先週、洗濯機のことを書いたが、ウチの家電は結構、年代モノが多い(といっても、別に大昔のものというわけじゃないが)。今のマンションに引っ越して来て、5月でちょうど10年になったのだが、引っ越しの時に買い換えたわけではなく(引っ越しは金がかかるので)、それ以前から使っていたものを、そのまま持って来て使っているものが多いのだ。それで結構もっているという状態なのだが、最近、その家電たちに、いろいろガタが来始めた。まるで、私が福岡から帰って来たのを待っていたかのように、家電たちが悲鳴、というか、もうダメですぅ、と訴え始めたような感じなのだ。私が家にいなかった3年間、うまく騙し騙し使ってきてくれた妻のおかげもあると思うが、家電たちも、御主人様が帰って来るまでは頑張ろう、という気でいてくれたんじゃないかと思うのだ。いやぁ、なかなか泣かせる話だ。それが少しずつ寿命が訪れてきたようで、まず5月に、炊飯器の電源が入らなくなった。この炊飯器は8年ぐらい使っていたもので、内釜のテフロン加工も結構剥がれていた。しばらくは、私が福岡で使っていた小さなやつに取り替えて使っていたが、やはり食べ盛りの男の子ばかりいる5人家族にはそれでは足りず、ついに新しい、1升焚きの真空かまど釜とかいう圧力IH炊飯ジャーを買った。妻は古い炊飯器にいろいろ思い出があったようで、新しい炊飯器が来たのを喜びながらも、ちょっと悲しそうな顔をしていた。そして、つい先日、ガステーブルの火がなかなか点かなかったり、途中で火が消えてしまうようになった。そういったことはこれまでにも何回かあり、やはり騙し騙し使っていたそうだが、その度にイライラしていたそうだ。それがバッタリ点かなくなったのだ。点火装置のせいだけじゃないようだ。このガステーブルも結構古いものだが、妻がしっかり掃除をしながら使っていた。それがいよいよダメになったというわけで、これも新しいものに買い換えた。ちょっと大きめの、温度感知器や消火タイマー付き(お湯が沸いたら自動で火が消える)のものだ。そして、今は、洗濯機がかなりガタガタ叫び出し(脱水の時は特にうるさい)、冷蔵庫(これも10年以上使っている)もブーンとかジーという音がやたら大きくなっている。まるで泣いているかのように。さらに、テレビに時々色ムラが現れたり(これはDVDやビデオを観ている時だから、接続コードのせいかもしれないが)、完全な消耗品だが、蛍光灯や電球も消えかかったりと、ウチの家電たちがみな、何かを訴えているかのように壊れかかっているのだ。いずれすべて交換していかなくてはならないだろうが(一遍に換えると金がかかるので少しずつだが)、長年家電たちを使い込んで愛着を感じている妻は、きっと交換の度にセンチメンタルな気分に陥るに違いない。
さて、先週木曜日の学院創立記念日の休みの日は、あいにく雨模様だったため、結局どこに出掛けるということもなく、近くのレンタルビデオ屋で火曜日の割引デー(1本199円になる)に借りたDVD(韓国映画2本・香港映画2本)を家でのんびり観ていた。香港映画は、大好きな『インファナル・アフェア』(これは持ってる)の『III』とパロディー版の『インファナル・アンフェア』。
『インファナル・アフェアIII』の方は、第1作の謎が解けるというキャッチフレーズで、それなりに「あ、そうだったのか」「ほうほう」「なるほど」という感じではあったけど、よく考えたら、別に知らなくてもいいことなんじゃないかなとも思ったんだけど……どうなんでしょ? トニー・レオンは第1作では暗い表情ばかりでかわいそうだったけど(ま、それもいいんだけど)、この作品ではいろんな表情を見ることが出来て、さすがトニー、カンヌ映画祭主演男優賞役者という感じだし、トニーのファンにはお薦めだけど(あと、レオン・ライのファンにも)、作品的には第1作が素晴らし過ぎたというのもあって、私的にはいまいちな感じだった。なんか、作りというか物語の構成もわかりにくかったし。“絶え間なく責め苦にあう”無間地獄=無間道=インファナル・アフェアというタイトルの意味、というか、最後にそこに至るのがわかったのはよかったけど。そうそう、意外によかったのが第2作の『インファナル・アフェアII』。アンディ・ラウとトニー・レオン演じるラウとヤンの若い頃(エディソン・チャンとショーン・ユーが演じている)の青春物語としても独立して観ることが出来るし、こっちの方がお薦めかな。
『インファナル・アンフェア』の方は、もうまったくアンフェアな映画で(笑)、久しぶりに香港のおバカ映画を大笑いしながら観たって感じだった。なんたって監督はバリー・ウォン[王晶]だし! 何しろ本家本元に出ている役者たちが自分自身をパロディにしちゃったりして出てるんだから、スゴイ! 『インファナル・アフェア』だけじゃなく、いろんな映画のパロディシーンが出てくるし(ショッカーや貞子までも)、香港の俳優たちのスキャンダル的な話題が実名で出てくるし、日本じゃ絶対出来ないだろうね、こんな映画。テレビのバラエティ番組とか(あ、スマスマも)ではよくパロディとかやってるけど、本格的なパロディ映画とか出来たら楽しいんだけどなぁ。韓国にも『おもしろい映画』という大パロディ映画があったし。
韓国映画の方は……というわけで、2005年のベスト10と個人賞は、ようやくまとめられたので、来週辺りには乾坤プラスの方で発表する。何しろ公開本数が多く、観逃していた作品を観るのに時間がかかってしまったが、何とか9割近い作品を観ることが出来た。昨年は、『四月の雪』や『私の頭の中の消しゴム』のように話題になった作品もあったが、それほど評判にならなくても実はいい作品、というのが結構多いので、ぜひDVDやビデオで観てほしい。
ところで、世間は今、サッカーのワールドカップで盛り上がっているが、サッカーというスポーツのおもしろさを、昔からいまいち理解出来ずに、のめり込むことの出来ない私であっても(どんなヘタなチームだろうと、高校野球や少年野球だろうと、やっぱり野球の方がおもしろいと思ってしまう……ま、好みだけど)、当然、日本人だから日本チームは応援している。4年前の日韓共同開催のワールドカップの時(月光舎の韓国公演から帰って来た翌月だった)にもちょっと書いたが(試合そのものについては、やはり書いていないようだが)、小学校の頃からサッカー好きの長男の解説付きで開会式や他の国の試合も観たりしている。しかし、観れば観るほど、冷静に考えると、今の日本チームってみんながそんなに騒ぐほど強いの? と思ってしまうのだ。サッカーファンには悪いけど、他の国々から感じるようなパワーやスピード感も全体から感じられないし、敵のゴール前とか、なんでそこに走って行かないの? なんでシュートしないの? と思うような展開が多過ぎるように思うのだ。長男にいわせると、そういうところじゃないところに日本のサッカーの良さがある、らしいのだが、それが出ていないのであれば、やっぱり勝てないのではなかろうか。ワールド・ベースボール・クラシックで日本が優勝したのは、日本が“ベースボール”ではなく、日本の“野球”を忠実にやったからだと思う。やはり、日本人には日本人に合ったやり方があると思うし、サッカーというスポーツが日本人に向いているのかどうかわからないけど(あれは農耕民族じゃなく狩猟民族のスポーツだと思うんだけどねぇ)、体力的に全然違う外国のやり方や真似を取り入れたりするのではなく、日本独自のサッカーのやり方というものを作っていくしかないんじゃないかと思うのだ。監督だって、なんで日本人がやらないの? と思う。いや、別にジーコはジーコで頑張ってると思うし、だからどうのこうのというんじゃなくてね。あ、今の選手たちも、もちろんそう。頑張ってはいると思うんだけど、なんか違うような気がねぇ……するわけだ。それは選手たちが悪いんじゃなくて、なんかもっと大きな何かが間違ってる、というか、ボタンを掛け間違えているような気がする、ということなのだけど。要するに、『少林サッカー』的な発想ね。
ちょっと飛躍しすぎだけど、決してギャグじゃなく。
ま、サッカー素人の私が何をいったところで、今の日本のサッカーにはJリーグがあるわけだし、外国で活躍している選手もいっぱいいるわけだから、いずれ何とかしてくれるだろう。しかし、あの渋谷でバカ騒ぎを起こすようなサポーター(いや、ホントのサポーターは、あんなのサポーターじゃない! というだろうが)だけは何とかしてもらいたいもんだ! 自分さえ楽しめれば周りはどうなろうと関係ない、というジコチューなバカ者たち。あんな連中がいるから日本は勝てないんだ! と思った人も多いことだろう。いや、ホント。
う〜ん、なんか珍しくサッカーで熱くなってしまったが、実は、好きじゃないとはいいながら、小さい頃、釜本邦茂が活躍していた頃からサッカーは観ていて、今回の開会式でも、ベッケンバウアーやペレを懐かしい思いで見ていたのだ。何しろ、『キャプテン翼』ではなく、『赤き血のイレブン』から見ていた世代なんでね!
【今週は写真はありません】
(2006.6.20)