週刊小丸


No.40(9/13〜9/19)

9/13(月)

観劇:フォーナイン「鏡」@俳優座劇場を見た。三田村邦彦主演で、鈴木光司原作を映画監督の山川直人の演出で。共演は遠山景織子、岡安由美子、筒井真理子など。5500円。失踪したアイドルを関係者へのインタビューで探す物語。三田村がいろいろな人へインタビューする形で進行する。その結果、ずっと二人芝居が続く。演技がモロ新劇で、たいくつー。

なんでこんな芝居を見たかと言えば、元十六夜社の高畠史朗ちゃんが出ていたからだ。もともと、この時期に俳優座劇場を押さえたのは史朗ちゃんと大島順次だ。二人で企画し、有名俳優とかアイドルとかを出す予定だったのだ。それが紆余曲折があって、企画自体が他者へ渡ってしまったわけだ。まあ、シロートが企画して成就するわけないんで仕方ない。

大島は去ったが、史朗ちゃんは頑張って残った。史朗ちゃんの芝居を見に行ったわけだ。で、当日券を買ったら、受付で「空いてる席のどこに座ってもいいです」と言われたので、最前列中央に。遠山とか岡安を至近距離で見れて、嬉しい。

でも、ほんと芝居は、役者が新劇してるんで退屈だった。演出家はなんもしてないし。開演して1時間ぐらいしてようやく史朗ちゃんが出てきた。さすがに史朗ちゃんはバカ新劇じゃなくて、ちゃんと芝居してたんで、圧倒的に面白かった。相変わらず発声ができてないし、カツゼツが悪いんだけど、そんなことを超える面白さがある。自分で芝居を作っていた。他の役者も芝居を作っていたんだけど、その作りこみがありきたりでロクでもない。筒井さんとかは、やたらと英語を使いたがる人ってえダサさ。まったくもお、恥ずかしい。

史朗ちゃんの話しでは、稽古場でいっぱいアイディア出したんだけど、なかなか難しかったとか。一度、三田村さんが「私、銀行員でした」というセリフを言ったとき、史朗ちゃんが「なにぃ、仕事人? 必殺かいっ!」という受けをしたら、稽古場が凍りついたとか。・・・面白いのになあ。

終演後、矢吹、今平、榊、和田(桜沢)らがいたので飲みに行った。しばらくして史朗ちゃんが登場。思わず、二つ三つダメ出しをしてしまった。

9/16(木)

花歌稽古@横浜。渡しておいたテキストでの初稽古。一から作っていく。予想通り、辛気臭いしょぼい芝居に作っていたので、がんがん変える。また、状況の異常さを表現できず、給湯室のOLの会話みたいのになっている。テンションを上げさせるために、いろいろ条件を与えて行く。窪ちゃんは、予想通り、しょうもない受け芝居を始めた。受けとしては完璧なのだが、客としては見てて楽しめないのになあ。まあ、最初のうちは、きちんと受けてもらえると、相手役の稽古になるので、良しとしておこう。

前半部分までしかできなかった。まだ1割だ。できればこれで10回ぐらいやりたいのだが、どうかなあ。でも、久々に楽しい稽古だった。解釈しながら、いろんなアイディアを出していくのって、楽しいなあ。『出す』ことを役者は覚えれるだろうか。

A-CLISのじみさんからメール。稽古に向けての打ち合わせ。出演予定の役者が少ない。5人ぐらいだ。そのうち、一人は新人(男)だとか。なんか、へこむぜ。稲月とか浅野とか、ヒマじゃないかなあ。

9/18(土)

観劇:道学先生@トップス。毎度ながら手堅い芝居で、キャラクターも事件もわかりやすい。人間って、そんな単純な反応するかいな、とか思う。70年代のダメ人間のオンパレードで、人間の悲喜劇への愛しさを描いているんだろうが、リアリティまったく感じられない私。1999年のリアルとは別のところで描いているんだろうけど、でもって、中島淳彦氏はホンキートンクシアター以来、一貫して描いているんだけど、私はやっぱリアルを求めるんだよなあ。

9/19(日)

観劇:SPRO@大塚ジェルス。元十六夜社の山崎竜介と中嶋ちかこが出ていた。串田和美の息子とかが参加してるとかで、生田萬の「スカブラ」(北区つか)で知り合った仲間で作った劇団だとか。あんまり演劇っぽくなく、パフォーマンスっぽい部分を出しているんだけど、狙ってやってることがあまり効果出てないみたい。竜ちゃんも、なにもやっていないに等しい。不思議なセンスはあるけど、でもなああああ。

10月に照明を頼まれた大塚ジェルスでの公演のチラシが入っていた。ちゃんと劇団なんだ。劇団ルート無限大。10人も出るんだ。前売1200円か。そういえば、29日に稽古に行かねばならない。それまでに仕事、終わらせねば。

料理の鉄人で、坂井 vs 森本対決を道場さんが審査員していた。同じ業界人が点数つけるのって、なんか素晴らしい。他のゲスト達よりも、道場さんの点数が一番興味深かった。そういう感覚って、私だけかしら。

この1〜2年、ずっと疑問だった映像技術が、とうとうわかった。最近のCMとかでよくやられている「タイムスライス」だ。「マトリックス」がらみで01に出ていた。まさかとは思っていたけど、ほんとにカメラを並べていたとは。最初にテレビで見たのはたぶんGAPのCMだったと思うけど、それ以来の疑問が解けた。

(つづく)


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