週刊小丸


No.56(2/12〜2/18)

2/12(土)

A-CLIS稽古、の予定だったが、スズナリの照明のプランで一日潰れる。何も考えずにプランを作ったら、スズナリにある灯体の2倍の量が必要であり、フェーダーも倍必要であることがわかる。

あれこれ悩み、工夫を凝らして、プラン完成。かなりカットした。ざんねん。

スズナリにはユニットが48しかないので、拡張すれば120フェーダーまで増やせる調光卓が、使い切れない。回路は70まで増えたので、せめてユニットを60に増やして欲しいよ。

灯体は約110台ぐらいある。今回のやつだと、200台ぐらい必要だ。つっても、私一人じゃ、50台ぐらいしか仕込めないわけで・・・上野さんというショーの照明をやっている人が仕込みを手伝ってくれるので、なんとかなるだろう。賢弥も来るし。

2/13(日)

A-CLIS稽古の予定だったが、一日秋葉原散策で終わる。いろいろ買いこんだ。賢弥は月曜NGで、火曜に来ることになった。

2/14(月)

スズナリ仕込み。なんだか知らないが、全部一人で仕込んだ。灯体は80灯ぐらい吊った。9時から始めて、14時ぐらいまでかかった。

装置がすごい勢いで立ちあがっていくのがすごかった。舞台に2階建てが組みあがるのだが、最初の1時間で構造はできちゃった。まあ、そこからが大変なんだけどね。美術関係は試行錯誤しながらの組みたてだ。美術屋さんと舞台部が別だから。寸法が違うなどのトラブルは次々と起きる。それを「なんとかしてしまう」のがワザだよなあ。

夕方から回廊関係の仕込みに入る。晩飯のとき、舞監さんが「いつでもシュートできるよ」と言われる。回廊の方が一段落つく8時に、と伝える。

8時10分過ぎぐらいにシュートしに行くと、映像のチェックをやっていた。シュートできない状態だ。そんな・・・。延々一人で仕込んでいたので、完全にてんぱってる私だった。かまわずシュートしちゃおう、とか思い、映像がついてる状態で蛍光灯などを切った。そしたら、舞台部の人に怒鳴られた。「蛍光灯切るときは一言断れよ」と。確かに、脚立から降りようとしているときに暗くなったら事故るよなあ。やべえ。

とはいえ、怒鳴られても反応できる体力も残っていないので、「はーい」とか返事するだけだった。

結局待たされ、8時半からシュート開始。10時の退出までに半分しかシュートできなかった。まあ、シュートに3時間かかると予想したので、予想通りだったんだけど。

2/15(火)

続きの仕込み。賢弥と大岩くんが手伝いに来た。が、二人は美術班に預け、一人で回廊回りの仕込みを。

この日、何をやったか、あまり覚えていない・・・。

2/16(水)

前日、コードやトリプルタップなどの需要が大きく、みんなに提供したため、部品がなくなってしまった。そこで、朝一番で新宿の加賀屋に行き、コード200mとかを買い足す。で、9時過ぎにスズナリに行き(この日から入り時間は11時)、延長コードを作る。1時間半で3mの延長コードを20本作った。

11時からの仕込みで14時までに回廊関係の仕込みを終わる予定だ。

大岩くんが今日も手伝いに来た。前日、急遽手伝いに来た彼だが、よっぽど楽しかったのか、この日も来てくれた。この世界が大好きなのだそうだ。まあ、この日になると楽しいだろうなあ。ここに至るまでの日々の苦労に関わっていないんだから。

14時ちょうどに回廊回りの仕込みが終わった。初日本番まであと5時間。ここから私の「電脳屋」を立ち上げないとならない。18時完成予定だ。

が、15時から初日パフォーマンスの場当たり、そしてゲネ。なんだかんだで、ほとんど電脳屋に手を出せなかった。とほほ。

また、回廊周りの照明の状況も気になる。本当に燃えないのか。トラブルはないのか。全体の灯体数を絞り、意図的に暗くしているので、一灯消えると、客は歩けなくなるのだ。

18時、受付開始。やや遅れて外回りのライトアップを。受付の上にある龍頭をちゃんと照らさないとならない。回りの店から苦情が来ないか心配。だが、「怒られたら対処を考える」という方針で、どんどんやる。

19時開演。一瞬、電脳屋に行き、パソコンに「電脳本舗公司 本日休診」と打ち込み、イスの上に置いておく。そして回廊周りの見回りに行く。照明的にはトラブルはなかったが、お客さんが詰まってしまったり、展示物を見逃して素通りするなどの問題点を発見。回廊監督の十蔵さんに伝えると、「まあしょうがないでしょう」との返事。・・・確かに。気づかずに見逃してしまった人は、ちょっと可愛そう。

外人さん4人連れが、めちゃめちゃびびって楽しそうだったのが印象的。

本番、無事終了。

初日乾杯に行く。出演者が30人ぐらいいるのだが、初日乾杯についてきたのは、スタッフばかり。10人だけの寂しい初日乾杯。そのなかには大岩くんも含まれる。あと、結局二日間しか出演できない橋本佳代子も、なぜかついてきた。まあ、こいつらは当然飲むものだと思っていたわけだが。

暗い乾杯の場を橋本が気遣って盛り上げてくれる。ありがたいが、お前のトークは笑えないんだよ。・・・なぜだろう?

2/17(木)

この日も朝一で加賀屋へ行き、一部買い足す。11時小屋入り。

パフォーマーは家無姉妹という、元月蝕歌劇団の古川万理と、人形作家の清水真理のユニット。きっかけや仕掛けがある。この日だけのために、いくつか仕込む。14時ぐらいまでかかる。場当たりをやり、ゲネをやったら16時ぐらいになっていた。

その後、回廊周りの直しなど。いろいろと注文が増えてくる。さらに、雨対策をしないとならない。週末に雨が降るらしい。それまでに外周りの電気関係には防水処理をしないとならない。防水ったって、アルミホイルを巻くだけだが・・・こんなんで大丈夫かな。

その後、電脳屋の仕込みへ。まだまだだ。が、ある程度の形はできた。

19時開演。最初の15分ぐらいだけ電脳屋の席にいる。が、いろいろ未完成なのでつらい。

本番無事終了。飲みに行く。役者では金浜さんだけがついてくる。

2/18(金)

朝、電脳屋用の電脳マスクを作る。顔(お面)の部分にチップを埋め込むのだが、ただ貼っただけじゃつまらないので、発光ダイオードをチカチカさせるのだ。そのキットを作る。久々のハンダ作業。予定通りのものはできなかったが(一部回路が直結しちゃってんだよな)、無理矢理で光るものができた。あと、点滅灯を繋いだものもハンダ付けする。

午後、加賀屋へ行き、また買い足す。さらに東急ハンズへも行き、「座敷牢」用の仕掛けの素材を購入。

15時入り。小屋に向かう途中で衣装を買う。本当は人民服を買おうと思ったんだけど、大中がどこにあるかわからず、探している時間もなかったので、カーキ色の服を適当に買う。古着屋で売ってたドイツ軍のやつだ。

16時から玉造カルキバンドのリハ。音のトラブルで延々待たされる。ベースの音がサイアク。音響さんはめちゃめちゃ苦労していた。舞監さんがうまく仕切ってくれた。

17時半からこの日のパフォーマーのジーコ内山劇場のテクリハ。めちゃめちゃきっかけが多い普通の芝居だった。特に音響さんはパニクってた。7〜8曲はあったんじゃないのか。それをカセットテープやCDを渡され、1時間半後の本番に向けてダビングしてくれ、とか言われていた。なのに、そのうちの1時間はテクリハだもの。

本番30分前にテクリハ終わる。音響さんに言ってあげた。「こんなのできっこないから、パニクってもしょうがないよ。」とか。

19時開演。回廊に35分いた。50分の回廊時間のうち、私がいれるのは35分ぐらいだ。このあたりで客席で自動人形の仕掛けがあるので、調光室にいなければならない。

パフォーマンス本番、一部、トラブルがあった。本番中、音響さんと二人で悩みながら相談しながら進行させていた。「次のきっかけ、なんだっけ?」とか。せめて台本があればなあ、と思う。「二人が退場する」というとこで暗転したのだが、実は、同じ動きが後であり、そっちの方で暗転するはずだったようだ。そんなの知らんわい。後の方では暗転にならなかったのだが、ジーコさんが適当に動いてくれたので、まあ、大丈夫だろう。なんか、場が変わっているのに、照明は変えなくてもいい、とかいう指定もあり、細かいことは気にしない気にしない。

無事終了。飲みに行かずに帰宅。「電脳屋」は「時間旅行電脳公司」という名前にし、「時間旅行機械製造」を行うというコンセプトにこの日決定した。で、私の場所で作り続けているのだ。結局、空いた時間に作ろうと思ったが、空いた時間なんて全然ないことがわかったので、作っている過程を見せるしかないと思う。つまり、作業できるのは回廊開演中だけなのだ。

さらに、連動したホームページも作ることにした。ので、この日はとっとと帰り、ホームページ作成にとりかかることに・・・が、家についた途端、寝てしまった。「時間旅行電脳公司ホームページ」はできるかしらねえ。

(つづく)


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