すぎるよ。
39 8/4 コーヒー牛乳 「蒲田行進曲2000」 映画がベースみたいで、芝居のいいセリフがみんなカットされてて、見ててとってもつらかった。いい役者がいるんだけどねえ。
40 7/29 エレクトラ・オーヴァードライヴ 「バチスカーフ」 いい役者がいるけど、ホンがけっこうつらい。お話しが展開しないんで、いらついた。設定とか面白いのに。ようやく展開したと思ったら、あっというまに終わってしまった。
41 7/16 東京印 「GO TO BANK」 テンポが良くないんです。セリフとセリフが繋がってない。だもんだから、ノリが生まれないんで、なんか、退屈しちゃった。ホンもご都合主義すぎるように感じたよ。
42 6/17 アンファンテリブル 「鞄屋の娘」朗読会 前川麻子の100万円ゲット作品の朗読会。まさに朗読会以外の何物でもなく、ひたすら3人で読んでた。客入れが1時間もあり、思わず本を買って読んでたので、ますます退屈しちゃったよ。朗読会だから、朗読するんだろうけど、なんかビジュアル面の工夫があってもいいんじゃないのかしら。DJじゃなくて、VJとか。
43 6/4 トムプロジェクト 「東海道四谷怪談」 丸山とかただの新人扱いだもんな。大変だよ。そんで、うまい役者がいるんだけど、オーソドックスな芝居なんで、楽しめない私。ジーンズ履いて、ハードロックかかって、それで現代風ですって感じだけど、どの現代なんだかわからなかったなあ。
44 5/14 絶対王様 「はえお2000」 お気楽に見れるお芝居ってコンセプトなんでしょ。お客さんもとっても楽しそう。で、そういうことにむかついている私って歪みきってますね。ただ思うのは、こういうのやってると、演劇って絶対に映画やテレビやアニメに勝てないってこと。
45 5/13 R+1 「カラザの楽園」 平均年齢の高い役者さんたちが、お芝居が好きでやっているという劇団なんでしょう。それはそれでいいと思うんだけど、なんかむかつく。
46 4/29 天然ロボット 「翡翠の背骨、馨しき芥となりて」 めちゃめちゃエンゲキしてた。前に見たときは、もっと新しいことをやってたような気がしたんだけど。ロリロリなテイストはいいけど、役者が佐野みかげとかってベテランがやってんだもの。古川さんの大先輩らしい。
47 4/15 ACファクトリー 「GO^2 WEST」 お客さんがいっぱいだったし、楽しんでたみたいなんで、文句ないのかもしれませんが、私は寝ました。苦痛でした。アクションはかっこいいけど、照明に負けてる。照明はセンスよりも量で走っている。やだなあ。
48 4/13 IQ 「陰と陽」 あまり演劇のことを知らない人たちが、頑張って造って見ました、という感じ。あまりにも稚拙。まあ、一歩一歩学んでいくんでしょうねえ。でも、しらなすぎるよ。そんなんで金とっていいのか。
49 4/11 燐光群 「パウダー・ケグ」 見ていて、なんてリアリティのない「翻訳劇」みたいなセリフなんだろう、と思ってた。チラシを見たら、翻訳劇だった。がーん。なんか、リアリティのないこと山の如し。どっかの時代のどっかの国の話しなんだもの。音も音楽も嫌いな使われ方だった。まあ、こういう芝居だと、音は難しいけどね。
50 3/31 玄米舎 「新・中学生日記」 五人のうち3人が舞台経験がほとんどないというハンデはあったが、それを差し引いても、ホンがありがちのものだし、せっかくの大ちゃんとか佳代ちゃんが生きていない感じ。中学生メインだと理解できなくもないけど、そりゃあんまりだ。
51 3/26 藤井賢弥ライブ 「見せ者小屋でショータイム5(浜松編)」 今回のはダメだろ。お客さんがあったかかったから盛りあがってはいたけど、ネタ系が全然できていなくて、トーク系は前回のやつの再演だし、アドリブ系だけで成立させていた。それじゃやばいだろう。
52 1/20 ランニングシアターダッシュ 「風のピンチヒッター」 元気に走りまわって青春を叫んで、アホみたい。高校野球が舞台なんだけど、リアリティないなあ。レベルの低いマンガみたいなストーリーなんだもの。上原がマウンドで涙したのとか、大越のダメ人生とかの方がリアルだと思うのに。気持ち悪いぞ。
53 1/15 カプセル兵団 「フレアを超えて」 もろピスタチオコピーだった。だけど、ピスタチオの八割をコピーしてる感じ。やってることがマネっこで、役者が気持ちいい芝居になってる。こっちは楽しめないよ。


名前 神保正則
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