週刊小丸


No.25(5/31〜6/6)

●花歌稽古@横浜。9割ぐらいできた台本で通しをやってくれた。1時間35分ぐらいあった。ダンスがめちゃめちゃ面白い。が、顔で踊っていないので、そこをチェック。あと、芝居パートがほんとダメなんで、基礎的なことをまずチェック。リアクションをちゃんと返す、ということをくどくどと説明する。リアクションがでないのは、相手のセリフを聞いていないからだし、自分の感情を作れていないからなのだ。あと、わっこのテンションが低すぎたので、ほとんで個人攻撃する。

●別の日の花歌稽古@横浜。窪ちゃんが、役者が台本を理解していないから、ということで、台本の説明を始めた。で、伝えるべき大事な情報を拾っていく。重要なセリフが弱いのが窪ちゃんにしては悲しかったみたいだ。ただ、あまりにも設定部分のチェックなので、「設定を伝えることも大事だけど、それ以上に重要なのがあるんで、それをやって」と注文を出す。この芝居は「いとおしい」と「そばにいてほしい」だよ、と断言する。

●今回の芝居では、スモークとミラーボールを使いたいと思う。が、レンタルは高い。スモークマシン(ロスコ)を買おうと決心する。10万円ぐらいだろうか?


●じんのさんから電話。トップスの「ファンレターズ」はそれぞれのパートで1回ずつ稽古をするとか。そこで打ち合わせをしようと。で、どの稽古に出るかだが・・・、じんのさんは「長野里美」に興味あるだろう、と言う。私的には中嶋朋子なのだが・・・。スケジュールを送ってもらうことにする。


●清水宏ライブの稽古@池尻大橋。ケラさんが毎日来ているとか。藤井賢弥も裏方をやるとかで、来ていた。ので、浜松の打ち合わせをする。清水さんは、青山円形劇場の完全円形舞台をそのまま使う。フリートークも完全円形で、全方向に話しかけていた。必然的に動き回るネタが多い。

●ケラさんの指示だと思うが、ビデオ、スライドなどを多用していた。私はスライドを担当することになった。

●ダンサーとして、石井光三オフィスの星野園美も出るみたい。中西ミカも出る。おまけに、前に44プロに出ていた吉田亜弓もいた。相変わらずの超美人で、一瞬誰だかわからなかった。よし、吉田を口説こう。頑張るぞ。二日しかないけど。

●そうだ。ピスタチオの招待券があるので、これで吉田を・・・。


●観劇:KAKUTA@新宿タイニイアリス。バラコのカクタを見た。なんか、違和感のある芝居。いつものように、現代を象徴する子たちの芝居なのだが、設定が生活共同体。村での生活で、閉じてるはずなんだけど、そこにいる子たちはいまどきの普通の子だ。ストレートな物言いもする。ので、どうにも生活共同体での暮らしが合わない。こういう子はこんなとこにいないだろう、って思ってしまった。

●組織のことを考えさせられた。そんなとき、たまたまじんのさんとうにたさんから青年団の新作の評判を聞いた。二人とも傑作と言っている。組織体を描いた作品らしい。なので、見る。

●観劇:青年団@三軒茶屋シアタートラム。市民運動の組織が壊れている姿が描かれている。温度差の違いがずれを生み、亀裂が入る。組織と個人との距離、個人と個人の距離が見事に描かれていた。非日常的な距離に置かれたイスが、その距離感をうまく示している。あんなに離れていたら、話しずらいぞ。でも、その離れ具合いがうまいんだ。

●そもそも、現代社会に旧来型の組織が成立しがたいのは周知の事実。70年代、家族が崩壊し、80年代、学校が崩壊し、90年代、地域社会が崩壊した。地域社会の崩壊は、神戸の酒鬼薔薇くんとか、和歌山のマスミ事件とかが描き出している。あ、マスミ事件の背景には部落問題があるみたいね。知らなかった。

●旧来型の組織(家族・学校・地域社会・会社・国)は崩壊する。5年後に会社が、10年後に国家が崩壊する。そして、ネットワークでしか繋がれなくなる。もう、それしかない。だから面白いのだ。ネットワーク理論の確立が急がれる。


●UBAセミナー@市ヶ谷。テーマは「デジタルコンテンツ配信」。基調講演を聴いていて、ほんと、ネットワーク理論ですべての事件・事象を解析してみたいと思った。

●音楽配信に関する標準化が思いのほか進んでいて驚く。

●YDBニュース脱稿。CRMと情報家電でまとめる。紙媒体によるYDBニュースは7月号までみたい。オンライン化は9月号からになりそう(まだ未定)。

●ばたばたしてて、インターロップ@幕張メッセにいかなかった。


●花歌のために駅前劇場にアプローチ。8月の平日二日間を押さえる。とりあえず、これをステップにしなくちゃ。12月のパンプルムスでの三日間15ステージというのも決まった。11月のスパーキング(STスポット)も決まっている。それで、アゴラの大世紀末展は、平日しか取れそうにないとか。今年はあと本公演ができないんで、アゴラで本公演やるしかない。平日しか取れないんだと、やれないな。そのときはキャンセルして、どっか別のとこで本公演をやろう。駅前なら嬉しいが。


●太陽とシスコムーン。稲葉、お前に欠けているのは、自分たちがやっているのは、最高のものを作ってお客に楽しんでいただくことだ、という気持ちなんだよ。


●A-CLISの打ち上げへ参加。うなぎとか、なんかめちゃめちゃうまいものと酒を飲ませてもらった。

●ホンで描かれたものと、できあがった芝居とのギャップをどうするのか。あらためて問う。自分にも問う。働くお姉さんが芝居やってもいいと思う。特に、職場できっちり仕事しているA-CLISなんで、芝居をやる意味はある。ただ、稽古は週末だけ、公演は年一回というスケジュールで、なにができるのか。花歌とは対極の環境だ。花歌の子はクズばっかりなんだから、いい芝居を作るしか、ない。

●やっぱ、A-CLISも、役者と裏方のスキルアップしかないだろう。裏方には機会があれば現場に来てもらうことを提案。役者については、2000年問題が落ち着いたら、私も稽古に出るってことに。しかし、2000年問題が重要なテーマとなってる劇団って、日本でどのくらいあるんだろう。A-CLISの劇団員にとっては、まさに最も重要なテーマだ。

●ちなみに同じころ、花歌の稽古場で問題になっていたテーマは「肌色全身タイツのあそこにつけるマンゲについて」だ。女どもが「マンゲ」を連呼している。「そんなしょぼいマンゲでいいのか?」「こうやって作れば簡単にマンゲはできるんだよ」「マンゲは何で貼るんですか」「それぞれが自分のサイズでマンゲを貼ってください(自分のサイズって・・)」などなど。ほんと、サイテーの劇団だ。マンゲの次は「パイチチ」とかだし、「股間をまさぐるときは、どんな顔にすべきか?」だし・・・。


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