週刊小丸


No.30(7/5〜7/11)

7/5(月)

朝8時にYDBニュースは完成する。あわてて照明のプランを直す。フェーダーへの割り振りがまだだった。

9時、出社。原稿を渡す。問題はあったが、「今日はもう直せないんで、なんかあったらFAX下さい。明日の朝になります。」と伝える。会社サイドとしては、どうしても原稿を印刷屋(韓国ソウル)に今日回したいみたいだった。「場合によっては切り貼りしてください。」と。今晩、直せるかどうか不安なので、できれば切り貼りにしてもらいたい。

その後、幡ヶ谷へ向かい、ガムテープなどを買う。安い安い。黒ガム白ガムとかも買う。すげえ量になった。

うちへ戻り、チャリンコにホリ幕と舞台関係の道具と照明の道具などを積む。すごい量だ。ガムテープを裏明かり関係は積みきれなかった。

昼、仕込み。予想通り、照明と舞台で人間は5人。舞台がじょじ伊東と元マンプリの津田。照明は私と稲月と岸本さんだ。タマは朝電話があり、おばあちゃんが危篤になったとかで、一旦実家に戻るとか。14時頃の入りになる。その頃は仕込み終わってるよなあ。

仕込んでいたら、奇妙な事実に気付く。バトンの上にきれいな白い粉が積もっているんだ。ホコリにしてはきれいで、真っ白だ。ゲホゲホやってたら、岸本さんが「すみませーん」と。つまりアレだ。先日の一跡ニ跳で使った砂が原因だ。彼らは舞台一面に深さ60センチぐらいの砂を敷き詰めた。それを掘り返しながらの芝居だったのだ。それで、砂粒が舞って、バトンに積もったんだ。灯体とかはちゃんと拭いたらしいが、バトンまでは気がつかなかったらしい。彼らのバラシは午前3時までかかったとか。

しかし、岸本さんのおかげで仕込みがスムーズに進む。彼が吊ってくれるんで、私の仕事は半分ですむ。岸本さんは明日の朝、一跡ニ跳の旅公演で九州に向かう(飛行機)ので、あまり遅くまでは引き止められない。が、結局、夕方まで手伝ってくれた。大助かりだった。

岸本さんから(社)日本劇団協議会の機関誌「ジョイン」を見せてもらう。一跡ニ跳の古城さんが中心で活動しているらしい。けっこう面白いんで、定期購読させてもらうことにした。日本劇団協議会は青年座や俳優座や文学座といった大きな劇団を含む70ぐらいが参加している組織。新感線もこまつ座もNODA・MAPもサードステージも入っている。

じんのひろあきの秘密基地(事務所)の制作の家入さんから、「我々もまた世界の中心」を本にしたものを見せられる。50戯曲ぐらいが掲載されているとか。が、私はじんのさんからMOでもらっているのだった。

17時、仕込み終わり。18時、じんのさんの入り。椅子の位置などを調整し、幕関係も見てもらい、明かりのコンセプトを決める。ホリ幕の前に吊った紗幕に色を当てることになる。紗幕をゆるく吊ってあるんだが、そのシワを見せていいのだそうだ。紗幕に当てた色で空間を変えるとか。また、役者の椅子の位置をちょっと近くする。二人を別々にするのではなく、完全に同一空間に、同一地明かりに置くということだ。

じんのさんが自分でいい感じに椅子を離して置き、位置を決める。で、後で計ってみたら、椅子と椅子の間隔は、ちょうど90センチ(3尺)だった。尺貫法って、すごいなあ。よくできてるなあ。

椅子の位置に合わせ、シュートをやり直す。この2点に明かりは集中しているので、これが移動すると、全部の明かりが変わるわけだ。7時半から直し始め、9時前までかかる。でも、時間的には余裕だった。

考えて見ると、今回のシュートは真っ暗にしてやることができた。これって、始めてだ。いつもは他の作業と平行してやるので、作業灯とかついたままだ。公演によっては蛍光灯をつけたままシュートせざると得ないことだってあった。「いつも作業灯つけたままでシュートしてるんですよ」と岸本さんに言ったら、「なんで! それってダメじゃん。」と一喝されてしまった。まあ、そうなんですけど。明かり屋さんにシュートの時間を貰えるなんて、贅沢だよなあ。今回は時間あるから可能なんだ。

9時過ぎ、退出。帰宅してみると、会社からのFAXも留守電もメールもなかった。すごくほっとした。

7/6(火)

昼、小屋入り。オープニングとエンディングのみの場当たりを行う。地明かりを作ってオペに渡す。前日、置いてあるローホリの黒さが目立つんで、なんとかしてくれ、と言われていた。うちにあったベニアを切って白く塗り、隠す。我が家にはベニヤとかの材が様々なところに置いてある。

14時、ゲネ開始。じんのさん的には役者が変にうまくなるのが嫌だとかで、ゲネとかはやりたくなかったみたいだが、裏方的にはやってもらわないと困るってことで、お願いした。で、初日の組み合わせでゲネ開始。いろいろ問題発覚。私は客席の最前列で役者が熱くなるかを確認していたが、じんのさんがオペのところに走り、明かりを変化させだした。やはりビジュアルが変わらないのは問題だった。が、他の回はどうすりゃいいんだろう。どういう芝居になるかもわからず、変化させるのか・・・変化させるんですけど。

15時半、ゲネ終了。80分の予定が88分ぐらいあった。思ったよりも長い。

19時、本番開始。本番は82分ぐらいだった。ゲネよりも5分以上短縮。明かりは稲月のセンスで変化させていたが、横で見ているといろいろ手を出したくなる。かなり難しい明かりだし。そこで、土曜の昼夜だけ私がオペをやることにする。

じょじから連絡。毎年恒例の「大正琴の発表会」は7/30夜仕込み、7/31本番になったとか(大井町・品川きゅりあんホール)。7/31は夕方に終わる予定。そこで、そのままケンヤに迎えに来てもらい、その足で浜松に向かうことにする。31日の夜にケンヤの実家に宿泊し、翌朝からケンヤのライブハウスで仕込むことに。

7/7(水)

16時、トップス入り。灯体を追加し、明かりの変化の手数を増やす。17時役者入り(柳岡・明星)。場当たりにつきあい、明かりの変化の方向性を指示し、18時過ぎに退出。そのまま恵比寿に芝居を見に行く。

夜、シアターフォーラムの招待券で「演劇屋バンソウコウ^3」を見た。去年の春に公演があった西田シャトナー東京冒険団「ジャム」を母体とした劇団。ピスタチオよりも面白いとこがあったんで、今後に期待したい。

7/8(木)

昼、新宿で映画「ハムナプトラ」を。CGが楽しめる。こんなことまでできますよ、って感じの映画だった。もう、なんでもできるのね、って。

16時、トップス入り。場当たりにつきあい、本多へ。サモアリナンズ。花歌のわっことマキがワークショップ絡みで手伝っていた。芝居は、長かった。あまり楽しめなかった。終演後、見に来ていた窪ちゃんや羽生も一緒にサモアリの飲み会へ。ワークショップ関係で出演していた若い役者と一緒の席。なんか、使えそうにないやつらばっかで、あまり楽しくなかった。でも、けっこう遅くまで飲んでた。私はチャリンコで帰った。窪ちゃんは遅くなったことを理由に、一番まともな男の子のうちへ行ったみたい。やるつもりみたいだが?

8月の花歌の公演の舞監が山崎竜介に決まる。その代わり、竜ちゃんの11月の公演で私が舞監をやってあげることに。いいとも。

7/9(金)

17時、入り。場当たりの後、池袋へ。猫ニャー。長い。全然楽しめなかった。芝居の冒頭で、バスケットボールをやるシーンがあり、はずんだボールがローホリを直撃、火花を散らして1灯が消えた。その後、ホリが点くたび、その消えてるとこが気になって気になって・・・。それと、芝居のクライマックスで、本来点くべき仕掛けの照明が点かなかったのも興ざめだった。まあ、ブルースカイのホンは面白いんだけど、ここのダメさ加減には毎回驚かされるよなあ。まあ、そのうちうまくなるんだろうけど。

7/10(土)

12時、入り。昼・夜とオペを。難しかった。中途ハンパな変化ってのが胃をいためる。夜は2箇所ぐらい、おそめのクロスぐらいでやってみた。こっちのほうが精神衛生上はいい。

終演後、ケンヤと浜松の企画担当さんと飲みに。稲月も一緒。このライブを企画してくれた人に、現在の状況を説明。ついでに山形までのマラソンのことも聞く。写真を撮ってきたというのを見せてもらう。写真には土地土地の人との交流って感じで、写ってはいるんだけど、場所を特定するものが入っていない。そこいらのおやじと写っているだけで、なんだかわからない。んもおお。

企画担当さんが、静岡の情報誌とかに載ったケンヤの記事のコピーを見せてくれる。「イッセー尾形の再来か!」とか、ハデなキャッチコピーが目を引く。ケンヤ、びびる。

7/11(日)

12時入りの予定が、都合で17時入り。既にマチネは終わっていた。このマチネは今回の公演で最も前売が出ていたとかで、ちょー混雑だったとか。が、私が小屋入りした頃は、既に夜の部の場当たりが始まっており、実に平穏。すぐ、終演後のバラシの準備に入る。

20時半、終演。すぐばらす。バラシ要員が少ないかと心配したが、FSTAGEオフ参加者と某劇団員が手伝ってくれたんで、20人ぐらいになった。さらに翌日からの公演が、パンチをそのまま使うというので、床のバラシがなくなる。すごく楽になる。照明と幕関係を降ろすだけだ。21時過ぎには大方が終わった。掃除などを丁寧にやっていたら、お手伝いの某劇団の子が、勝手にパンチをはがした。おいおい・・・。もう一度、パンチを貼ろうにも、両面テープも養生も、もうないよ。呆然としていたら、小屋の方が、「まあ、いいですよ」と言ってくれた。ありがたい。しかし・・・。

21時半にはバラシが終わったので、オフ参加者を舞台の下(奈落)へと案内する。我ながら無茶するよなあ。まあ、あの舞台の下がどうなっているかは、なかなか見れないだろうから、この際、見せちゃえ。

22時、打ち上げへ。毎度おなじみの「志ろう」。生方和代も出席したが、前日の佐伯日菜子も駆け付けた。すげえラッキー。やっぱ、めちゃめちゃ可愛いやん。打ち上げは30人ぐらいが参加していた。久々に丸山・マシーン日記・昌子も来た。じょじ伊東も来た。ので、じょじと丸山とFSTAGEメンバーで朝まで勝手に盛りあがった。丸ちゃんが、わけのわかんない企画を出すので、あきれた。丸ちゃんはもう、ちょっとやばいなあ、と思う。

朝、チャリにホリ幕を積んで、小雨の中、帰宅する。


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