11月も3分の1が過ぎた。水曜更新にも遅れた。このところいろいろあり過ぎて、ひとつひとつのことを詳しく書いている時間が取れないし、長くなるので、久しぶりに日記風に10月後半のことから11月第1週目までのことを簡単にまとめておく。
■10月24日(水)
シアタートップスで自転車キンクリートSTOREの『ツーアウト』観劇。飯島早苗の初演出だが、演出以前に脚本の世界に入れず。だって、野球の試合中に監督とスコアラーがあんなに野球と関係ない話、しているわけないもん! それを、セットにしろ、照明にしろ、変にリアルに作ろうとしているから違和感を感じて、とにかく物語に入り込めない。しばらくいらいらしていた。効果音は工夫されていて、それに合わせた役者の演技も含めておもしろかったけど。これをやるなら、セットもいらないし、照明もサスとか使って、要するに、昔のつかこうへいの芝居みたいにやればいいのにと思った。最近のは観てないからわからないけど。要するに、演劇的な工夫が足りないわけだ。メインの役者も、なんであんなに距離感を感じさせない大芝居をするのか、いや、させるのかわからない。大劇場じゃないんだから。もっと力を抜けばいいのに。中盤から瀧川英次が出て来て贔屓目じゃなくホッとした。あの力の加減がシアタートップスのこの芝居に合っている。上手くなったもんだ。全体的には、いろいろちぐはぐな、中途半端な芝居という印象だった。いい台詞はいっぱいあるし、内容的には好きな芝居なんだけど、残念。公演の後、近くの「お多幸」で英次とおでんで軽く一杯やりながら、いろいろ話す。そこでちょっとした企画案が出る。詳細は決まったら報告する。
■10月26日(金)
夜、代々木第二体育館で中学3年の三男と一緒にJBL[日本バスケットボールリーグ]観戦。オールスター戦は今年の1月に行ったが、公式戦は初めて。日立サンロッカーズ対東芝ブレイブサンダースの対戦で、この日まで日立は4連敗で、東芝は3勝1敗。日立は東京のホームゲームで、東芝は神奈川なので、本来なら神奈川の東芝を応援するところなのだが、五十嵐圭や竹内弟がいる日立に何とか初勝利を、ということで、日立側の応援に回った。公式戦はやはり緊張感や盛り上がり方が違い、応援にも熱が入る。第1ピリオドは、やはり勢いのある東芝がどんどん差を広げるが、日立も何とか4点差まで追い上げて18対14。そして、2ピリ、3ピリと一進一退が続き、3ピリ終了時点で2点差まで追い上げる。しかし、4ピリに入ると東芝がまた引き離して終了近くなり、やはり初勝利までは遠いなぁ、と思っていたら、カール・トーマスが3ポイントを決めて逆転! 日立側の客席は大いに盛り上がったが、その直後、東芝も3ポイントを決めて逆転され、2点差。さらに攻め込まれ、もうダメだ、と思っていたら、ディフェンスが頑張って、ついに五十嵐が同点ゴールを決めて終了。5分間の延長戦に入ることになった。
ここら辺からもう、私は声を張り上げ、手を叩き、興奮の渦の中に突入! さらにこの延長戦も一進一退で盛り上がった末に同点で終わり、2回目の延長戦に。いやぁ、ここまで来ると、初めてのJBL公式戦観戦なのに、こんなすごい試合を観せてくれたということに、両方のチームに感謝、感謝! と思いながらも日立の初勝利を願い、声をからし、手のひらを真っ赤にしながら応援を続けていたら、逆転また逆転の後に、ついに日立がリード! そのまま勢いがついて、最終的に7点差で初勝利! 東芝側の客席はほぼ満員で応援も圧倒的に盛り上がっていたのだが、最後は空席が多かった日立側もみんなで盛り上がり、勝った時には溜飲が下がったって感じだった。
いやぁ、竹内のディフェンスはすごいし、五十嵐も人気だけじゃなく、しっかりテクニックや根性もあるというところを見せてくれたし、他にも何人か気になった選手が出来て、ぜひまた試合を観に行きたいと思った。日立は残念ながらその後、現在までその1勝だけしかしていないので(1勝7敗)、2勝目の応援に行かないと。いや別に、企業的に日立に思い入れがあるわけじゃないけど。それにしても、東芝とか三菱とかパナソニックとか、なぜか電化製品会社が多い。アイシンやトヨタの試合も観に行きたいなぁ。そういえば、1月にNHKで『ファイブ』をドラマ化した作品が放映されるらしいので、これも楽しみだ。
試合が終わって帰る時には雨もやんでいて、三男と下北沢の古里庵に寄る。三男は記念すべき古里庵デビュー。去年の暮れ、高校バスケのウィンターカップを観に行った帰りにはa亭デビューをさせ、a亭も気に入ったようだが、古里庵もその30年間変わらないレトロな雰囲気(三男は古いタイプで70年代の歌が好きだったりする)とマスターとママの人柄に、すっかりここも気に入ってしまったようだ。もちろん、料理も。これで私の母と妻、そして3人の子供たちと、小松家三代、古里庵で“じゃじゃたま”や“納豆の天ぷら”や“豚(とん)ぷら”や“雷(ひりひり)豆腐”に舌鼓を打ったわけだ。もし、近いうちに3人の子供たちのうちの誰かに赤ん坊でも出来たら(私はおじいちゃんになってしまうわけだが)、四代お世話になることになるので、それまで下北沢の再開発なんかに負けずに在り続けてほしい。
■10月28日(日)
DCS[ドワンゴ クリエイティブ スクール]で来期の願書提出者の入学試験と面談。声優科は13時から。日曜日に水道橋に来るのは久しぶり。どうせだからと学校に行く前、昔はよく行った後楽園の場外馬券売り場に寄って、天皇賞の馬券を買う。どう考えてもメイショウサムソンとアドマイヤムーンははずせそうもないので、2頭を軸にした3連単馬券のマルチで、ローゼンクロイツ、カンパニー、アグネスアーク、ブライトトゥモロー、チョウサン、ポップロックの6頭への36点買い。学校で試験も面談も終わり、後片付けも終わった後、テレビで天皇賞観戦。結果は、1着メイショウサムソン、2着アグネスアーク、3着カンパニー、ついでに4着ポップロックで、アドマイヤムーンは6着。残念! たらればだけど、メイショウサムソン1着軸で買ってたら、3連単183.380円が取れたのにぃ! ま、いつもこんなもんなんだけどね。しかし、武豊はやっぱりすごい。メイショウサムソンもね。
■11月2日(金)イルマの女
この日は授業はなく、夜、事務局の小林君と一緒に池袋のシアターグリーン、BOX in BOX THEATERに向かい、エビビモpro.旗上げ公演『イルマの女たち』を観る。エビビモpro.は、福岡でやった韓国ドラマリーディング公演『豚とオートバイ』に出演し、その後上京して、今はDCSにいる矢ケ部哲が主宰している演劇ユニットで、今回の公演にはDCSの学生も2人出演している。この日は、やはり『豚とオートバイ』に出演した渡辺ハンキン浩二さんも福岡からやって来て、翻訳者の熊谷さんの友人たちと一緒に観劇。公演の後、観に来たDCSの同級生や出演した2人、公演は別の日に観る熊谷さんら、総勢9人で池袋の地鶏の店で飲む。ハンキンさんと飲むのは久しぶり。交通事故で長期入院していた彼は、すっきりして痩せていた。矢ケ部は別の関係者たちのところに行かねばならず(主宰だしね)、こっちの飲み会には参加出来なかった。
芝居は、一言でいえば、福岡の若手劇団のようだった(福岡出身だから当たり前だけど)。元気があって、高校演劇のよう。いや、決して悪い意味ではないのだけど、話自体は重い内容なのだから、もう少し深く作り込んでもいいのにと思った。全体的に若さとテンポだけで進んでいるという感じで、みんな同じような演技になっている。現実と精神世界とは、役者の演技も違っていいはずだ。そのテンポに合っている役者はおもしろいが、実はおもしろそうなのに一生懸命テンポについていこうとしているという部分が見えてしまう役者が多く、ちょっとつらいところもあった。みんな頑張っていたけど。演劇構造的にも、劇中劇や主人公の精神世界で話が展開するなど、なかなかおもしろいんだけど、やはり、演出面が弱いということだ。ただし! 終わって矢ケ部にもいったんだけど、音楽面は素晴らしかった! 今回の作品は劇中の歌と曲が16曲もあるミュージカル仕立てになっているのだが、彼は作・演出に加え、作曲、さらにキーボードでの生演奏もやっている。それが芝居とタイミングよく合っている上に、その場に合わせた雰囲気のある演奏になっていて盛り上がるのだ。まぁ、作家であり演出家なんだから当たり前といえば当たり前だが。そういった意味では、彼の別の才能を発見したので、とても有意義な公演だった。役者では、個人的には看護婦のマナカナ役をやった寒河江有似嬢が気に入った。次の公演は来年の2月だそうだが、彼女には出演して欲しいなぁ。
■11月3日(土)
文化の日、ということで、久しぶりに土曜日の休日。学校も休み。DCSの近くの日大でも学園祭が行われているようだが(DCSは12月9日にある)、去年勤務していた代々木アニメーション学院・横浜校の学院祭に行くことにする。といっても、校舎は今年の9月に移転し、新校舎に行くのは初めてだ。家を出るのが遅くなり、関内に着いたのは3時過ぎ。学院祭は4時までということで、学院に着いたら、サウンドドラマなどのイベント関係や食べ物の出店などはほぼ終わっていた。声優科の元同僚のY先生に案内され、新しい教室を見て回る。フロアは2階分だけなのだが、全体的に以前より広くなった感じだ。去年1年間教えた2年生や夜間コースで教えた学生たち、今年卒業したOBたちも来ていて、懐かしい再会をする。他の先生方にも挨拶をし、学院を出て伊勢佐木モールに向かう。実はこの日の夜、横浜フリンジフェスティバルの公演、横浜未来演劇人シアターの『市電うどん』を、ベイサイドのコンテナ劇場に観に行くことにしていたのだが、6時半からだったのでちょっと時間があり、久しぶりに伊勢佐木モールに寄ることにしたのだ。伊勢佐木モールはすでにクリスマスイルミネーションが施されていて、きれいだった。関内には1年しか通うことが出来なかったが、この商店街や関内近辺はどこかホッとする雰囲気があって、好きな場所だ。ブラブラしているうちに5時半を回ったので、馬車道を通り、ベイサイドに向かった。横浜ワールドポーターズの横を通ると、みなとみらいの夜景がきれいに見えた。その場所から見たのは初めてだったが、コスモクロック越しにランドマークタワーやクイーンズスクエアなどの全景を見ることが出来て、なかなかいい。夜景撮影の穴場だ。ちょっと遠いけど。やがて、横浜フリンジフェスティバルの幟[のぼり]が見えてきて、コンテナ劇場が目の前に姿を現した。
すでに客入れは始まっていて、行列が出来ている。『市電うどん』の総合演出のじっちゃん[寺十吾]やプロデューサーの大西氏や一宮さんらがいた。こういった野外の劇場の受付の雰囲気は、見世物小屋のような感じがして大好きだ。小倉で観た水族館劇場や花園神社の椿組もそう。ちょっと並んで受付を済ませ、入口の幕をくぐって中に入ると、コンテナに挟まれた客席は、すでに多くの観客で埋まっていた。私は一人だったので、前の方の空いている席に座ることが出来たが、開演時間になっても受付は長蛇の列で、結局、開演は20分ぐらい押した。
いやぁ、素敵な舞台だった! 未来演劇人シアターの役者たちと客演の役者たち総勢35名ぐらいが、踊る、歌う、芝居する! しかも野外のテントの下で! 奥の幕が開けば、横浜の街を走る市電が現れ、はるか向こうにはみなとみらいの夜景が見え、ラストは花火を持った役者たちが、まるでそこに灯りを連ねていくように並んでいる。音楽も生でチェロやアコーディオン、パーカッションが入り、文字通り火花を散らして(グラインダーを使って)演奏している。石丸だいこ嬢の独特の振り付けで、ハマのメリーさん役のだいこさんを中心に全員が踊るところは圧巻だし、芝居の部分は寺十の演出で、うどんをすする男優陣のシーンも、街娼たちの女優陣のシーンも熱い! 時代が過ぎてゆく中での音のコラージュなど、演出的にもいろいろ工夫されているし、久しぶりに演劇的な、といってもダンス公演だが、気持ちが昂ぶる公演を観ることが出来た。いや、観るというより、体験することが出来た。大西氏は「目撃して下さい」といっていたが、まさに「目劇体験」だ!
実はこのコンテナ劇場、当初は青いテントで別の場所に建てる予定だったのだが、建築基準法で許可が下りず、こういう形になったという。その後も、台風でテントが壊れたり、水浸しになったりと、いろいろ大変なことがあったのだが、こういう素晴らしい公演でフェスティバルの幕を閉めることが出来て、関係者も感慨ひとしおだろう。関係者の努力を称えたい。プロデューサーの大西氏にも、「こういう素敵な公演を横浜で観ることが出来たということが、素晴らしい!」と公演後、話をした。終演後は、コンテナ劇場の中で飲み会。観に来ていた小熊ヒデジ氏や蒲公人氏、出演していた井村昂氏らと話す。やがて、舞台が暗くなり、未来演劇人シアターのみんなによる、大西氏のためのサプライズイベントが始まり、いつも忙しく動き回っている大西氏に靴がプレゼントされた。さらに、石丸だいこ嬢のサプライズ誕生祝いも行われる。やはり、いい舞台を観せてくれる集団は、その「関係力」も強いのだ。見ていて、感動した。寒風吹きすさぶ横浜ベイサイドで、心も身体も温かくなってコンテナ劇場を後にし、関内駅まで気持ちよく歩いて帰宅した。
というわけで、今回はここまで。11月5日以降は次回! 今週はちょっとのんびり出来るかもしれない。来週の3連休は福岡行きだ!
(2007.11.11)