極私REVIEW

(2002.10.15 19時)
■劇団「乱発タックル」旗揚げ公演

作・演出:清水宏「俺は言い訳が聞きたかったんじゃい!」
出演:清水宏、春風亭昇太、山崎竜介、泉陽二、栗田かおり、和泉みか
@中野・スタジオあくとれ 2000円 1時間50分 100人(超満員)
10/14〜16(4ステ)

元山の手事情社で、ワンマンライブ「サタデーナイトライブ」や、ラサール石井・小宮孝泰・昇太らとの4人ユニット「パンタロン同盟」で活躍する清水宏が、自ら役者を集めて旗揚げした劇団の第一回公演。

ほんと、やな感じ120%の感動巨編でした。劇団バックステージもので、主宰と役者たちとのリアルな「てんぱり」具合を無残に再現。目がイってるし。

●公演を間近に控えた某劇団。定番通り、一人の役者が来なくなった。作家はホンが書けず、セリフの断片しかない。けど、役者に対しては言いたい放題のダメ出し。役者はそれぞれ自分のことしか考えてない。「一人抜けちゃってどうするんですか?」「まあ、臨機応変にアレしておいて」と言って、演出家は、どろん。
●初日がどんどん近づいてくる。稽古場は修羅場。気が狂った演出家は臨機応変という名の「山の手メソッド」芝居を作る(芝居の中では「山の手メソッド」とは言ってない)。すなわち、キチガイ芝居だ。でたらめな構成を施して、演出家はどろん。
●いよいよ初日へ。役者同士、私情のエロ模様をはらみながらも、切り張りで芝居を作る。まさにそれは山の手的な「普通の芝居」と「キチガイ芝居」とのコラージュ。演出家は帰ってこない。

という物語。あの山の手的なキチガイ芝居には名前をつけてもいいと思うんだが。「ハイパーコラージュ」じゃなくてさ。まあ、「キチガイ芝居」なんだけど。その劇団の本番を最後にやってみせるんだけど、途中のキチガイ芝居と、オープニングの稽古風景でやったアクション系芝居とを融合させたやつ。でたらめにやってるだけと見せておいて、ちゃんと最後に芝居に組み込んでいる。

稽古では、その最後のやつを最初に作ったらしい。なんせ、見せ場だし、まあ、デキは半分だったけどね。あれは難しいんだ。倍のテンションと倍のスピードが必要。「スポーツ」の反射神経が要求される。

なんと言っても昇太さんが素晴らしい。竜ちゃんも、めちゃめちゃうまかった。中西(和泉みか)もちゃんと芝居してるんでびっくり。泉陽二って、誰? 東京オレンジかどっかにいたような?

しかし、劇団作っても、昔と変わらぬキチガイ芝居をやっていた清水さんに拍手。ぜひ、年間5回ぐらい公演してほしい。役者はジゴクだろうけどね。どうせ乗り打ちだろうから。無謀だよなあ。次は大倉さんとかを誘って、もっと大きな小屋でやってくれぃ。


抗議、一切受け付けず!
戻る