Q'uller's Room! ライブレポート #5
Dance!Dance!!Vocaloid「まぁむBDスペシャル」

2015年12月13日(日)
 一部:13時〜14時半
 二部:17時〜18時半
カラオケラウンジKahoo(東京・目黒)
出演:いとくとら、ゆずき、まぁむ、まなこ、やっこ(Q'ulle5人)
全自由席 2500円+1D(500円〜)
制作:ダンボカ!実行委員会

この踊ってみた系イベント「ダンスダンスボーカロイド(略してダンボカ)BDスペシャル」は毎回誕生日を迎えた人が主役になり、その人のやりたいことを自由にやる放し飼いにする、というコンセプトだ。だから今回はまぁむ氏が担当したわけだが・・・ユルユルでグダグダの安定のまぁむクオリティでした。何が凄いって・・・後述。

なんせ会場が「カラオケラウンジ」です!知ってますか? 「カラオケボックス」でも「カラオケルーム」でもない。店内のステージで順番に赤の他人が歌うのを見守る酒場。「カラオケラウンジ」がまだあるんですねえ。

普段の店内(KahooFacebookから)

そのカラオケラウンジを貸し切り、50席限定で昼夜二回公演。フロアにイスを並べた。合計100席は前売り開始1分でソールドアウトになった!


踊ってみたのイベントで全椅子席ってのは初めての経験。ちゃんと踊りが見えるので、凄く良かった。オールスタンディングだと背の小さい女子や後ろの方だと頭しか見えない。「踊ってみた」がオールスタンディングってのは誰が始めたのか知らんが、完全に間違ってるよな。

17時開演の第二部を見てきた。目黒駅から商店街を抜け、会場に到着。言わば、でかいカラオケスナックだ。
 

入口に有志からの花輪?
 

客入れ中、舞台奥のモニターにDAMチャンネルが映ってた!やっと見れたよQ'ulleゲスト回。タレントのマギー相手に「特技」を披露するいくらさんとやっこ。あれ特技なのか?
 

ほどなくして開演。ユルユルでグダグダの「まぁむ氏の世界」が始まった。Q'ulleにおける「一服の清涼剤」ならぬ「一服の筋肉弛緩剤」がまぁむ氏だ。改めてそう思ったよ。このまぁむクオリティを楽しめるのは、並みのQ'ulleファンでは不可能だ。今日の客はあったかいよ。グダグダはスルーだし、ちゃんとつっこむし、「お客様の中から選んで似顔絵描く」と言われてみんな断らないもんなあ。(まぁむ氏のイラストのクオリティは高い!)

まぁむツイッターから

オープニングはまぁむ氏ソロで「Gravity=Reality」。既にゆるいっす。まさに「プロ根性のかけらもない」。いい意味で。

続いて似顔絵コーナー。ジャンケンで三人選び、まぁむ氏が似顔絵を描く。描いてる間、まなこといくらさんがQ'ulleの曲を使ってノリ方や掛け声のレクチャー。「REASON」「P」「HEARTBEAT」の3曲を、まなこが歌ったり歌わなかったりしながら。(ちなみに昼の部ではカラオケを歌ったらしい)

この日の衣装は全員ドレス!(まぁむツイッターから

似顔絵コーナーの後は、ジャンケンで一人選んでツーショットチェキ撮って、それに直筆でイラストを描くと。描いてる間に踊ってみたコーナー。まぁむ氏がみんなの曲を指定したとか。
(一部セトリ)
・やっこ「Marine Dreamin'」
・いくら「ストロボナイツ」
・ゆずき「未来景イノセンス」
・まなこ「刹那プラス」

(二部セトリ)
・やっこ「恋の2-4-11」
・ゆずき「檄!帝国華撃団」
・まなこ「CLAP HIP CHERRY」
・いくら「夜もすがら君想ふ(めろちん振付ver.)」
なかなかの選曲だよな。懐かしいのから最新まで。まなこの「CLAP HIP CHERRY」は初期の傑作だ(2013年1月ニコ動投稿)。

踊るやっこ(やっこブログから)

と言うことで、グダグダの中、4人のダンスでイベントが引き締まった次の瞬間、会場は迷宮に入る。迷宮?いや、そんな生易しいものではない。恐怖さえ覚えた。何が起きているんだ!と。

全体で一時間半を予定したイベント。踊ってみたが終わり、チェキを渡した時点でまだ一時間経ってない。そこからまぁむ氏の独自幻惑戦慄迷宮。ダンボカBDスペシャルでまぁむ氏が用意したのは「ピアノソロを披露する」だった!

4曲やる、20分ぐらい、まだ時間あるならもう一曲、譜面がなくなったよ、じゃあこの曲もやる、じゃあってなんだよ、時間が余った、絶対失敗するけどやっていいかな、って・・・。 とにかく、この日のために練習しました練習不足ですでも弾きたかったんです、というクオリティ。それを50人が固唾を飲んで見守る。なにこの状態? 何が起きてるの? 麻薬なの? 筋肉弛緩剤打たれたの? 宗教? もしかしてテロ? ピアノテロ?

まぁむブログから

普通なら暴動が起きかねないものだが、ピアノに向かうまぁむ氏の背中を50人が静かに見守っている。ミスタッチのたび「頑張れ」と念じて。てか、ミスタッチってレベル超えてたし。なんの曲だかわからなくなってたし。たぶん、ショパンとか、乙女の祈りとか、ノクターンとか、あとなんかやってたと思う。酔った。

そして長い長い悟りの儀式は終了した。終わらないんじゃないかと不安になったよ。 最後にまぁむソロで「ハロ/ハワユ」を踊り(安定のまぁむクオリティ)、四人からケーキとメッセージをもらって終了。

ゆずきブログから

四人の個性が出たメッセージを聞いてて、一つの結論に達したよ。

思うに、Q'ulle五人の中で恋人にするなら、まぁむ氏しかない。後の四人は大変だよ。いや、そういうチャレンジも否定しないけど、やっぱ普通に付き合うならまぁむ氏しかない。絶対楽しい。飽きない。驚きの連続。ときどき大騒ぎ。ま、違う意味で大変かもしれないが(^^;)

「いい意味でプロ意識に欠ける」というのは「まぁむクオリティ」の代名詞だが(私が個人的に言ってるだけです)、実はQ'ulle全体に共通するものだ。「全体」というのは「メンバー」だけでなく「スタッフ」と「ファン」を含む概念だ。Q'ulleはタレント事務所が用意したものでも、タレントスクール出身でも、名プロデューサーが手塩にかけて育て上げたものでもない。「踊ってみた」という勝手に投稿できる動画サイトから生まれたグループだ。アマチュアとして活動する「踊ってみた」のイベントと並行してQ'ulleがある。「踊ってみた」でも物販があるし、他にも「タレント化」している子が大勢いる。ファンとのコミュニケーションも濃密だ。「踊ってみた」そのものがコミュニケーションの道具となっている。だから20世紀のギョーカイで言う「プロ意識」はそぐわない。新しい関係性で成り立っている。これが全てのパフォーミングアーツの未来形だろうね。面白いなあ。

とはいえ、まぁむ氏はもうちょっと稽古しろよな。(と、カレシなら言うよね)

〜2015.12.16 Q'uller's Room!編集部 文責:小丸〜

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Q'ulle First Story 〜以心伝心〜

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