大江戸演芸捜査網
〜楽屋口と客席の間で〜

(54) 2003.1.18 ■「落語とWeb、そして私(7)」


『別館』へご案内〜っ!

なかむら治彦
なかむら記念館・本館TOP
なかむら記念館・別館TOP

 なかむらと申します。丸18年にわたり、出版系自由業をナリワイとしております。
 今回、ワタシのやっているサイト『落語別館』について何か書きなさい、とのお達し。自分のサイトについて語るなぞ、自分のサイト以外じゃなかなか戴ける機会はございませんので、場違いを自覚しつつもマカリ出た次第。何とぞお付き合い下さいまし。

 さて、『別館』を名乗るからには『本館』もあるわけで、もともと個人サイト『なかむら記念館』('99年夏開設、現在もあります)の中に落語コンテンツを作ったのが、コトの発端です。
 10年ほど前から始めた落語演題コレクション(青蛙房『増補落語事典』に掲載されている落語演目を“音”でどこまで収集できるかに挑戦中)を自サイトで公開し、そのうちに落語に関する日記もつけるようになって、さらにネットを通じて落語仲間が徐々に増えてきた頃から「趣味」の域を越え始めちまいました。掲示板で、落語ファン以外が引くよーな専門的な話題を書いたりして(ほとんどワタシ自身が、でしたけど)。
 他の掲示板の常連さんは皆、ほとんど落語に興味が無くて、当時ものすごーく気兼ねしておりました。

 で、「ならいっそ落語専門のサイトを別にこさえちまえ」と始めたのが、'02年の1月。
 ちょうど新作落語脚本の執筆にも本腰を入れるべく動き出していた時期だったこともあり、1月19日開設の段階で、『新作落語脚本展示場』、『落語日記』、『落語収集控』等々と、なんとなくコンテンツの数だけは体裁が整えられました。『新作落語〜』はまだ作品数も少なくてスカスカでしたけど。
 あとはトップページ。せっかく自分の主な仕事が似顔絵4コマなのだから……と、毎回モデルさんにはナイショで、勝手に落語家さんの似顔絵をトップページの看板代わりにさせていただいております。
 一応、告訴されないよーに師匠がたの芸名は付記してはいないものの、毎回とてもわかりやすーいヒントはつけております。師匠がたゴメンなさい。
(開設以前から顔なじみだった三遊亭楽春師だけ許可済み。あと柳家三太楼師からは、公開後にメールで絵のご感想を賜りました……あわわ)

 当『落語別館』の三つの主要コンテンツはそれぞれ、オモムキとゆーか、読者対象が違います。

『落語日記』は、ごく普通の寄席観戦記やら落語関連書籍の感想文やらで、内容の濃さはさておき一応対象は万人向け。なるたけワタシ自身の視点と言葉で書くことと、批評する場合は「当人の前で言えないことは書かない」ってのをモットーにしているつもりです。

●正反対なのが『落語収集控』。こりゃもう見る人が見れば単なる“コレクション自慢”で、ワタシもあえて否定はいたしません。それに加え、同好の士からの情報を求める目的もあります。事実、当サイトの中では唯一、閲覧者からのリアクション(メールによる個人連絡)が絶えないコーナーです。もっとも絶えないッたって、半年に1通ペースですが。

●で、最も新しい『新作落語脚本展示場』。落語脚本用のペンネームなどもこさえて、意気込んで始めたものの、まーこれが一向にはかどらない。当初、新作と古典掘り起こしを替わりばんこで、月1本ペースでのアップを目標に……と思っていたものの、進まないこと山の如し。12月に公開した最新作『分け綱の由来』など、準備〜公開まで8ヶ月もかかってしまいました。
 んでまた、リアクションがまったく無いんだ、このコーナーが(号泣)。更新遅く、読みづらく、リアクション無く……という読み物コンテンツの三重苦。

 以前、演芸作家の稲田和浩氏が新作落語脚本のWeb公開に関するご意見を書かれていたのをこちらで拝見しましたが、ワタシゃ添削でも批評でもいーので、リアクションが欲しいです。もっとも、一言一句違わぬ脚本マンマの口演は、ハナから望んでおりません。あくまで演者さん独自のプラスアルファが付加されてこその新作落語脚本、という認識の上で、公開しておりますので。

 『新作落語〜』の読者対象は、これはもうプロ・アマ問わず「演じ手」の方。もう少し自信作がたくさん書けたら、ほうぼうのサイトへ宣伝に回ろうかと思っておりましたが、少々先走ってコチラでお知らせしてしまいます。お願い、皆さま読んで(懇願)。

 この道50年になんなんとする落語通から、昨日初めて落語に興味を持った10代まで、Web上の落語ファンってのはめちゃめちゃ層が厚いですから、その全員にウケるよーな落語サイト作りはワタシにゃムリです。
 ピンポイントでお気に召す部分があって、そのポイント数が多くなる……そんなサイトになれば、とりあえず閲覧者の満足度は高くなるのでは? などと素人考えに思います。

 それを踏まえ、時間が許せば、年内にいくつか新コンテンツを立てようかな〜、という腹づもりもあることはありますけど、さてその肝心の時間があるのかどーか。うむむ。
 今度、当『落語別館』を試しに覗いてやろーかな? というご奇特なお考えをお持ちの方は、そこいらにあまり期待なさらず、ごく気長にお付き合いいただけると嬉しゅうございます。

 そんなこんなで、どーぞご贔屓にっっ。

了//



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