(2) 1999.11.22 落語をインターネットで(2)〜「立川談志・極め付き寄席」〜落語家関連のインターネットサイトは数多くありますが、当人が関わっているサイト、ファンの作ったサイトともども一番多い落語家、といえばやはり「立川談志」立川流家元関連のサイトではないでしょうか。 TV番組やCMなどにも出演、精力的なCDや本の発売など、現在の落語界の大看板の中でもメディアに積極的に対応している数少ない方ですが、インターネットでも状況は同じようです。それはご自身が積極的に関わろうとしているのか、周りがほおっておかないのか、それだけマーケットが成立するからなのか、どういう形で取り上げられても魅力が失せない強烈な個性を持っているからなのか…。 本人が直接関わっているサイトだけでも、事務所の公式サイト、当人のプライベートページ、講談社「Web現代」でのトーク&高座の連載、と3つもあります。中でもいちばん注目すべきコンテンツは、高座を有料で公開している「Web現代」内の「極め付き寄席」ではないでしょうか。 6月のパイロット版の創刊以来同サイト内でトーク「世相講談」を無料公開していましたが、10月29日の本創刊より追加コンテンツとなった「極め付き寄席」。ひとつの高座をまくら/ミックス落語(「落語チャンチャカチャン」的なもの)/本編(第1回は「権助提灯」)/おまけ、と数個のファイルに分けてリアルプレイヤーでの動画公開(一部スライドショーもあり)。あと、楽屋光景のサービスカット(?)もついてます。 視聴料金は10日間入場自由で800円、料金はBIGLOBE を利用しての引き落とし。10日間という期間は「ビジネスマンのために必ず週末を入れたい」という編集部の方針から決められました。 6月からのパイロット版のヒット数は、最大時で1か月60万回だったそうですが、本創刊以来、既にそれを上回るアクセスのペース。編集部の方に、サイト内の有料コンテンツの中での談志師匠関係のアクセス数を伺ったところ「(女性の)裸にはかなわない」とのことでした(^^;)。 高座の収録は、独演会におじゃまする形で、客席にコンパクトな機材を置いての録音・録画となったそうです。 談志師匠というと、TVで落語を放送する時などは、カメラアングルなどに厳しい注文をなさる方。まだ映像・音質などに関しては十分とは言い難いインターネットでの公開、いろいろと指示などはなかったのでしょうか? 「いや、特にそういう注文はありませんでした。おそらく、TVで落語をやるとなると『作品としての落語』が残るので気になさるのかもしれませんが、それらとは異なる、日々の立川談志としての営みのようなものを記録するメディアとして、インターネットをとらえていらっしゃるのではないでしょうか」(Web現代・立川流関連担当/新泰幸さん) とはいえ、インターネットで流すにあたっては、音声・映像ともに、通常の出版の場合と同じく、著作権に関しての契約はきちんと締結されています。あと、高座の中で一か所、放送禁止用語が出てきたそうです。 「インターネットをアンダーグラウンドなメディアにするのではなく、雑誌などと同じように多くの人にアピールする媒体としてとらえたいので、そこはカットさせていただきました」(新さん) 現在のところ、豊富な「Web現代」のコンテンツを読むのに精一杯なのか、まだ、見た人からの反応はあまりないそうですが…意見・リクエストをするなら今です。
「講談社・Web現代」(立川談志・極め付き寄席&世相講談) (つづく) |
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