「踊ってみた」ってどんなの?


2016年5月時点でニコニコ動画には「踊ってみた動画」が128,000本もアップされています。毎年2万本も増加。一週間に400〜500本。2007年にスタートした「踊ってみたカテゴリ」はその増加の速度を速めています。ここでは、「踊ってみたって何?」と疑問に思う方に対し、「とりあえずコレ見とけ」を選んでみました。人によって選ぶ動画は違うと思いますが。「2016年〜」と「2015年まで」に分けて紹介します。 (編集部選)
  • 「踊ってみた」は「ダンスがうまい」とは違う基準(プロのダンサーではない)
  • ダンサー自身によるオリジナル振付も多い
  • 衣装、ロケ地、照明、映像編集、なども自身で考えている
  • プロにはできない表現こそが楽しい>みんなが自分も踊りたいと思う
  • 他者の振付を独自に解釈して表現するものも
  • 「踊っている人が楽しそう」は重要なポイント
その他、コスプレ系や高度なダンス技術系、アニメソング系、ハロプロ系なども人気。踊り手は、アルスマグナ、RAB、りりり(小5)、みうめ、めろちんなどなどが元気。振付師として活躍する人や、グループでメジャーデビューする人も多数います。ライブハウスで「踊ってみた系イベント」が毎週のようにあちこちで開催されています。(下記ニコ動再生回数は2016年5月時点。動画リンクはすべてYouTube。)
すべて再生(YouTube20曲)
2016年〜 (とりあえず8本)
やこまなぺんた「恋愛裁判」
発表:2016.2.6
曲名:恋愛裁判(2014年)
作詞:40mP
作曲:40mP
歌:初音ミク
踊り手:やっこ/まなこ/足太ぺんた
振付:まなこ・ぺんた
衣装:(オリジナルMVのキャラ衣装)
撮影・編集:
ロケ地:
ニコ動再生回数:164,059
カテラン最高順位:1位
数多くのクオリティの高い動画を投稿してきた「やこまなぺんた」の3人による初のオリジナル振付動画。この3人に七河みこを加えた「やこまなみこぺん(YMMP)」は同世代(現在20歳)。今の踊ってみたをリードしていると言っても過言ではない。2016年のベストが誕生か?
やこまな「イドラのサーカス」
発表:2016.2.2
曲名:イドラのサーカス(2013年)
作詞:Neru
作曲:Neru
歌:ひめりんご
踊り手:やっこ/まなこ
振付:まなこ
衣装:
撮影・編集:ぶんけい
ロケ地:
ニコ動再生回数:85,241
カテラン最高順位:1位
やこまな3周年動画。最初のやこまなは2013年2月2日の「ロマンちっくブレイカー」。基本的にやこまなはまなこのオリジナル振付によるものが多い。この曲はこれまでのやこまなの「可愛らしい」テイストと違う。さすが20歳です。セーラー服ですが。
やこわた「ニナ」

発表:2016.2.24
曲名:ニナ(2013年)
作詞:ピノキオピー(ピノキオP)
作曲:ピノキオピー(ピノキオP)
歌:初音ミク
踊り手:やっこ/わた
振付:(ぐぅとがぁの)おとーちゃん
衣装:
撮影・編集:
ロケ地:
ニコ動再生回数:33,180
カテラン最高順位:3位
やこわた第4弾。「静電気。」「初音ミクの暴走」「ドレミファミックス」は「ひたすら元気!」だったが、今回の衣装で新境地。ロケ場所はオリジナル振付の「ぐぅとがぁ」が使ったスタジオ。第5弾もピノキオP、ぐぅとがぁ、同じスタジオ、同じ衣装で5月に「たりないかぼちゃ」を発表。
しゃばだばSTEP「スキスキ絶頂症」

発表:2016.3.10
曲名:スキスキ絶頂症(2014年)
作詞:電ポルP
作曲:電ポルP
歌:GUMI
踊り手:しゃばだばSTEP(さくらこ/なつめ/ふうか)
振付:さくらこ
衣装:
撮影・編集:じぶんたち
ロケ地:
ニコ動再生回数:59,903
カテラン最高順位:1位
超会議2016の超振付選手権出場作品。しゃばステは前身の4人組時代から振付がエンタメ志向だったが、当時の衣装はメイド服固定が多かった。しゃばステになり(2015年3月)、衣装も凝りまくり。小芝居も含め、エンタテインメントを意識した作り。きっちり作り込み過ぎる嫌いがある。(「アンハッピーリフレイン」でやこまなと初コラボ。「きっちり」だけじゃない要素が加わって、良作に。)
みこ「Hand in Hand」
発表:2016.2.22
曲名:Hand in Hand(2015年)
作詞:Kz(live tune)
作曲:Kz(live tune)
歌:初音ミク
踊り手:七河みこ
振付:足太ぺんた
衣装:
撮影・編集:
ロケ地:南米ボリビア/ウユニ塩湖
ニコ動再生回数:371,812
カテラン最高順位:1位
フジテレビ「とくダネ!」でもその美しさが紹介された衝撃動画。これを撮るためだけで南米まで旅行した。命の危険があった様子はブログに詳しい。誰に頼まれたわけでもない。自分がそこで踊りたいって思ったから頑張る。バイトしてお金貯めた。みこさんは動画の撮影・編集も行い、写真も凝る人。映像にこだわってきた人ならではの「作品」。
光速姉妹「ヒビカセ」
発表:2016.1.5
曲名:ヒビカセ(2014年)
作詞:れをる
作曲:ギガ
歌:れをる
踊り手:光速姉妹(さっちゃそ/ゆきぽよ)
振付:さっちゃそ
衣装:
撮影・編集:撮影/ちゃくて、編集/ゆーちゃそ
ロケ地:
ニコ動再生回数:32,282
カテラン最高順位:5位
実の姉妹。さっちゃそはヒット曲「スイートマジック」(2011年)の振付が有名。女性9人組の「牛泥棒」でも活躍。コラボも多い。ゆきぽよもソロの振付をする。2016年4月にさっちゃそが初主催するライブイベント「ピャオスナイト」を開催し、大盛況となった。映像編集はゆーちゃそ。ここの5つ下にある「幸福な死を」も凝った編集だったが、この「ヒビカセ」ではCGを作っている。「踊ってみた」はワンカメ固定が多く、編集には懐疑的な意見も多いが、ここまで質が高いと別のジャンルとして受け入れられた。凝った映像が一般化するキッカケとなりそう。
いくらまぁむ「しゃばでぃーば」
発表:2016.5.3
曲名:しゃばでぃーば(2013年)
作詞:ふわりP
作曲:ふわりP
歌:GUMI・IA・MAYU
踊り手:いとくとら/まぁむ
振付:まなこ(2014年)
衣装:
撮影・編集:Saku。
ロケ地:
ニコ動再生回数:26,974
カテラン最高順位:3位
2014年の超会議3振付選手権のためにまなこが振り付けたやこまなの作品を同じQ'ulleのいくまあがコピー。テイストは完全にまぁむ風でゆるい。いくらさんの踊ってみたでは表情が硬いものが多いが、ここまで本気で笑っているいくらさんは珍しい。これもまたまぁむパワーか?見てると笑うしかなくなる。これこそが踊ってみたの王道だ。
カラ松さん。「はなまるぴっぴはよいこだけ」
発表:2016.2.6
曲名:はなまるぴっぴはよいこだけ(2015年)
作詞:あさき
作曲:96
歌:A応P
踊り手:カラ松さん。(ろろたす/れいりな/カッパ/なみぺー/A猫(あねこ)/エミリー)
振付:Kasumi(本家)
衣装:(コスプレ)
撮影・編集:
ロケ地:
ニコ動再生回数:45,280
カテラン最高順位:9位
ハロヲタが集まった13人組「カラフル娘。」はハロプロ系グループの楽曲をコピーして踊るユニットだが、その中から「おそ松さん」好き6人が集まって「カラ松さん。」を結成。あえてA応Pの本家振付を踊った。着ているのは「コスプレではない」とし、推し松のパーカーで。ハロヲタだけにダンスのクオリティは高く、大好評。カラフル娘。の動画の10倍の再生数を達成。踊ってみたにはコスプレ系も多く、おそ松さん、ラブライブ、刀剣乱舞が現在の人気。
〜2015年 (必死で選んだ12本。無理。)
いくまあゆずやこまな「Little Scarlet Bad Girl」
発表:2015.8.22
曲名:Little Scarlet Bad Girl(2015年)
作詞:q*Left
作曲:八王子P
歌:初音ミク
踊り手:いくまあゆずやこまな(いとくとら/まぁむ/ゆずき/やっこ/まなこ)
振付:めろちん
衣装:
撮影・編集:Saku。
ロケ地:
ニコ動再生回数:303,520
カテラン最高順位:1位
ガールズダンスロックグループQ'ulleの5人による踊ってみた活動名義が「いくまあゆずやこまな」だ。2015年9月2日にTOY'sFACTORYから発売された八王子Pのアルバム「デスクトップ・シンデレラ」の販促として位置づけられ、発売直前にこの動画が投稿された。5人名義の場合、まなこが振り付けることが多いが、この作品ではめろちんさんが担当している。TOY'sFACTORYの全面支援があったと考えられ、非常にクオリティが高い作品。八王子P、めろちん、いくまあゆずやこまなが揃うのは2作目で、前作「Carry Me Off」も評判となった。特に、5人のMMDデータが配布されてからは、多くの人によってMMD作品(200作以上)が投稿されている。
くずもち「drop pop candy」
発表:2014
曲名:drop pop candy(2014年)
作詞:れをる
作曲:ギガ
歌:鏡音リン・巡音ルカ
踊り手:あAき/もる
振付:あきゃり
衣装:
撮影・編集:
ロケ地:
ニコ動再生回数:
カテラン最高順位:
「drop pop candy」は人気のボカロ曲であり、振付も複数あるが、この「あきゃり版」は二人組版として好評。多くのユニットによって踊られているが、その中でもこの動画は映像としてのクオリティが高い。欧米の方が踊ってるバージョンも多い。英語版で「歌ってみた」をこの動画で投稿しているものも。現在、ニコ動ではこの動画は非公開となっている。
モビリスモビリ「幸福な死を」
発表:2015.4.21
曲名:幸福な死を(2012年)
作詞:きくお
作曲:きくお
歌:初音ミク
踊り手:加藤/マッシュルーム
振付:モビリスモビリ
衣装:
撮影・編集:撮影/つばさ、編集/ゆーちゃそ
ロケ地:
ニコ動再生回数:63,240
カテラン最高順位:1位
マッシュルーム(男)はFULLHALF、オマージュなどでも活動。加藤(女)は牛泥棒、東と加藤でも活動。それぞれコラボも多い。二人の手だれが集まって、凝りに凝った作品を毎回発表する。特にこの作品は、映像編集にゆーちゃそさんを迎え、アート性の高い作品となった。他のユニットではやらないドラマ性のある振付となっている。他の作品では照明にも凝っていた。ここまで映像に凝るユニットは、なんでもありの踊ってみたでもさすがに珍しい。
芝健らいき「おおかみは赤ずきんに恋をした」
発表:2014.10.31
曲名:おおかみは赤ずきんに恋をした(2012年)
作詞:ひとしずく×やま△
作曲:ひとしずく×やま△
歌:ぽこた/花たん
踊り手:芝健/らいき
振付:芝健
衣装:
撮影・編集:パンチベアー
ロケ地:
ニコ動再生回数:197,730
カテラン最高順位:4位
仙台の勇・芝健さんは楽曲ごとに相方を変え、ストーリー性のある振付を踊ってきた。決して思い入れに溺れず、エンタメを意識した作りで。ブレイクダンスの人だが、テクを見せたい気持ちを抑え、曲に合わせたドラマを作る。これは珍しいしオリジナリティだ。最近、新しい男性ユニット「アナタシア」を結成。(アナタシア作品はYouTubeに上がってない)
さつき「愛の詩」
発表:2014.5.1
曲名:愛の詩(2013年)
作詞:ラマーズP
作曲:ラマーズP
歌:初音ミク
踊り手:さつき
振付:さもい
衣装:
撮影・編集:
ロケ地:
ニコ動再生回数:69,267
カテラン最高順位:3位
そりゃ確かに個人の趣味によるのでしょうが、多くの可愛い女子が踊るこの「うーぱぱ」の中で、ダントツなのはコレでしょう。最初に見たときビックリしました。シロートとは思えん、と。実際、この2014年時点では「踊ってみた女子選抜」とも言うべきグループ「DANCEROID」が健在で、さつきさんはその一員でした。セミプロですね。現役大学生でもありますが。衣装とか映像とか、ほぼ完璧じゃないでしょうか?
やこまなさつき「アンデッドエネミー」
発表:2014.8.21
曲名:アンデッドエネミー(2014年)
作詞:スズム
作曲:ギガ
歌:いかさん
踊り手:やっこ/まなこ/さつき
振付:まなこ
衣装:
撮影・編集:
ロケ地:
ニコ動再生回数:294,977
カテラン最高順位:2位
2014年7月にやっこ・まなこ・さつきが所属していたDANCEROIDが解散してしまい、ユニットはどうなるのか不安だったところにコレが来た。かっこいい系も踊る。三人のうち、一人の衣装の色が違うのは店に同じ色のが二着しかなかったからだとか。楽曲のオリジナルボカロは鏡音リンで、この版を歌っているのは「いかさん」。女性です。一人で三色(男女子ども)の声出してます。
やこまな「キュウビ御霊会ミステリヰ 〜起承〜」
発表:2014.12.20
曲名:キュウビ御霊会ミステリヰ 〜起承〜(2014年)
作詞:てにをは
作曲:てにをは
歌:初音ミク/妖怪少年探偵團
踊り手:やっこ/まなこ
振付:まなこ
衣装:
撮影・編集:
ロケ地:
ニコ動再生回数:102,707
カテラン最高順位:1位
「踊ってみた」は、楽曲を選び、ボーカルのバージョンを選び、振付を考え、練習し、衣装、撮影場所を選び、照明を考えながら撮影し、編集し、投稿する。楽曲が個性的だとメイクもヘアも足元も考えないと。場合によってはインナーまでも。それらの苦労が楽しいだろうな、と思わせる作品がコレだ。しかし、この二人の表情!誰かに教わったものではないはずなのに・・・なぜコレができるのか?
やこまな「ダンスダンスデカダンス」
発表:2013.12.11
曲名:ダンスダンスデカダンス(2013年)
作詞:カラスヤサボウ
作曲:カラスヤサボウ
歌:鏡音リン
踊り手:やっこ/まなこ
振付:まなこ
衣装:
撮影・編集:
ロケ地:
ニコ動再生回数:217,544
カテラン最高順位:1位
踊ってみたデビューは、やっこは2011年9月に二人版を出した後、11月に「スイートマジック」で初ソロ。まなこは2012年10月の「サディスティック・ラブ」でデビュー。翌11月に二人はDANCEROIDの3期合格。2013年2月に初やこまなで「ロマンちっくブレイカー」。その後の「ハートビートミュージック」「Twinkle Days」「ビバハピ」を経てこの曲が第5弾。「ビバハピ」はめろちん振付だが、他はまなこが振付担当。当時はゆるゆるの振付が多かったが(オリジナル振付を始めて1年経ってない)、中でもこの曲の踊ってるときのゆるさは感動的。ずっと笑いっぱなし。プロにはできない表現がここにはある!(大げさです)
やこまなさつき「ハロー、ミスターチョコレート」
発表:2014.2.14
曲名:ハロー、ミスターチョコレート(2011年)
作詞:たーP
作曲:たーP
歌:初音ミク
踊り手:やっこ/まなこ/さつき
振付:さつき・まなこ・やっこ
衣装:
撮影・編集:
ロケ地:
ニコ動再生回数:129,279
カテラン最高順位:2位
毎年バレンタインデーには多くの人がこの曲をこの振付で踊ります。みんな可愛い衣装を着て。「バレンタインデーのイベント」として、行き場のないチョコレートを抱えていた人に新たな目標ができました。いいことです。手作りチョコよりは建設的でしょう。男子の出る幕がない・・・。いや、この際、男子もこれで踊るでしょうね。それでいいのだ!
まなこ「金曜日のおはよう」
発表:2014.7.16
曲名:金曜日のおはよう(2014年)
作詞:shito、Gom(HoneyWorks)
作曲:shito(HoneyWorks)
歌:柊優花
踊り手:まなこ
振付:めろちん
衣装:
撮影・編集:
ロケ地:
ニコ動再生回数:1,347,545
カテラン最高順位:1位
これと同時に、同じ場所・同じ衣装でささっと練習して軽い気持ちで撮影した「ようかい体操第一」が1000万再生を超える大ヒットとなった。「金おは」もYouTubeで300万再生近く、コピー転載されたものの再生数(500万+α)と合わせると1000万に。衣装のセーラー服は量販店で売ってる2000円弱のもの。撮影時はまだ18歳だが、高校は卒業している。最近のまなこはソロとコラボを月に二本以上投稿している。その多くがオリジナル振付だ。
やこまな「Twinkle Days」
発表:2013.6.3
曲名:Twinkle Days(2013年)
作詞:19-iku-
作曲:19-iku-
歌:初音ミク
踊り手:やっこ/まなこ
振付:まなこ(時々やっこ)
衣装:
撮影・編集:XF団4号
ロケ地:
ニコ動再生回数:79,451
カテラン最高順位:8位
やこまなは、振付が楽しい作品が多いが、映像が凝っているものも、「キュウビ〜」や「スイートデコラ〜」がある。その中でもこの「Twinkle Days」は秀逸だろう。夜景と照明と衣装と振付と楽曲が見事に融合している感動的な作品だ。たぶん曲がいいんだろうけど、それをきちんとダンスで表現している。油断すると、泣くよ。
光速猫仮面「脳内革命ガール」
発表:2014.9.13
曲名:脳内革命ガール(2013年)
作詞:MARETU
作曲:MARETU
歌:初音ミク
踊り手:光速猫仮面(のら/仮面ライアー217/さっちゃそ)
振付:
衣装:
撮影・編集:文七サバイバル
ロケ地:
ニコ動再生回数:58,563
カテラン最高順位:5位
ダンスの完成度の高い作品も踊ってみたには多いが、そこはやはりプロにはかなわない。それでも、ダンスの好きな人はきちんと振り付けてきっちり踊るものを出してくる。ショーダンスやシアターダンス、あるいはコンテンポラリーダンスの優れたものにはかなわないとしても、個々のダンサーの魅力に溢れた作品は少なくない。仮面ライアー217はただのキモヲタではない。さっちゃそはぴゃーぴゃー言ってるだけではない。と思うがどうだろう?