7日から学校が始まった。1月中はすべて卒業公演の稽古だ。1月24日(木)から27日(日)まで新宿のシアターミラクルで行われる。ただし、26日(土)はボーカル科のライブなので声優科の公演はない。24・25日が19時から、27日が14時からで、3回とも違うクラスの公演だ。24日が午後クラス、25日が夜間クラス、27日が土曜クラス。出し物は『夜の青空』。以前、月光舎ではなく、ARROWの公演として上演した作品『月と青空』を改題したものだ。ARROWでやったように、若者たちがたくさん出てくる、いうなれば青春群像劇だ。歌もある。ARROWの若者たちと接しているうちに、昔大好きだった東京キッドブラザースのような作品を作りたいと思って書いたものなので、私の作品の系譜(そんなようなものがあるとすれば)からすると、異質な作品かもしれない。アングラではない。いや、他の作品も別にそんな意識で書いていたわけではないが。ただ、すべて現実の舞台(喫茶店とショーパブ)を背景に、等身大の世界を描いた作品は他にあまりないので、やはり異質といえるだろう。そういえば、初演の時も再演の時も作・演出は「アンリコマツ」としていたっけ。今回は改題したので「小松杏里」にした。ま、どうでもいいことだが。ただ、「やはり小松杏里っぽい作品だ」といった人もいた。テーマが自立だからか。ま、観客は自由だから、どう感じてくれても構わない。内容は、青春群像劇だけあって、いろんなタイプの若者が出てくるし、演出的にも「巧さ」よりも「熱さ」を出演者たちに求めているので、いろんな意味でまだ拙い部分もあったりするのだが、大好きな作品のひとつだ。だからこそ、3回も上演したりするのだが。出演する学生たちの中には、すでにいろいろ仕事をしている子もいるし、多くのファンがついている子もいる。もちろん、これから活躍するであろう子もたくさんいるので、先物買いとしても楽しめると思う。お時間のある方はぜひ。前売・予約2000円。予約・問い合わせは03-5226-7222DCS[ドワンゴクリエイティブスクール]まで。
先週は、懐かしモードの日々があった。
11日に日暮里に行った。繊維問屋街に、公演で使う幕の布を買うためだ。去年の学園祭の前にも、やはり幕の布を買うために行ったが(買うのはいつも「トマト」)、その時は時間の余裕もなく、帰りも重い布を抱えて、タクシーで水道橋まで帰って来た。先週行った時には、舞台監督の清水ベンちゃんとの待ち合わせの時間よりも早く着いてしまったため、繊維問屋街とは逆の方をちょっとブラブラした。実は、私にとって日暮里といえば、そっちの、谷中銀座のある方で、今から32年前、つまり螳螂を始めた頃、御茶ノ水からの稽古の帰りに、谷中銀座の手前にあるジャズバーによく通っていたのだ。家は下北沢なのに、なぜわざわざそんな遠回りをしていたかというと、当時付き合っていた彼女を家に送るついでに寄っていたのだ。もちろん、その店の雰囲気も好きだった。その店は、今も看板はあるのだが、やっているのかどうかはわからない。いつか、夜に訪ねてみたいと思う。店の前にある石段「夕やけだんだん」(昔はそんな名前はついていなかったが)の周りの様子も随分変わった。まぁ、あれから32年も経つのだから当然だが。
日暮里には、もうひとつ深い思い出がある。前にも書いたかもしれないが、寺山(修司)さんの、『路地』という単行本の仕事ための取材で、横浜国大の女子大生と一緒に何日か日暮里に通ったのだ。それも谷中銀座の近くだった。「夕やけだんだん」坂の下の路地に住む人たちが、どこから来たのか、とか、そこからいなくなった人たちの消息を調べるルポルタージュのようなもので、寺山さんは、『舞踏会の手帖』のようにしたいといっていた。その取材を通じて、さらに日暮里に愛着を感じたのだ。
そんな思い出のある日暮里の、繊維問屋街のある方にも、その後、芝居の衣装や装置で使う布を買いに行くようになった。いつかゆっくり、また日暮里で飲みたいと思う。
もうひとつの懐かしモードは、御茶ノ水だ。いや、御茶ノ水にはたまに行くのだが、水道橋にある学校の帰り、水道橋駅前からJRの線路際の坂を上がって、御茶ノ水駅に向かったのだ。途中、アテネフランセの方に行く道があり、そこを行くと私が通っていた明大附属明治高校に下りてゆく男坂がある(明治高校は2008年4月から調布に移転するらしい。ま、校庭はコンクリートだったし、その方がいいと思うが、さらに男女共学になるというから驚きだ)。御茶ノ水駅に向かう坂の途中には東京デザイナー学院があり、当時の私の彼女はここに通っていた。そこからさらに坂を上がり、御茶ノ水駅近くの路地を右にちょっと入ったところには、昔、螳螂の稽古帰りにみんなでよく飲みに行った居酒屋「すずめのおやど」があった。さすがに周りの様子も変わっているし(いろんな店が増え、しかも明るくなっている)、もうないだろうと思っていたら、なんと、「すずめのおやど」はまだあった。30年近くやっているわけだ。なんか感動した。もちろん、駅前には、同じように螳螂の稽古帰りによく通っていた中華料理屋の「お茶の水園」や、私が大学1年の時にアルバイトをしていた喫茶店の「穂高」もまだある。なくなった店も多いが、今でも残っている店がいろいろあるのはうれしい。時間が遅かったのでそれぞれの店には入らなかったが、毎日水道橋に通っているのだから、いつか寄ろうと思う。
さて、先週の、世間でいう3連休は、例によって3連勤だった。土曜日は土曜クラスの今年最初の授業。日曜日は学校の説明会。成人の日の月曜日は公演の準備作業と夕方からDCSの会議。いずれもそれほど遅い時間までかかったわけではなく、13日の日曜日は帰宅後、その日が次男の誕生日だったので、次男の好きなおでんとチョコレートケーキで簡単な誕生日パーティをやった。いつもは、12月、1月とイベントが続くので、2月に私や義母の誕生日と一緒にやるのだが、今年は義母も入院していて、どうなるかわからないので、とりあえず簡単ではあるが、当日にやった。次男は17歳になった。セブンティーンか。私もそれぐらいに戻りたい。
14日は長男の成人式だった。私は学校に行くために早く家を出たが、長男は、先週、一緒に買いに行った初めてのスーツを着て、地元のハーモニーホール座間での式典に行った。その後、地元の中学や高校の成人した同級生たちと飲みに行き、翌朝、4時頃にベロンベロンで帰って来た。本人はその時のことは記憶にないらしいが、とてもここでは書けないぐらい、家は大変なことになり、妻が後始末をしていた。阿呆だとは思うが、そうやって酒の飲み方を覚えていくわけで、仕方がない。それよりも、親として、こんなに酒を馬鹿飲みするぐらいまで無事育ってくれたことが、うれしかった。20年間育ててきた中でのいろいろなことを思い出し、感慨深かった。あと二人、三男が成人する5年後まで、まだまだ頑張らなくては。
(2008.1.17)