週刊小丸


No.22(5/2〜5/16)

●観劇:大人計画@本多劇場。原作(二十日鼠と人間)があるらしいが、描かれているのは松尾スズキの世界そのもの。ヒサンにして閉塞な状況を描いている。温い地獄は松尾スズキの世界だ。そういえば、大人計画を見るのは2年ぶりぐらいか。で、いつもなら最後に崩壊(カタストロフィー)があるのだが、今回のは、ない。閉じたまま終わっていた。カタストロフィーがないのこそが現代か。地獄ではあるが日常であり、閉塞なまま生きていくのが現代ということか。なるほど。素晴らしい。

●観劇:ぺ天使@江古田ストアハウス。2年半ぶりということで、きっと大変だったんだろう。役者も一人、急に出なくなったみたいで。お話しは「ルパン2世」なので期待したが、広がらなかったみたい。とにかく未生・管野以外の役者がきつい。でも、未生みちるが舞台に登場した時、じーんとしてしまった。久しぶりなんだもの。頑張って芝居やってて欲しいもんです。才能あるもんなあ。第二回公演ぐらいから見てるただの客ですが、絶対才能あると思うし、かっこいいし。今回みたいに、うまくいかない作品もあるけど、2年半もあいちゃダメだ。ルパンの物語も、「時間泥棒」の話しも、「宇宙ビッグバン」の話しも、全然バラバラで融合しなかった。残念。でも、1年以内に新作を上演できれば復活できる。芝居をやれる環境は最悪なんだろうけど、頑張って欲しい。

●明かり屋:藤井賢弥ライブ@ストアハウス。前回、入りが100弱だったが、今回は120ぐらいに伸びたとか。出来についても、前回が清水宏コピー度が90%ぐらいだったのに対し、今回は60%ぐらいに下がった。しかし、清水さんにおけるシンバル漫談やパワーマイム的なものは生み出せていない。あるいは傑作「ミクラス」のようなものも。それを次回までになんとかしないと。
●で、楽日のバラシの間にケンヤが次回公演を決める。8月末。詳細はケンヤのページに。写真も載せた。
●まねきねこさんのケンヤのライブのレビュー(FSTAGE)を見たという知人から、静岡のライブハウスに出ないか、という問い合わせ。とりあえず、ケンヤ事務所の連絡先を紹介する。決まれば面白いなあ。でも、8月だとか・・・お盆なのに。

●花歌の稽古へ。全くもって、芝居を作るということが理解されていない感じ。今回の芝居は97年秋にスパーキングシアターというコンテストでやった30分ものをベースにした作品。なので、30分バージョンの台本が既にある。で、それを稽古していたので、ちょっとやってもらう。したらもう・・・なんも面白くないものをやっている。って言うか、せりふを暗記して、ひたすら一生懸命やっているだけという・・・。アホか。
●むかつくのをじっと我慢して、こんなのは芝居じゃない学芸会だ、と冷静に語る。面白くしようとアイディアを入れこんでないし、関係性も状況も全く理解されずにやってるだけ。それじゃダメなんだよ、とか。作家の窪ちゃんが来ていなかったので、作家を刺激するには何が必要か、また、今回の作品のポイントはどこか、などを丁寧に説明。
●結局、ホンを読むことが全くできない現状。しかし、ホンが読めない役者なんて、ザラにいるのが現実なのよね。だから、ホンを読むことと、アイディアを生み出すことの練習が必要なのだ。つっても、もう時間ないんで、芝居を作りながら覚えてもらうしかない。
●とか思っていたら窪ちゃんが到着。死んでいる。前日に通したとかで、この現状を見て落ち込んでいたみたい。
●稽古の後、飲みに行き、落ち込みの理由を聞く。やっぱ、みんなが「作らない」ことへの絶望みたい。「作る」のが当たり前の役者にとって、「作らない」ことは理解できないのだろう。しかし、「作るんだよ」と言い続けるしかないことを私も言うしかない。と同時に、そのための稽古とか勉強とかを提案する。
●ところで、花歌の連中が「ネプ投げ」に出るとか。5月末に撮りがあり、放送は6月末だとか。・・・マジでオンエアされんのかなあ。ネプ投げのコンセプトが違うだろうに。

●A-CLISの稽古に行く。今回のは作家にとって2年ぶりの新作だ。ホンがとてもいい。A-CLISってのは理科系女性劇団という稀有な存在。大手電機メーカー所属の子たちが集まって作った劇団。某情報系大学出身者のサークルが母体だ。
●今回もタイムパラドクスだし、バーチャルリアリティだし、月基地だし、地球環境だし。でも、ホンの良さが、必ずしも芝居にならないのもこの劇団の特色。通し稽古を見ていると、自分の感性との違いを認識させられ、つらい。役者にも問題あるんだけど、演出面で、「私ならこうやるのにぃ」とか思って苦しい。

●YDB-Newsの原稿の締め切りが連休明けの5/7だったのだが、突然延期になる。5月末でいいとか。理由は一緒に送付する予定のセミナー案内が、セミナー自体が未定なので遅れている、とか。しかし、YDB-Newsに盛りこむネタは実は急を要するようになっているので、遅れはまずいんじゃないか、と提案。
●結局、いろいろ変化の早い時代に合わせ、情報閲覧の時期を早めたのに、YDB-Newsも資料ガイドも、発行期間を早めていないので、弊害が大きくなっているのだ。それを指摘したら、早急に検討すると回答。
●で、翌週に会議があり、隔月の発行をやめ、オンライン化することに。YDBホームページを強化し、監修を私が担当することになった。わーい。
●が、今月号は紙で出すとか。
●月刊になれば、ギャラも増えるのかなあ。いずれにしても、印刷代と郵送料が浮くんだから、その分、多くもらえるはずだ・・・期待しよう。

●朝日ネットワーク・ソリューション・セミナー99@有楽町朝日ホール。波頭亮の基調講演は毎度ながら使い物にならない。観念的なことを言ってるだけ。やる気あんのかこの人。カタカナのキーワードを並べてるだけなんだもの。
●ルーセント・テクノロジーのえらい人のやつは、同時通訳が下手だった上に、てめーんとこの製品の紹介だけだったので、寝た。
●日本総研の田坂さんの話は、毎度のことながら、うまい。でも、2年前と変わってない。時間が短くてかわいそうだったが、表面的なとこをなでただけだった。田坂理論はもうわかったんで、具体化の方向が知りたい。個人のやるべきことは明確だし、いまごろ「なるほどー」とか思ってるジジイは引退していいと思う。世界との競争のために、何をなすべきかが重要なんだろうなあ。

●猫と同居人を連れて温泉に行った。伊豆大川温泉。猫も泊まれるペンション。快適だった。鯛の刺身を食べれて満足。

●週明け(5/17)に電子・システム産業調査本部の人と打ち合わせ。「企業間電子商取引」の企画書を提出する。はたして、企画が通るのか。いずれにしても、今後オンライン関係の企画はこっちのセクションでやっていく予定。三つのセクションをまたにかけ、9月、10月、11月に別々のセクションから資料を出す予定。がんばろう。

●じんのさんの7月の朗読ショーが本決まり。恐ろしいメンツだ。柳岡香里、明星真由美(双数姉妹)、横山智佐(サクラ大戦)、松本梨香(サンミュージック)、大森美紀子(演劇集団キャラメルボックス)、わかぎえふ(リリパット・アーミー)、楠見薫(遊気舎)、田嶋ミラノ、佐伯日菜子(アイドル)、中嶋朋子(砂岡事務所)、長野里美、羽野晶紀らが出演する・・・。俺と稲月でいいのかよ、裏方。スケジュールはじんのひろあきの「ファンレターズ」

●映画「アルマゲドン」を見た。ひでえ映画。こんな映画で盛りあがっているから、アメリカはコソボでどつぼにはまってんだよなあ。多民族の実験国家であることは理解できるけど、こんな単純な映画でへらへら笑ってていいのかよアメリカは。困ったなあ。

●フジテレビで「振り返れば奴がいる」を再放送している。あらためて見ると、いかに石黒賢が芝居が下手かが思い知らされる。このドラマ、石黒じゃなかったら、どんなにか傑作だったろうなあ。石黒でもかなりの傑作だけどさ、でも、ひどいよこいつの芝居は。織田とか鹿賀とかがいい芝居してんのに、こいつの下手な上っ面の芝居のせいで、いらつくだけの展開だもの。まったくもー。

●プレステの「サイレント・ヒル」をようやく終わる。とりあえずの「グッドエンディング」。でも、「グッド+」というのもあるとか・・・。まあいいや。


一覧へ