2004年1月第3週

 さて、新年も半月が過ぎ、普通モードに入って授業をこなしてますが、2年生はまもなく卒業ということで、いろいろなプロダクションや事務所や劇団などの説明会があり、オーディションもそろそろ始まります。

 考えてみたら、去年までは説明会やオーディションをする側だったわけで、そっち側の話をしてあげたりもしてるんですが、どこまで話していいのかなぁということもあって、ちょっと悩んだりしています。入ってもらいたい方は、当然、おいしいことをいうわけで、福岡の純真な若者たちはその話を素直に受け入れて、夢や希望を胸に東京に出て行くわけですが、果たしてその中で何人がモノになるのか……いや、すぐということじゃなくて、長い目で見れば、可能性のある子はたくさんいると思うんですが、過信というか誤解というか、変に自信ありげの子が多いような気がするんですよ(不安感を振り払うための強がりの子もいるかとは思いますが)。しかも、東京は初めてという子がほとんどだし。修学旅行で行ったことがある、とかね。だから、最初から強い思い入れを持って東京に出て行くんじゃなくて、自分の見聞を広める意味で東京に行き、いろいろなものを自分自身の目で見たり、経験して、それから自分に合っているなと思うところを見つければいい、といってるんです。まぁ、お金はかかるかもしれませんが、自分の将来に投資出来るぐらいの気持ちを持っていないとだめだと思いますしね。地方から声優や俳優を目指して東京に出て来る子で、何より怖いのは、東京は物価が高いため、お金を稼ぐのでアルバイトに精を出し過ぎて、稽古や演劇の勉強が疎かになるという本末転倒の子が多いことなんです。何しに東京に出て来たの? ってことですね。

 それにしても、いったいどれだけの子が、夢破れて故郷に帰って行ったことか。東京に残って、なぜかアルバイトだけしてる子も多いですし。いや、それはそれで本人が選んだ道だからいいんですけど、才能あるのになぁと思ってた子がそうなってしまうのは、とても残念ですね。逆に、誰が見ても才能ないのに変に頑張ってる子は、早く故郷に帰って就職とか結婚とかすればいいのになぁ、とも思いますけど。いえ、もちろん、応援してあげたい気持ちもあるんですよ。そこが難しいところなんです。まぁ、まだまだみんな若いんで、東京でいろいろな厳しさを経験して、人間的に成長してもらいたいということですね。それからでも、いや、それからこそ、本当の人間味のある表現が出来ると思いますよ。かわいい子には旅をさせろ、ですね。

 そういえば、先週、ギンギラのことを書いたら、さっそく福岡の演劇関係者から連絡をもらいました。主宰の大塚ムネト氏にも乾坤のことを知らせてくれるとのことで、喜んでもらえたようでうれしいです。ただ、福岡の演劇事情に関しては同意見で、それが福岡の演劇界の悩みだというような話も伺ったので、私も微力ながら福岡の演劇界を盛り上げていくお手伝いが出来ればと考えています。どんどん福岡の演劇関係者との出会いの場を広げて行きますよ! う〜ん、やっぱり演劇人なんですね、私。いや、当然でした。月光舎は休止していても、去年も何本も(考えたら、月光舎でやっている時以上に)演劇に関わりましたもんね。

 どうやら今年も、というか4月からの来年度も、福岡滞在は決まりそうなので(さらにクラスが増えそうだという話ですし)、乾坤一滴のサブタイトルもそろそろ「右往左往編」ではなく、何か福岡にちなんだものに変えてもらわないといけないですかね。写真も変えたいんですけど、3月末に韓国に行って、その時にまたスター写真を撮ってくる予定なので、それまでお待ちあれ!

※今週は写真はありません

(2004.1.19)
(つづく)


前週
週刊FSTAGE掲示板