Pinky2003夏 公演(2003.8.22〜24)
「安住さんならわかってくれる」(決定稿)
作・一寸小丸


出演
株式会社 PKリサーチ
紙媒体担当調査員・・・・町田知華子
ネット担当調査員・・・・多辺田智里
レポーター兼任調査員・・田原江利子
新人アルバイト・・・・・村山たか緒
タレントマネージャー・・のもとあき (登場順)

舞台には会議室用テーブルとパイプイス5脚
舞台奥のスクリーンに映像が映っている
映像はワイドショーの断片
出演者によるレポートなどもときどき挿入
開場時にはすでに多辺田と町田が座っている
多辺田は端末を前に仕事、町田はマニキュアぬりぬり
客いれ中、多辺田と町田は軽く会話している
ときどき、他の役者が舞台に出てきて、多辺田らと会話していく
客電、消えて、舞台、明るくなる
田原、登場して、リモコンを操作して映像を消す。静かになる。
田原、動揺している・・・多辺田と町田、田原を見つめる、沈黙が流れる
田原 タマちゃんが・・・(撃たれた)
町田 どうしたの?
田原 荒川のタマちゃんが・・・撃たれたよー(泣きくずれる)
二人(町・多)、同時に立ち上がる
町田 やったー
多辺田  よっしゃー
田原 ひどいわ。あんまりだわ。今度はね、エアガンだけじゃなくて、ボーガンなのよボーガン。13本の矢が、矢が、矢があああ・・・(泣く)
町田 (想像して)すんげえ
多辺田 やったなああ、あっ、いつ?
田原 えっとね、今朝ってゆうか、真夜中? タマちゃんを見守る会のおじさんたちが見守っている、まさに見守っているその目の前で。
町田 そっかあ。ほんとに見ているだけなんだ。役に立たなーい。なるほどー。ぶすぶすぶすーっ。血がどばあああ。うわあああ(やられたああ)
多辺田 ひっどーい(パチパチパチ)。よーし、大ニュース!
田原 なぜあんなことするの? 許せないわ。
町田 じゃああれだ。あのボートも真っ赤だ。
多辺田 写真は? 写真はないの? ん? えりちゃん、レポートに行かなくていいの? フジか日テレからなんか言ってきてないの?
田原 わたしもう、荒川に行きたくないです。世の中、間違ってるわ。人間って、人間なんて。
多辺田 なにを言ってるんだ。そんなことでレポーターが務まるのか。よし、なら私が。この私が行こう。
町田 落ち着いて。調べなきゃ。ちゃんと調べなきゃ。
多辺田 そうね。落ち着かなきゃ。犯人は? 犯人は捕まったの?
田原 逃げたのよー。
多辺田 やっぱり「タマちゃんをいじめる会」かな。それとも「タマちゃんを食っちまう会」かな。
町田 そんな会、ありましたっけ?
多辺田 いや、なんとなく。とにかく、忙しくなるぞ。最近はぜんぜん盛り上がってなかったもんね。レポートの仕事も入ってないし。えりちゃん、しっかりしてよ。
田原 またやんないといけないのかなあ。もう嫌だなあ。荒川からのレポートって、なんかむなしいんだもの。
町田 ってゆうか、タマちゃん死んじゃったら、レポートもなにも。
田原 えっ、タマちゃん死んだんですか?
町田 ん?(だって、あんたが・・・)
田原 逃げちゃったから、当分、戻ってこないと思いますけど。
多辺田 なに? えっと、タマちゃん、撃たれたんだよね。
田原 撃たれました。
町田 死んでないの?
田原 死んでません。
多辺田 ん? どういうこと。13本の矢はささってないの?
田原 (きっぱり)ささってませんよ。(不安になり)ささったんですか?
多辺田 いや、それはどうかな。
田原 ささってませんよねえ。一本もささらなかったって聞きましたけど。
町田 全部、はずれたの?
田原 ええ。ヘタですよねえ。やつら、シロートですね。
町田 あ、そう。
多辺田 またかよー。前もだったよなあ。
二人、座る。
田原 でも、許せないですよ。かなり危なかったんですから。前んときはエアガンで、かなり遠くから撃っただけだったけど、今回はかなり近くから狙ってたんですよ。かなり当たっちゃいますよ、まったくもー。
多辺田 でも、かなり当たんなかったんでしょ
田原 全部はずれました。当然です。
多辺田 なにが当然なのかわからない。
田原 だって、当たったら大変じゃないですかあ。
町田 かなり大変。
田原 仕事終わっちゃうもん。そりゃあきらいですよ、タマちゃんレポート。やじうまがいっぱいだけど、めったにタマちゃんいないし。ずっと待ってるだけで、タマちゃんアイスとか、タマちゃんブロマイドとか、タマちゃん占いとか、タマちゃんTシャツ略してタマTとか、もうどうでもいいことばっかりですもん。
多辺田 どうでもいいって言うな。数少ない出演ネタなんだから。
田原 どうしてうちは「めざまし調査隊」みたいのは来ないんですか。
多辺田 あれは大変なのよ。うちみたいな弱小企画会社にはムリよ。大手じゃないと。
町田 えりちゃんがさあ、ディレクターとケンカしなければ・・
田原 すみません。
多辺田 それはまあ、いいんだけど。
田原 すみません。
町田 まあ、あれだよね。ディレクターが生意気だから、しょうがないけどね。
田原 生意気なんですよ。
多辺田 「ジャスト」が決まれば、また忙しくなると思うし。
町田 あの話、どうなったんですか。「ジャスト」本決まりなんですか。
多辺田 あきちゃんが調整中。決まりそうだって。(田原に)ねえ?
田原 ええ、まあ、どうかなあ・・・(入り口のほうを見る)
多辺田 ん? (村山に気づき)ごくろうさまあ。
村山が入ってくる。資料を抱えている。
町田、腰を浮かす
村山 ちぃーっす。おそくなりましたあ。
多辺田 はーい。紹介するね。えっと、たかちゃんです。
村山 たか緒です。村山たか緒。たか緒の緒(お)は一緒の緒(しょ)です。
田原 ショ?
村山 ショーです。中村玉緒のおです。
田原 たまお
村山 たか緒です。
多辺田 たま
田原 タマちゃん(!)
村山 いや、たか緒です。
田原 タマちゃん
村山 たか緒ですって。
田原 タマちゃんなの?
村山 だからたか緒ですってば。
田原 ケガはなかった?
村山 さわんなよ!
町田 さわんなよ!
田原 元気みたいね。
多辺田 たかちゃんです。今日から手伝ってもらうことになったの。よろしく。
田原 田原でーす。
多辺田 えりちゃんです。ちかちゃんです。
町田 (静かに)町田です。
村山 (静かに)はじめまして。よろしくお願いします。
町田 (静かに)はじめまして。
田原 ん? なんだこの雰囲気?(クールで気持ち悪い)
多辺田 座って座って(と村山を座らせ)。えっと、説明するね。今やってんのは、番組のネタを探してるところなの。
村山 番組のネタですか?
多辺田 そうそう。ほら、ワイドショーとかニュースとかで、事件のレポートとかあるでしょ。あれの背景を調べたり、新しい話題を探して企画として提出したりするの。
田原 ときどきは番組にも出てレポートもします。
村山 へぇ〜、あ、見ました。出てましたよね。えっと、なんだっけ・・・朝の番組。
田原 んー、ドレノコトカナ。
村山 見ましたよ見ましたよ、本当に。この顔。なんか、嬉しいなあ。
田原 サインします?
村山 いいです。
多辺田 レポーターだけですけどね。こないだは朝の
村山 「ズームインスーパー」
田原 惜しい。
村山 えー、そうですかあ。この顔だもんなあ。朝っぱらからくどい顔が出てるなあって思ったんだよね。どっちかって言うと、午後の昼メロ、か五反田あたりのキャバクラっぽいって。
田原 やっだあ。てれるなあ。そんなこと、してませんよお。中野坂上の魚民ですよ。
多辺田 えりちゃん。
田原 はい。
多辺田 ほめられてないよ。
田原 なんだこのやろー!
村山 わかった。おはスタだ。
田原 子供番組かよ。
村山 すみません。
田原 私はまだ、レポーターしかやらせてもらってないんですけどね。現場からの。もう、ロクな現場しかないんだもの。埼玉とか、千葉とか。それで、現場のディレクターがバカばっかりで、(急に明るくなって)あきちゃん(入り口の野本に気づいた)、おはようございます。
多辺田 おつかれさまー
村山 ちぃーっす。
野本 できた?
町田 あ、もうすぐです。
野本 急いでね。
町田 (多辺田に)もうすぐですよね。
多辺田 なにが?
野本 (ちゃんと)急いでる?
町田 急いでます。あと、5分か10分か、15分か
野本 向こうは急いでるらしいから。早くしてね。(町田に)よろしく。(多辺田に)よろしく。(田原に)・・・。
野本 (村山に)キミ、新人。
村山 はい。
野本 頑張って。
村山 あ、はい。村山たか緒です。たか緒のおは中村・・
野本 じゃ。(退場)
田原 かっこいいいい。
村山 なんですか、あの人
多辺田 あきちゃん。タレントマネージャー。
村山 (田原を見て)こっちの、目がハートマークになってる人は
多辺田 気にしなくていいから。それより、(町田に)なに? 急ぎって?
町田 新ネタです。待ってるみたいで。
多辺田 そうなの? じゃ、たかちゃん、それ(資料)
村山 これ、どうするんですか?
多辺田 だから、ネタよ。ワイドショーが扱えそうなやつ。
村山 でも、これって、エステのチラシですよね。こっちは不動産、これは宗教の勧誘。
多辺田 いろいろね。
田原 いろいろと、ホットなやつを探すのよ。
町田 あと、ネットとか使って、調べるの。調べまくるの。
多辺田 それで、企画書にして番組に提出するの。
村山 こんなの企画になるんですか?
田原 どうかなあ。
町田 ちょっと見じゃわからないけどね。
多辺田 いろいろ調べていくと、けっこう掘り出しものがあんのよね。
村山 そうなんですか。こんなので。
田原 なかなか大変なのよ。でも、白装束集団とか、けっこうヒットも出してるのよ、うちは。
村山 白装束集団ですか。
町田 青装束宗教諸族処女集団は企画倒れだったけど。
村山 青装束宗教諸族処女集団なんていたんですか。
町田 まあね。
村山 聞いたことないなあ。
町田 まあ、いたというか、作ったというか・・・
多辺田 私は無理があるって言ったのよ。青い服の給食のおばさんとか、処女って言っても
町田 ミステリアスでいいって言ったじゃないですかあ。
多辺田 ミステリアスすぎるっつうの。
田原 惜しかったよね。おばさんもノリノリで。
村山 どんなノリだか。
町田 それはねえ。いろいろで・・・よーく考えてみ。(歌う)よーく考えよー。お金は大事だよー。ふーう、ふーう、うううー。
村山 だって、青そーじょく・・・集団。
三人 青装束宗教諸族処女集団
田原 ナイスネーミング!
町田 ありがとう。
多辺田 でもさあ、沢村プロデューサー、すんごく怒ってたよねえ。
田原 うるさいんですよ、あいつ。
町田 キミねえ、そんなネタじゃ、数字取れないんだよ数字。わかってる? 白装束集団クラスのはもうないの? あれじゃないの? ちょっとヒット飛ばしたからって、のぼせあがってんじゃないの。冗談じゃないよ。あれだって、ウチが注目したからアレしたんだからね。ネタじゃないん――
三人で ――だからね。ウチがブームを作るんだから。
町田 ぅるせっつーの、ハゲ。
村山 どういう番組なんですか。
多辺田 まあ、どこも同じよ。番組がね、ブームを作ってるんだからね。
田原 あれ以来、日テレとはうまくいってないし。そんでTBSの(ジャストは私のせいで)
村山 「花まるマーケット」とかはどうなんですか。
多辺田 「花まる」見てるの?
村山 いいえ。
多辺田 見ないよなあ。
村山 朝は「おはスタ」ですよ。
田原 「花まる」は司会がねええ。薬丸ぅ。
村山 やっくん、ダメですかあ。
多辺田 なに? やっくんのファン?
村山 いいえ。
田原 やっくんって、シブガキ隊ですよね。薬丸ヒレホレって。
町田 ヒレホレ
田原 三人組ですよね。あと二人なんですけど、本木まさひろがモックンで、あと――
村山 あ、知ってる。えっと・・・よっちゃん。
田原 誰よ?
村山 さああ?
町田 よっちゃんは野村よしおでしょ、少年隊の。
多辺田 少年隊はヒガシとニッキとかっちゃんよ。ん? かっちゃんて誰?
田原 かっちゃんなんていましたっけ? うっちゃんでしょ。植草のうっちゃん。
多辺田 あ、そうか。うえくさかあ。
村山 じゃあよっちゃんて誰?
町田 だから野村義男だって。少年隊じゃなくて、おとこ組か?
多辺田 おとこ組、あったなああ。前田こーよーとか、
田原 じゃあ、あれは? ローラースケートでローラーゲームやってたの。
町田 あれはカミングセンチュリーとか。「(歌う)よおこそ、ここへ、くっくくっく」
多辺田 カミセントニセンってのはV6でしょ。
村山 うっそ。トキオじゃあ。
町田 トキオ・・・いいよなあ、太一くん。
多辺田 トキオは長瀬だよお。
田原 リーダー・・・
村山 つよし君
多辺田 くさなぎ?
町田 どうもと?
田原 ながぶち?
三人
村山 あ・・・ふっくんだ。三人目。しぶガキ隊の。
田原 いたなあああ。
多辺田 確かに。
町田 ふっくん? ふかわ
田原 りょう。ふかわりょうって、誰だっけ?
村山 お笑いです。あれですよ。つぶやきシローとかと一緒。
多辺田 最近、ゴミ屋敷を掃除するゴミ俳優として活躍してんのよ、ふかわりょう。
町田 ゴミ俳優・・・
村山 ゴミ俳優・・・
田原 (明るく)ゴミ俳優・・・
多辺田 光ゲンジだよ。ローラースケートのは。
野本 (登場して)ちさっちゃん、ちょっと。ちさっちゃん。
多辺田 はぁーい。
田原、野本の声に反応して退場。
多辺田 (田原の動きを目で追いながら)光ゲンジって誰がいたっけ。いたよね、いっぱい。けっこう思い出せないんだよね。赤坂晃、内海光司、諸星和己、山本淳一、佐藤あつひろ、佐藤ひろゆき、大沢樹生、(田原に)おーい。
多辺田、田原を追って、退場
舞台には、町田と村山。
沈黙。
町田 ちゃんと食べてる?
村山 うん。
町田 ター助がね、ごはん食べないよ。
村山 えっ・・
町田 こないだ夜中にゴソゴソやってるから、どうしたのかと思ったら、水槽の中で背泳ぎしてたんだよ、こんななって。ター助、会いたいんだよ。
村山 ・・・
町田 たかちゃん(立ち上がる)。もう二度と・・・だってたかちゃん、(田原が来るのに気づき、机の上のチラシを手にする)こういうのは気をつけたほうがいいんだって。(チラシを読んで)うんと、バストが8センチアップって、あの、大きさにこだわるのはおかしいって。
村山 いや、ああの、私はそんな、こだわってないんですけど。
町田 大きさじゃないって。感度よ感度。小さくても力持ち。だよね、えりちゃん。
田原 ってゆうか、でかけりゃなんでもいいって男がいるのが許せないのよ。
町田 そうそう。なんで大きさにこだわるかね、オトコは。そんなこと言ったら、私だって大きさについてひと言、言いたいときがあるもの。
田原 はじまったよ。ちかちゃん得意の「男のサイズ論」。ちょっとおかしいってば。
町田 そうかあ。
村山 胸とナニを比べるか、普通。
田原 そうよ。同じ土俵で語らないって。
村山 「オトコだって、AサイズとかBサイズとかをプロフィールに書くべきだあ」とか。
田原 そうそう。えっ!(町田を見る)
村山 あ、いや・・
多辺田、新しい資料を持って、走って戻ってくる
多辺田 急いでー。あきちゃん、怒ってるぞー。
町田 えっと(とチラシを見る)
それぞれ返事して、チラシを手にする
町田 やっぱエステの多いなあ
田原 TBCとかエルセーヌとかたかの友梨とかの大手のはやっぱ、良くできてるよなあ。
村山 これも脱毛。「夏の緊急脱毛フェア」「欲しいのはノースリが似合うキレイなワキ!」
田原 なんか、思わずあせっちゃうもんなあ。
多辺田 おなかシェイプ、脂肪もみ出しケア、たるみ持ち上げケア。力づくだあね。
町田 ヒゲコース、ムナ毛コース、スネ毛コース・・・あ、メンズTBCだよ。
多辺田 おおお、ちょっとびっくりした。
田原 なんか、脱毛って脅迫まがいっていうか、せっぱつまって訴えてくるよね。
村山 やらないと不幸になる、みたいなとこあるもんねえ。
多辺田 どんな商売でも一緒だよ。それを専門用語でマーケティングというわけで。
田原 ん? ワキ脱毛2000円だって、やすっ! 一度処理した毛穴からまた生えてくる脱毛法ではありませんって。
町田 言い切ってるねえ。処理した毛穴だけの話なんだけどね。こうやって言い切ってもらえると安心しちゃうんだよなあ。
田原 そうそう。2000円ですまないのは当然なんだから。
多辺田 永久脱毛とかだと、10万20万ってあるからねえ。
村山 見てると、みんなすごいですよねえ。こういうのはネタにならないんですか?
多辺田 だめだめ。エステのこのレベルじゃ、話題作りにもならないのよ。
村山 でも、サギとかで事件になってるのってあるじゃないですかあ。
多辺田 いやいや、だましたとかでネタになるわけじゃないの。こういうのは普通だから。
町田 もっと意外性がないとね。
田原 テレビ的にはね、ドラマが必要なのよね。例えば鈴木その子カリスマ教祖さま、みたいな。
村山 これは? シェーバー感覚でレーザー脱毛だって。毛穴をつぶして発毛サイクルをストップ!
田原 このヒゲそりみたいなやつが38000円なの?
多辺田 エステの脱毛標準料金は260万円だって。それが38000円かあああ、すごーい。
町田 え、ちさっちゃん買うの? なら、貸してね。
多辺田 豊胸もあるよ。
村山 ホーキョーかあ。
田原 おっきくなるの?
町田 多いからなあ。手術でつめものするのとかは、ちょっとなあ。塗り薬とか飲み薬とかならまあ・・・
田原 (多辺田からチラシを奪いとりながら)見ていい? 吸引かああ。
多辺田 吸引はねえ。
町田 大変よねえ。いちいち通うのがねえ。
村山 通ったの?
田原 こっちのは飲み薬と塗り薬の併用だって。
多辺田 よくあるよ、そういうの。でも効果ないよ。あと、もむと大きくなるっていうのもウソね。
田原 そうそう。
町田 ウソばっか。
村山 (多辺田に)もんだんですか?
多辺田 もんだもんだ。
町田 腱鞘炎になった。
田原 私はもまれまくった。
多辺田 (田原をにらむ)なにぃ!
田原 (照れて)あへっ
三人 えりちゃんに、ヘキサゴン!
田原 へぇへぇへぇへぇ。セーブくずし。
町田 (無視して)これは? AカップがCカップだって。胸に貼り付けるんだあ。
田原 (奪いながら)見ていい? ヌーブラみたいね。「吸引法の効果が自宅で」かあ。
多辺田 ヌーブラとは違うんだ。ヌーブラって売れてるみたいだよね。どっこも置いてないんだもん。ニセモノはいっぱいあるんだよ。えっと、アンブラ、ニューブラ、ナチュラルブラ、ミラクルブラ、シリコンブラ、マジカルブラ、ビューティーブラ、ヌードブラ、ヌーディブラ、ヌーディストブラ、スキンブラ、ファンシーブラ、フィットブラ、シークレットブラ、シリコンパッドブラ、フリーブラ、ハリウッドブラとかはあるのよ。でもヌーブラがないよの、特にAサイズが。
田原 一ヶ月半待ちって言われた。
町田 えっ、そんなことないよ。買えたよ。(村山に同意を求める)ねえ。
村山 ええまあ。
町田 ほら(と前をめくる)
多辺田 おおお。
田原 (手を伸ばしながら)触っていい?(触った)おおお。
多辺田 それはブラなんだよね。フロントホックの。
町田 うん。谷間作るの。
田原 大きくはしないんだ。まあ、こういうの(チラシ)で苦労するよりてっとり早いのは確かだよね。
町田 (チラシを見て)こんなのダメダメだよ。
多辺田、豊胸チラシをこっそり確保
村山 そっかあ。みんな、けっこうアレしてらっしゃるんですねえ。いや、だめだと思うんですよ、そんな宣伝に踊らされちゃあ。見た目じゃないんです。ハートですよ。清く正しく生きなきゃ。
多辺田 おおお。なんか懐かしい。んでもね、オンナも25年やってると、いろいろあるのよ。
町田 サバ読んだ。25年って。
多辺田 いいでしょ。その前の何年かはオンナじゃなかったんだから。いい、たかちゃん。そりゃあ心は大事だよー。でもね、オンナは顔なのよー。スタイルなのよー。
田原 おっぱいで、つかめるシアワセ、Dカップ
町田 おおおー
村山 これは? 「宝くじ予想機」だって。驚異の的中率、すでに11億3千万円獲得だって。この電卓みたいなスーパーコンピューターの値段は37600円。
町田 定価6万円のが23400円も割引だって。この人はロトシックスで1億円ゲットだと。
多辺田 ん?よくわからない。この37600円の電卓で計算してロト6とかやって4億円当たるの? だったら、なんで電卓の通販なんてせこい商売してんの?
村山 たぶん、宝くじ買うより、電卓売ったほうがもうかるんでしょ。
町田 当たるの? これ、当たるの?
田原 宝くじ、ぜーんぜん当たんないもんなあ。(そのチラシをこっそり確保)
多辺田 なんだかなあ。なんか、ロマンがないなあ。ワイドショーはロマンだから、エンタテインメントだから。お金じゃないから。
町田 (歌う)お金は大事だよー。
村山 でもお、これって11億円ゲットとか、けっこう夢とロマンしてるんじゃないんですか。夢ですよねえ。
多辺田 いやいやいや。そこまで視聴者はバカじゃないから。
町田 なんていうか、物語の中にもリアリティがないと。壮大なロマンと、裏打ちされたストーリーがないと、お茶の間のみなさんは、拒絶するのよ。
田原 (宝くじ機チラシを凝視し)夢って言うより、まぼろしだから。
多辺田 (豊胸チラシを凝視し)リアリティがなあああ。
村山 そうか、壮大なロマンと・・・じゃ、あれは? ネッシーとか。
町田 ネッシーはねええ。オゴポゴとかチュパカブラとかシーサーペットとかモーゴウル、モノス、イエティ、インカニヤンバ、ビッグフットとかまあ、ロマンはあるから好きだけど、けっこうバレる。まあ、写真とか映像があれば広がるけど。
多辺田 日本のツチノコとかクッシーとかイッシーとかも、シルエットだけだったりだから
田原 友だちがカッパを見たって。
村山 かっ、かっぱ!
町田 ツチノコには2億円の懸賞金がついてるんだけどねえ。
田原 友だちがトトロに会ったって。
村山 トトトロ
多辺田 広島県の山の中にヒバゴンってのが目撃されてるんだけど、実はただのホームレスってうわさもあるし。でも、ヒバゴンのゴンってのは、ちょっとなあ。リアリティないなあ。
田原 こないだ、うちのアパートの裏に「顔なし」がいたの。あー。
村山 かおー
町田 要するに何でもいいんだけどね。盛り上がって、シリーズで番組できるぐらいのなら。
田原 おととい、大江戸線に乗っていたら・・・
町・多 (思わず注視)
村山 大江戸線ですか?地下鉄の
田原 そう。赤羽橋と麻布十番の間で、床の上を、こう、さささささって動いていたの。
村山 なにが。
町田 結局、UFOみたいに世界中がノリノリになるものじゃないとね。
多辺田 そうそう。UFOはいいよね。映画もいっぱいあるし、科学者まで参加してるし。
村山 (小声で田原に)何がいたんですか。大江戸線で。
田原 宇宙人はいます。中野坂上のジョナサンのウエイターで山上さんって男の人がいるんですけど、かなりあやしい。
村山 どんな人?
田原 「ご注文はあ?」
多辺田 結局、企画のもってきかただよね。あまり大げさなのはエンタテインメントすぎてバラエティになっちゃうし、みんながハッピーってのもウソくさく見えちゃう。ワイドショーはやっぱお手軽に、ちょっとだけ人が不幸になってないと。
田原 (村山に)UFO見たことある?
村山 いや、ないですけど。
田原 あ、そうなんだあ(納得)
町田 人のまきこまれ方が大事。ワイドショーだから、気楽に見れないと。画面にツッコミが入れられないと。
多辺田 結局は放送作家次第になるし。
田原 あと、レポーターの話術。
町田 そこがさあ、えりちゃんダメなんだよ。
田原 めんぼくない。
村山 えっと、大江戸線のは
多辺田 オカルトとかブームだし、リングとか、のろいのビデオとかあるし、
田原 こないだ見たよ、フーセンおじさん。
村山 フーセン・・・
多辺田 でも、オウム以来、オカルトと宗教がごっちゃになって、危険なものに見られるようになっちゃって
町田 結局、宗教が一番、ネタ的に面白いんだけどね、素材として。
多辺田 そこいらにある普通の宗教をどう料理するか。
田原 うで次第。
多辺田 どうなの。今回の企画は、宗教カルトとか商業カルトはやっていいの?
町田 多いからなあ。みんなやってるから。
田原 青装束で失敗してるし。
多辺田 番組サイドはなんて言ってんの?
町田 さあ?
多辺田 じゃ、あきちゃんに聞いてくる。
多辺田、去る
町田 どこの局でもやってんだよなあ。宗教カルトなんか、ネタとしての扱いは同じになっちゃうからなあ。やだなあ・・・。
田原 あやしいなあ。あの二人ぃ。
町田 えっ、二人って?
田原 あの二人だよ。あきちゃんとちさっちゃん。
町田 あやしいってのは、どういう風に?
田原 別にいいんですけどね。ふんっ!
町田 なんだよ、それ。
田原 つらいなあ。伝えたいけど、コトバにできないよー。
町田 ああ、そうかあ。
村山 なかなかねえ。伝えられないことって、あるよねえ。
田原 そうなんだよね。たまちゃんもわかるよね。
村山 たか緒ですって。
田原 なんかさあ、せつないよお。
町田 でも、ちゃんと伝えないといけないよ。
田原 そりゃそうなんだけどさ。
町田 思いは、コトバにして伝えないと。黙って出て行くなんて、いけないよ。
田原 それはまあ、そうなんだけど、なかなか言えないんだって。(村山に)ねえ。
村山 なんでもかんでもコトバにできるわけじゃないもん。そりゃあ伝えるべきだよ。わかってるよ。でもさ、相手が理解できなくなると、話せなくなるんだよ。
田原 ああ、そうねえ。私、まだあきちゃんのこと、ちゃんと理解してないのよ。なんか、オトナなんだもの。
町田 でも、話さなきゃ。伝えようとしなきゃ。突然飛び出すのは良くないよ。
田原 飛び出すっていうか、いきなり言っても、伝わんのかなああ。
町田 伝えようとする思いが伝わるんだって。
村山 でも、どう伝えていいか、わからなくなるときがあるんだよ。何を考えているのか、わからないんだもん。
田原 それよそれ。すれ違いがあるからねえ。前は理解できてると思ってたのに。
町田 でも、勝手に出て行くのは。
田原 そうねー。よくあるよねー、そういうの。さよならも言わずにって。つらいよねー。
村山 だからさ、出て行くには出て行くなりの理由ってあるでしょ。そこはわかって欲しいよ。そりゃ言いたいよ。でも、なんか、ぶつかるのが見えてるんだもん。
田原 それだよ、それ。ねえ。コミュニケーションが壊れはじめると、すぐにぶつかっちゃうからね。慎重になるというか、臆病になるんだよなあ。
町田 でも・・・
村山 そんなにアレが大事なの?
町田 大事だよ。
田原 ん? アレって?
村山 その世界に閉じこもってちゃダメだと思うよ。
町田 でも、みんなのことが大切だよ。
田原 あああ、コレかあ。そりゃあさあ、こういう仕事してると会社だけが自分の世界になっちゃうよねえ。でも、まあ、それだけじゃないよう。
村山 理解できないよ。
田原 ん? そうなの? ちかちゃん、説明しなきゃ。ちゃんと説明しなきゃ。
町田 でもさあ、自分の行動をすべて説明できればいいけど、やっぱ話したくても話せないっていうか、コトバにできないことってあるもん。自分でもわかんないもん。
村山 「わからない」なら勝手なことしなけりゃいいよ。
田原 あ、そういう言い方、違うよなあ。「わからない」けど、やってしまうってことあるよ。なんでもかんでも冷静に判断できるわけじゃないしね。気がつくと、やっちまったってこと、あるでしょ、いっぱい。
村山 直せばいいでしょ。
田原 それがねえ、難しいんだって。昔はこんなにワイドショーに入れ込んでたわけじゃないのよ。もともとはクイズ番組の下調べとか、ヘキサゴンのアンケートとかだったんだから。ねえ(町田に)。
町田 うん、いろいろだった。
田原 だいたいがさあ、ワイドショーが変わってきたのよ。人騒がせなネタばっかり要求されて。
村山 それで、そこいらの普通の集団が、キケンなカルト集団に仕立て上げられちゃうんだよ。それっておかしくないの? 普通の集団かどうかわからないけど。
町田 普通だよ。
田原 それが仕事なのよ。なんか、だんだんこんなことになっちゃったの。でも、あきちゃんが言ってたよ。いつか、もっとマトモな企画を出すって。
村山 おかしなとこ、ないの?
町田 ぜんぜん。
村山 だいじょうぶ?
町田 だいじょうぶだよ。
村山 もう、心配したくないよ。
町田 うん。
田原 うーん、たまちゃんはいったい何を心配しているのかわからないけど、うちは健全な会社だよ。むしろ、社会に貢献しているというか、世の中の歪みを横からつっついているんだからね。今、この社会で起きている変なことを、「これは変だぞ」って見つけるんだから。
村山 それはまあわかってます。変なことになれちゃってるからね。
田原 そうなのよ。まあ、時として大げさにしちゃうけど、しょせんワイドショーで扱ったネタなんて、社会を変えるわけじゃないから。
町田 そんなこと言ったら、身もふたもないよ。
田原 娯楽だからってこと。
村山 うーん、しかし、よくわからない仕事ですよね。
田原 えー、わからないにしては、今いろいろと述べてたじゃないか、キミは。
村山 それは別のことで・・・
町田 えりちゃんって、すごいよね。
田原 そうなの?
村山 かなり。
田原 そうかあ。じゃ、自信を持って、言うべきことを言うか。
町田 言っちゃえ言っちゃえ。
田原 負けないぞー。
村山 「争い」はやめましょう。
田原 自分に負けないって意味よ。
町田 頑張って
田原 おうっ
村山 言いたいことは言うぞ。
田原 おうっ
町田 やっちゃうぞぅ!
田原 おうっ、えっ? 何を?
村山 だから、やっちまえってことだよね。
田原 そ、そんな・・・できないよー(照れる)
町田 なんだ?
村山 行動を伴えってことだよ。相手を理解して行動しろってこと。
田原 あ、そっちか。
町田 どっちだよー。
多辺田、戻ってくる
田原 (町田に)ええ〜っ、だから〜・・・(多辺田に)あ、あきちゃん、何て?
多辺田 いいって。商業カルトもオッケーだって。
村山 商業カルトって?
多辺田 ほら、自己啓発セミナーとか高額エステとか、高い着物を買わせるのとか、マルチ商法とか
田原 しあわせな洗脳ね。
村山 あああ。被害者の会とかできちゃうやつですね。
多辺田 大きなお世話なんだけどねえ。でもまあ、被害者の会とか家族とかはネタとしてはずせないのよ。テレビ的だから。
村山 あ、でも自己啓発セミナーとか、ミョーな団体とか言っても、そんなにお金をとられないのもありますよね。まあ、宗教だって、仏教とか、キリスト教とかの大手はお金かからないし、無害なわけで。え?、じゃ、なんで小さなとこはすぐ被害者の会とかできちゃうんですかね。お金からんでないのに。
町田 お金は関係ないのよ。ポイントは「洗脳」かな? 入ったっきり戻ってこなくなったりするから。といっても、洗脳自体はどこにでもあるんだよねえ。
多辺田 だから、いろんな環境団体とか、平和団体とかあるけど、それ自体は問題ないっていうか、非難される筋合いじゃないのよ。
村山 でも、「洗脳」が問題なんですよね。問題になってるじゃないですか。
田原 それはまあ、変な洗脳があるから。ってゆうか、その時代の普通の感覚からすると、変わってるやつがあるから。
多辺田 そこがトラブルのもとね。でも、その「普通の感覚」っていうのもあやしいんだけどね。
町田 なにが普通なんだか。今の自分たちが普通なのかどうか、わからないよ。
多辺田 洗脳されてる側は、自分たちが変だと思わないもんね。こっち側を異常だと思ってんだから。
田原 なんていうか、洗脳されちゃった側は楽しいのよねえ。ハタで見てるとキモチ悪いけど。
多辺田 会社に身をささげているビジネスマンとかも、ある意味では洗脳だもんね。
町田 みんな、ちょっとずつは洗脳されてんのよ。
田原 洗脳って言うか、まあ、価値観だからね、時代の。
多辺田 (村山に)時代が変わると
村山 えっ?・・・洗脳は・・・解ける?
多辺田 そういうこと。だからワイドショーは今の時代の普通の価値観に合わせて、みんなが楽しめるものを提供するの。
町田 結局さあ、娯楽なんだからね。癒し系のタマちゃんも重要だけど、そればっかりじゃあね。怒ったり悲しんだりするもの娯楽だから。
多辺田 普通の団体も、そのずれ具合を見つけて残虐非道な狂信的カルト集団にして、みんなの怒りを集めないといけないの。
村山 ふーん・・・でも、怒らせちゃっていいんですか。
多辺田 だいじょうぶよ。その後、楽しいCMがあって、芸能人の話題があり、スポーツニュースがあるからね。
田原 亭主改造計画があり、行列のできるラーメン店があるから。
村山 なんかごまかされているような・・・
町田 だってほら、いろんな事件あったけど、世の中壊れてないでしょ。「大丈夫」っていえるでしょ。
村山 いや、それが問題なような(気がする)
多辺田 問題ないって。普通のことをちょっと大きく採り上げて、娯楽に育て上げて消費していただくの。
町田 価値観なんだから。変わるんだから。例えば、今一番支配している価値観はアメリカ教でしょ。
田原 「洗脳」って言うからなんかやばいことって思っちゃうのよ。力ずくで世界を危機にしているアメリカ教が一番怖いのに。
村山 アメリカ教・・・ですか。
多辺田 ま、ブッシュの話はまたこんど。今はタマちゃん。
町田 そしてエステ
田原 そして宗教
多辺田 こうやって私らは、そこいらにある小ネタを一人前のスターへと育てあげていくわけよ。調査して理論武装してね。ネッシーだって、70年前にロンドンのバカ医者がおもちゃの潜水艦を改造して水に浮かべて撮ったインチキ写真から始まってるんだから。
村山 そうなんですか。
田原 最初の段階で、メディア側がそのシロートのインチキ写真を見抜けなかったと思う?
村山 さああ?
多辺田 インチキかどうかじゃなくて、リアルなストーリーを描けるかどうか。
町田 作家のウデよね。
田原 あと、レポーターのウデ。いい画が欲しいでしょ。「ごらんください。なにか、とんでもないことが起こっております。まさに、誰も予想しなかった意外な結末があ〜。それはコマーシャルの後で。」
村山 それって、一番むかつくパターンですよ。
田原 そうやって、育ててきたってことよ。
多辺田 ぶち壊しのときもあるけど。
田原 壊してないもーん。
多辺田 えりちゃんはいいよ。怒られるのはこっちなんだから。
町田 えっ、なんの話?
田原 だから、「ジャスト」のことでしょ。
町田 なんかやったの、ね、なになに?
多辺田 えりちゃんが、やっちゃったのよ。ディレクターの指示を無視して、ハデに・・・「こんなことがあっていいのでしょうか。いや、ぜったいによくなーい。まさに予想もできないことがあああ。」
田原 だって、あいつバカなんだもの。
町田 「ジャスト」のDって、権藤かあ。あいつバカバカだからなあ。
多辺田 おかげでプロデューサーのヒワタシさんにぶちぶちぶちぶちって言われたよお。
町田 それで、「ジャスト」はどうなったの。
多辺田 終わってるよ。
村山 「ジャスト」って三雲孝江と安住アナウンサーがやってるやつですよね。
多辺田 そうそう。
村山 三雲孝江って、メイク濃くないですか。
多辺田 え、そうかなあ。
村山 濃いですよお。キモチ悪いですよ。
多辺田 (間)ぴーッ
村山 濃いですよお。ぴー悪いですよ。
多辺田 もうぴー(年)だから、ぴー(素顔)は見せられないのよ。
町田 それって、本当はぴー(バケモノ)ってこと?
田原 (歌う)ちぇっちぇっこりちぇっこりっさ、にさんかまんがん、さんさまんがん、ほーまんちぇちぇっ!(ポーズ)
町田 なんだそりゃ。
村山 わけわかんねえ。二酸化マンガンって。
多辺田 まあ、三雲孝江とか南美希子とか楠田枝利子とか、無理してる姿が悲しいわね。
村山 ちさとさんはドモホルンリンクル使ってるんですか。
多辺田 おだまり。
町田 ってゆうか、「ジャスト」だよ「ジャスト」、あれってなくなったの。
村山 なくなったんですか?
町田 だから、うちの出番がよ。だけどおかしいよな。「ジャスト」決まるかもって・・・あきちゃんがさっき、ヒワタシさんにプッシュするって言ってたもん。
多辺田 言ってた言ってた。別件でしょ。それとも・・・えりちゃん、あきちゃんにちゃんと報告したよね。
田原 ありゃ。ありゃりゃあ。言ってないかもー。
多辺田 どっちよー
田原 かなり言ってないかもー、みたいな。
多辺田 まずいでしょ。まずいまずい。まずいー。
町田 じゃ、言ってこなくっちゃ。
多辺田 いや、待て。待て待て。言っちゃダメ。もう、だめよ。ごんどおお。
田原 そうだよ。権藤が悪いんだから。
多辺田 えりちゃんが悪いんだよ。
町田 そうよ。
多辺田 でも、権藤にアレして、ヒワタシさんにもアレして、ほんで権藤にはコレだし、ヒワタシさんにもナニだし、安住さんにソレしたら、三雲孝江の化粧落として、TBSになんでだろー、ジャストにジャストーりゃんせとーりゃんせ、ぴゅー(パニック)
田原 ちさとちゃん、オチついて。
多辺田 なんときゃしなきゃあ。
村山 はい。手伝います。
多辺田 よろしくね。えっとねえ。
田原 とりあえず、あきちゃん呼んで来る。(去る)
多辺田 うん。そうね。(まずいことに気づき)えええ、えりー!
村山 まだ早いかもおお。
町田 えりちゃあああん。
田原 はーい。(戻ってくる。野本と一緒)
多辺田 はやっ!
田原 呼んできたあ。
野本 なになになに。
多辺田 いえ、特に用事はありません(きっぱり)。
野本 もうできた? 決まった?
多辺田 いやいやいや。
野本 まだなの?
町田 もうすぐです。あと5分か10分か15分か。
野本 急ぐって。「特ダネ」のあと、「ザ・ワイド」と「ジャスト」にも出すから。
田原 「ジャスト」もかあ。
野本 (多辺田に)ヒワタシさんがノリノリだって?
多辺田 どうでしょ?(田原に)そうなの?
田原 サイコーだって。
多辺田 言ったのか? サイコーだって、言ったのか?
田原 そんな雰囲気、みたいな。
多辺田 サイコーです!
野本 だけど、ヒワタシさんと連絡取れないんだよ。しょうがないから権藤のバカに伝言頼んだんだけど、なんか、要領得なくてさあ。
多辺田 ごごごご権藤。
野本 そう。権藤、ますますバカだよなあ。今度、ヒワタシさんに言ってやろう。
田原 権藤、ダメですよねえ。
野本 ダメっていうか、まあ、しょうがないけど。
田原 あいつ、クビにしたほうがいいですよ。
多辺田 くびくびくびー。
野本 それはちょっとアレだけど。まあ、こないだのえりちゃんのレポートとか見てると、かなりどうかと思うもんなあ。やりすぎだよお。
村山 それはまあ、権藤のバカのせいだけとも言えないと思いますよ。
野本 おう、新人。権藤、知ってんの。新人、はタマちゃんだっけ?
村山 たか緒です。村山たか緒です。
野本 じゃあ、略してたまちゃんだ。
田原 たまちゃん。
多辺田 あきちゃん、ちょっとお話が。
野本 急いでるから、手短にね。「ジャスト」にも企画出さないと。ヒワタシさんに連絡取れないんだよ。こういうのは畳み掛けていかないと。
多辺田 はい。
野本 まあ、企画書次第だから。作家だから。
多辺田 ですよね。いい企画作りましょう。
野本 ネタはあるの?
多辺田 もう、最高のやつが、いくらでも。
野本 そうなんだ。じゃ、えりちゃんのレポートも込みで売り込めそうかな?
田原 がんばります。
野本 権藤とうまくやってよ。
田原 大丈夫ですよお。
野本 それを聞いてほっとしたよ。なんか、悪いウワサがさあ
多辺田 どどどんな?
野本 いや、たいしたことないけど。
多辺田 きっとあれですよ。権藤があれしたんですよ。
田原 そうですよ。
町田 ぜったいそうだ。あのやろー。
村山 一度とっちめてやんないとなあああ、みたいな。
多辺田 もう、権藤クビにしましょう。
野本 うーん、それはかなりムリなんだよなあ。
多辺田 かなり重要なんですけど。
野本 だって、権藤はバカだけど、あいつ確か出向なんだよ。吉本の。
田原 吉本ですか。
村山 吉本興業。
野本 そうなんだよ。だから、バカでも動かせないんだよ。
多辺田 だだ、だめかあ。じゃあ、じゃあ、どうしましょうか。
田原 どうしましょう。
町田 どうしましょう。
村山 どうにかしてください。
多辺田 んじゃあ、えーと、あの権藤ですけど、あんなやつとつきあってるとロクなことないですよ。あ、あいつ、セクハラしたんです。
野本 えっ、誰に? えりちゃんに?
田原 えっ、わたし?
多辺田 いいいいいいえ。えりちゃんじゃあ、なかった。ちかちゃんは。
町田 かんべんしてくださいよ、ごんどうはああ。
多辺田 だよね。助けてよー。(で、村山を見る)
村山 私はあ。
多辺田 そうです。あの、言いにくいんですけど、私がされました。くどかれました。あいつはバカな上にスケベです。サイテーです。
野本 そうなの。
田原 そうだったんですかあ。知らなかったなあ。で、どんなことされたんですか。
多辺田 あ、だからされたんでなくて、口説かれたというか、誘われたというか。
野本 だいじょうぶだったの?
田原 スキがあるからじゃないんですか。
多辺田 えりちゃん、それはどういうこと。(つねる)
田原 いたーい
野本 しかし、それはほっとけないなあ。でも、抗議するのもなあ。
多辺田 抗議とかはまずいですよ。たぶん、権藤はしらばっくれるだろうし、後ろに吉本だとすると、ヒワタシさんも動きようがないでしょうから。
野本 それはまあ。
多辺田 とは言っても、このままえりちゃんを出しておくのも、どうかと思うんですよ。
野本 そりゃあそうだけど。
多辺田 ここはですね、抗議の意味をこめて、降りるってのはどうでしょうか。
田原 あ、そうか。そう、私、そんな人がいるところじゃ、働けなーい。
多辺田 そうそう。大事なえりちゃんをそんなとこにおいておけないわ。
野本 そうかあ。あいつ、二度目ってことだからなあ。
多辺田 えっ
野本 あの権藤のバカに、私も一度誘われたんだよなあ。
多辺田 ええええ。
町田 なんだ、あきちゃんもなのか。実は私も。三回目だね。
田原 なああんだ。じゃあ、四回目だよ。
多辺田 みんななの。でも、あたしはほんとは・・
野本 えりちゃんもちかちゃんもかあ。ひどいなあ。これ、ひどいなあ。
多辺田 ひどいですね。
田原 権藤、クビですね。ヤキ入れてやりましょう。
町田 ちょっとそれは、吉本だし。
野本 ヒワタシさんに言ってもらうか。
田原 あ、でも、ヒワタシさんも。
野本 えっ、それ、どういうことよ。
田原 だから、あのスケベおやじも一緒ですよ。
野本 ちょっと待てよ。ヒワタシさんは違うだろ。
田原 すぐ触るんですもん。
野本 触ったのか。えりちゃん、触らせたのか。
田原 触らせたんじゃなくて、突然、触るんですよ。
野本 でも、ヒワタシさんがだよ。そんなことするの。なんだよー。
多辺田 なんかあったんですか?
野本 あそこ、むちゃくちゃだよなあ。連絡取れないわけだあ。なんか、権藤、意味なく怒ってたし。
多辺田 権藤だけじゃなくて、ヒワタシさんもすごく怒ってましたから。
野本 そうなんだ。そういえば、なんかかみあってなかったもんなあ。最近誘ってくれないし。
多辺田 ときどき会ってたんですか。
野本 ときどきね。
多辺田 でも、あきちゃん、ダンナさんは?
野本 向こうも奥さんいるから。
多辺田 そういうことだったんだ。
田原 オ・ト・ナ・・・
野本 (ワレに返って)えっ、ん? ヒワタシさんが怒ってたってのはどういうこと? 権藤も怒ってたけど、なんかあったの?
多辺田 怒ってたんですか。
野本 怒ってたって言ったでしょ。(村山に)言ったよねえ。
村山 さあああ?
多辺田 あ、怒ってました。その、実は私言ったんです。「ひどいじゃないかああ」って。そしたら怒っちゃって、ヒワタシさんも怒っちゃって。
町田 ちさっちゃんは泣いたんです。「ひどいわ、ひどいわ」って電話口で泣いたんです。「責任とって」と泣いたんです。そしたら、「そんなこと知るか」って捨てられたんです。
多辺田 ・・・はい。
野本 そんときヒワタシさんは?
田原 「お前のようなアバズレは生きる世界が違うのだ」と。のだ、と。そして、「へっへっへぇ。二度と来るな。ええい、こうしてやるー」と。
野本 ん? 「こうしてやる」ってどう? 電話で。
田原 だから、「こう(アクション)してやるー」ってみたいな感じ。
野本 そうだったの。
多辺田 さあ? あ、ま、近い感じです。
野本 そっかああ。やっぱアレだな。降りるにしても、言うだけは言わないと。ちょっと電話してみる。
多辺田 あ、でも、セクハラのことは
野本 それは言わないって。向こうの状況を聞いておかないと。やっぱ立場弱いからね。
野本、携帯を取り出し、TBS番組編成室のヒワタシに電話する
田原 じゃ私も。(携帯を取り出す)
多辺田 誰に電話すんの?
田原 ヒワタシさんの奥さん
多辺田 なんで知ってんの。
田原 知ってるよう。プロデューサーの奥さんは全部知ってるよ。
多辺田 さすが。
町田 じゃ、わたしも(携帯を取り出す)
多辺田 誰に?
町田 貴島編成局長
多辺田 直属の上司ね。うーん、じゃあ私は・・・安住さんに。
多辺田、携帯を出してかける
村山、携帯を出し、誰かに電話する
舞台上の5人、同時に電話している。
のもと あ、お世話になっております。PKリサーチののもとです。はい。えっと、ヒワタシさんはいらっしゃいますでしょうか。え、あー、いや、至急お知らせしたいことがありまして。いや、直接、あれしたいんですけど。いえいえ、番組のことで。ええ、「ジャスト」です。お世話になっております。ええ、ちょっと急ぐんですけど。どちらに・・・。そうですか。えっ? どういうことでしょうか。しかし「とりつげない」というのは・・。ヒワタシさんがそうおっしゃったんですか。えっ? それはどういう意味でしょうか。そんなあ。あ、でも。そうなんですか。わかりました。でも、また電話させていただきますけど、いや、だめっていうか、お願いしますよー。ごごご、権藤さんもですか。はい、わかりました。わかりました。
田原 もしもしー、ヒワタシさんのお宅ですか。いつもご主人にお世話になってます。PKリサーチの田原と申します。いえいえとんでもございません。それでですね、ちょっと奥さんに、お伝えしておいたほうがいいかなって思ったんで。いや、たいしたことじゃないんですけど。実はですね、ご主人の局内でのウワサというか、まあ、悪いアレがですね。とんでもないです。ご主人が悪いわけじゃなくて、まあ、奥さん、権藤って知ってますか。そうです。そうなんですよ。あれがねええええ。それでですね、権藤だけじゃなくて、どうもご主人もアレしてるみたいで。いや、私も当事者なもんで、ちょっと奥様にも、ご注意いただいたほうがいいかなって思ったもんですから。そうなんです。セクハラです。ね、気をつけないとねー。いまはまだアレですけど、番組の私物化、とかねー、ありますから。才能豊かなタレントを意味なく切ったりしたらアレですもの。ええ。困りますよねえ。それはもうナイショで。見守りつつ、応援する、みたいな。そうです。はい。よろしくお願いします。失礼しまーす。
村山 もしもし、アニマルパークですか。村山です。あ、ちょっと前まで良くそちらを利用してたんですけど。はい。それでですね、あのー、ター助がね、食べないんですよ。あ、カメですカメ。いいえ、それはピー吉です。ミドリガメのター助です。食欲がないみたいなんです。なんか消化のいいごはんってありますか。ああ、何歳だったかなあ。大きさですかあ。これぐらいかなあ。○センチぐらいですかね。え、100グラムいくらですか。そんなに・・・あ、いいです。それにします。あ、でも・・・たぶん、町田って子が行きます。あ、いや、私が行きます。とっといてください。はい。お願いします。ちなみに、カメって背泳ぎしますか? ああ、そうですか。ですよね。はい。どうもー。
町田 きっちゃーん、オレオレー。あ、PKリサーチの町田と申しますが、貴島さんお願いします。あ、きっちゃーん。久しぶりー。オレだよ、町田だよー。町田知華子だよー。そう。おげんこー。ん、なんで携帯に他人が出るんだよー。なんだそりゃ。そーでなくて。そーでなくて。おいおい。ん、うん、じつはさー、ジャストのことなんだけどさあ、うちのえりちゃんがさー、なんか、ごめーわくかけちゃってさー、そう、やっちゃったみたいでさー、やっちまったみたいでさー。そうなのよ。そうそう。でさあ、あれってヒワタシさんでしょ。なんかこじれちゃって、え、だめなのー。そんなこと言わないでよ。なんでなんでー。そうなのー。たら、こっちもアレしちゃうぞー。いや、冗談だけどさ。ゴンドーとか、ムチャしてんじゃーん。聞いたよー。だめなのー。あそー。あそー。あそー。あそーなの? あそー。はーい。まいったねえ。わかった。わかった。わかったー。はーい。うん、いいいい。うん。よろしくー。じゃーねー。
多辺田 安住さんですかあ。多辺田でーす。そうです。ご無沙汰してまーす。え、あの後ですかあ。もう、すぐ帰りましたよー。安住さんこそ、他局の女子アナなんかに手を出して、いいんですかあ。あ、そうなの。え、収録中? さんまの? あ、そうか。実は、「ジャスト」のことで。わかってますよう。それがすんごい面白いネタがあるんですよ。だから最初に安住さんにって思って。そうなんですよ。聞きたいでしょ。聞きたいでしょ。ですよねー。じゃ、また誘ってくださいよー。え、そうだなあ、じゃ、六本木あたりで。え、新宿ですか? 10時? 朝の? ド、ドトール・・・? はい、わっかりましたあ。はーい。また連絡しまーす。はーい。
最初に野本が電話を終える。最後に田原が電話を終える。
先に電話を終えた野本が田原の電話が終わるのを待っていて
野本 えりちゃん、誰に電話したの。
田原 敵の敵です。
野本 だから、その・・・
田原 いいじゃないですか。なるようになりますよ。家庭は大事だよー。
多辺田 そうなの?
野本 えりちゃん、誰に電話したの。さっきのって、もしかして
町田 いいじゃないですか。
野本 でも
田原 あきちゃん、いいかげんにしなさい。
野本 うん
多辺田 で、あっちのほうはどうなの?
野本 なんか、かなりやばいって感じ。完全に避けられてる。
多辺田 そっかあ。ま、しょうがないよね。
田原 ちょうどいいのよ。あきちゃんには冷却期間が必要だと思うの。
野本 わかったよ。
町田 でも、切れちゃったら。
多辺田 だいじょうぶよ。安住さんとはつなげといたから。
町田 安住さんじゃあなあ。役に立つの?
田原 ちょっとなあ。
多辺田 でも、権藤が切れれば、状況変わるでしょ。
町田 そりゃあねえ。
田原 権藤はもうダメね。ヒワタシさんの奥さんにもちょっかい出してたって。
町田 なんだよそれ。あのやろー、ある意味、すごいな。
多辺田 ちくしょー、みんなかああ。
野本 ま、当分「ジャスト」は難しいってことで、他のとこに力を入れないと。企画は決まったの?
町田 あ、もうすぐです。あと5分ぐらい。
野本 か10分か15分。
町田 もうちょっとかかるかも。
野本 きめちゃお。
町田 はい
野本 さっき、ザ・ワイドですごいネタをやってたよ。
多辺田 え、新ネタですか。
野本 なんか、かなりやられたって感じ。
田原 どどどどんなの?
村山 動物ものですか。あ、宗教ものとか?
野本 新人くーん、いいとこついてるねえ。
村山 でも、もうあきられてるかなあ。じゃ、政治物。あ、一家皆殺しものとか。
野本 そういうのはうちじゃ扱わないの。血とか嫌いだから。
村山 そうなんですか。なんか、血みどろ系が似合ってるかと思ったんですけど。
多辺田 なんでよ。こんなに、花園系なのに。
村山 は、花園系?
野本 血みどろ系でもなくて、花園系でもなくて、でも両方あわせたような、かなり複雑系な団体の話なのよ。
町田 ザ・ワイドのスクープですか。
野本 うん。えっと、平和団体みたいなんだけど、オンナだけの。特に教祖とかがいるわけじゃないんだけど。なんか、いろいろ悩みを抱えている人が集まってやってるらしいんだけど。
田原 かなり危ない感じですね。臭います。いい感じです。
野本 うちでも一度、調べたことがあるような気もしたけど、ちさっちゃん知ってるかなあ。団体名はまだ出てないんだけどね。ナゾのピンク集団とか。
田原 ピンクですかあ。やっぱエロいんですか。
野本 エロくないエロくない。たまたまピンク系の服を着てるからって。
田原 じゃあ、ネーミングだっさいなあ。(町田に)なんか、桃色問題集団とかねえ。
多辺田 それやったなあ。でも、ピンクの衣装ってだけなら、けっこう似た集団があるけど。
野本 それはそうなんだけどね。オンナばっかりだから、ピンクはねえ。
村山 それはどういう団体なんですか。
野本 うん。なんか、ここ2年ぐらいで急速に会員を増やしているらしくて、宗教団体とは違うし、お金がかかるわけじゃないし、どっかにこもっているわけじゃないんだけど。
村山 それだったら、普通の任意団体じゃないんですか。
野本 それはまあそうなんだけどね。
田原 でも、オンナばっかりでピンクでしょ。それで過去のあるオンナばかりが集まっているとなると、ネタ的にはおいしいなあ。
多辺田 メンバーの過去だけでも一本番組できるもんなあ。
田原 エはどうなんですか。いい画撮れてるんですか。
野本 いやいや、まだぜんぜん。
多辺田 じゃ、まだ追いつけるかも。決め手は画だもん。
田原 中心人物ってのはいるんですか?
野本 それが、よくわからないのよ。カリスマ的な存在がいないみたいなんだけど、なんか、やたらとキズナは強いみたいで。
町田 日テレのザ・ワイドがやってたんですか?
野本 そうよ。
町田 でもおかしい。その集団のことは前に調べたときに、ヒワタシさんに話して、ボツになったやつですから。
野本 あ、そうなんだ。じゃ、ザ・ワイドがうまく採り上げたってことなんでしょ。
田原 団体の本部とかはあるんですか。
野本 それがまたナゾなのよ。集会は区の地域センターとかで開いてるみたいなの。いろんな名前で登録してるみたいで。
多辺田 なんか、オンナばっかりで、ピンクがトレードマークっていうと、うちみたいで、なんかやな感じ。
町田 ヒワタシさんが・・・(誰にも言わないって言ったのに)
野本 どうしたの?
町田 ・・・
村山 それってもしかして・・・
多辺田 えっと、ちかちゃん、アレは随分調べてたよねえ。
町田 普通の、どこにでもある任意団体よ。戦争とかテロとかが嫌いで、人が死んだり、殺したりするのが嫌いだっていう。
野本 みたいね。普通のまあ、サークルっていうよりはちょっと熱い感じだけど。
町田 テロとか起きて死ぬじゃないですか。そういうのを黙ってみてるのツライじゃないですか。ってゆうか、ツライって思った人たちがいて、なんか、自分たちがツライのに世の中までもツライのはつらすぎるって思った人たちが集まって、文句言おうってだけの・・・
野本 ああ、なんか、そんなこと言ってたなあ。
町田 普通だよね。過激なことは何もしてないよ。
田原 でもさあ、今は普通でおとなしいとしても、スローガンがそれだと、世の中の動きと逆だから、将来的にはどうなんだろうなあ。どっかでぶつかるんじゃないの?
町田 ぶつかるって、何と?
田原 よくわからないけど、世の中を動かしている人たちとよ。
多辺田 ああ。まあ、そうだよねえ。でも、たぶん、ほっとけば無害なんだろうけどなあ。
田原 でも、なんか行動すれば、警察ぐらいとはぶつかるでしょ。
多辺田 そりゃあ、警察ぐらいとはぶつかっても普通でしょ。
町田 警察なんかとぶつかってないよ。どこともぶつかってないよ。
野本 でもさあ、きっとマスコミがこれからアレすると思うよ。
田原 そうだよねえ。うちも調べて参加しないと。っていうか、調査依頼来るでしょ。
野本 (机の資料を見て)この中にはそれは入ってなかった?
多辺田 ない。こいつらはどっちかというと、見るからに異常なやつばっかりだから。
野本 そっかああ。
田原 でも、そんなのがでちゃうと、当分はソレばっかりになるんじゃないの。
野本 そうなのよ。そこなのよ。さっきザ・ワイド見てて、ショックだったよ。で、後半を見ようと思ってたら、えりちゃんに引っ張られちゃって。あとでみんなでビデオチェックしよう。
村山 あの・・・
多辺田 なに?
村山 それってあの、
町田 たかちゃん。
村山 でも。
町田 その集団、私もなの。
多辺田 えっ?
町田 私も参加してるの。
多辺田 どういうこと。
町田 ヒワタシさんにも話したんだけど、もし扱うのならうちでやらせてって言ったんだけど。
野本 そうなんだ。あ、でもそうだよなあ。あんな地味な存在、どっかのコネがないと誰も注目しないもんなあ。あんなの、日本には何万ってあるんだから。
多辺田 でも、そうするとどういうこと。ヒワタシさんが日テレに売ったってこと?
田原 まさかあ・・・
野本 いや・・・ありえるな。
田原 ヒワタシのやろおおお。
多辺田 あるいは、権藤経由かもしれないよ。ザ・ワイドは吉本からんでるもの。
田原 ごんどおおおお
野本 ちかちゃんは、どこまでやってるの、その集団
町田 どこまでって・・・普通に集会に出ているだけだけど
村山 でも、集会が多すぎるんだもの。帰ってこないことだって多いんだもの。
町田 だって、話すことがいっぱいあるのよ。
村山 だからって、ター助もピー吉もカー子もチン太郎もゴンドワナ大陸もベッカメもいるのに。
町田 たかちゃんだって置いて出ていったじゃない。
村山 だって
多辺田 これこれ。キミたち、なんの話をしてるのかね。
田原 ははああああん(納得)
村山 すみません。
野本 でもさ、団体の基地とかってはないんでしょ。
町田 基地って、軍隊じゃないんだから。
野本 あ、そうか。でも、施設とか利用するときに、住所とか書いたりするでしょ。
町田 それはまあ。みんな自分の住所かいてるよ。
野本 ちかちゃんは?
町田 私は、ここだけど。
多辺田 うちなの。ここって、うちだよね。会社の住所。え、会社の名前は出してる?
町田 出してないよ。
多辺田 良かったああ。
田原 あ、でも、権藤とかは、住所見て、気づくよな。あいつ、そういうとこだけはするどいから。
町田 権藤が絡んでいるの? それ、絶対なの。
野本 ヒワタシさんでも同じだよ。
田原 っていうか、かなり面白い、と思っちゃうよな。そうか、うちかああ。
多辺田 いや、落ち着いてる場合じゃなくて、まずいって、まずいよね。
野本 うん、まあ。でも、ヒワタシ・権藤ラインならなんとかなるけど。
田原 怖くない怖くない。
村山 でも、いろんなとこが食いつく可能性あるんでしょ。
多辺田 そりゃまあ。
田原 いや、絶対に食いつくって。そのピンクのオンナ集団でしょ。面白いって。平和団体でしょ。テロ反対でしょ。それで集会やってんでしょ。静かだけど過激。それでピンクだもの。
町田 過激じゃないよー。
田原 何をして過激というか、なのよ。なんか、十分過激な臭いがするのよ。ワケありのオンナたちってだけで。
多辺田 そこよね。なんか、迫り来る恐怖、って感じだもの。オンナもいい年になると、背負ってるものが大きいから、いつだってせっぱつまってるんだから。
町田 誰がいい年なのよ。まだみんな若いよ。
野本 いくつぐらいなの。
町田 下は高校生から・・・まあ、私ぐらいかな。30代、40代もいるけど。
野本 ん? 全部で何人ぐらいなの?
町田 会員はまあ、そこそこ・・・
田原 会費とか取ってるの?
町田 そんなのないよ。おっきな寄付があって、それで・・・
多辺田 そこそこって何人ぐらい?
町田 だから、1200人ぐらい
田原 すごーい
野本 そりゃすごいや。
町田 名前だけの人もいるし。
多辺田 そんなに多くて集会とかできてるの?
町田 一回の集会には10人ぐらいの幹部しかあれしないから。
村山 でも、あっちこっちで何回もやってるんだよね。
田原 ん、でも、それに全部出てるの? ちかちゃんは・・・
多辺田 それって、かなりえらいってこと?
町田 えらいとかないんだよー。
野本 でも幹部とかあるんでしょ。
町田 私は幹部じゃないよ。お世話係りみたいなの。
野本 なんか、かなりビミョーだなあ。
町田 そんなことないよ。シンプルだよ。シンプルに平和を願うっていう・・・
田原 そのシンプルさが、いろんな憶測を呼ぶの。なんか、ないの? ニビル星とか、スカラー波とか。
多辺田 そんな都合よくは
町田 シビリーム念波
多辺田 あんのかい!
町田 いや、今作っただけだから。なんだよ、シビリーム念波って。
多辺田 でたらめかい!
野本 でも実際、平和を願うって言っても、ただお祈りしているだけじゃないんでしょ。
町田 まあ、それは・・・
田原 待って。それ以上聞くと、ほんとにやばいもんが見えてくるんじゃないの?
多辺田 やな予感が・・・
村山 でも、後々のためには聞いたほうがいいですよ。
野本 (村山に)知ってんの?
村山 だいたい。
町田 でも、やっぱり知らないほうがいいかもしれないよ。
多辺田 (間)でも聞きたい。
田原 聞きたいとしか言えない。
町田 簡単に言うと、インターネットを使って世界と協調して、連帯しているだけなんだけどね。アクティブなことはしないの。ただ、時を待つ、という考え。まあ、いつを待つのかがポイントだけど、アメリカ次第だから。
多辺田 それはあの、北朝鮮とかは関係してるの。
町田 ぜんぜん。
多辺田 ほっ。ちょっとびびった。
野本 でも、アメリカの動きとして、北朝鮮ってのは、あるんじゃないの。
町田 それはまあ、そうだけど。アメリカがからんでない国ってないから。
多辺田 やっぱりそうなのかああ。
田原 ってことは、どっちにも転ぶ可能性はあるってことか。さすがだなあ。ザ・ワイド。
野本 あそこのプロデューサーって
多辺田 ヨシゾエさんです。
野本 だめだ。絶対に動かない。
田原 でも、ヨシゾエ・ヒワタシルートは弱いはずです。
多辺田 えりちゃんはいつからそういうルート系に強くなってたの?
田原 オトコなんて、ちょろいちょろい。
多辺田 うーん。怖いかも。
野本 とにかくさ、切り崩し工作しないとならないんじゃないの。
多辺田 手遅れだと思うけど・・・
田原 単純に圧力かけるだけってのは弱いと思う。ヨシゾエ・ヒワタシルートの分断とか、ムリかなあ。
野本 逆効果になるかもね。
多辺田 うちとの接点を隠すのは?
田原 ムリだよなあ。
野本 ムリっぽいね。それが一番きついんだけど。
町田 ごめんなさい。
野本 なんか、うちと一緒に見られちゃってんだろうなあ。
田原 かもねえ。
町田 そんな・・・
多辺田 一緒にするでしょ、普通。どうしようもないかあ。
野本 (立ち上がって)とにかく、やれるだけやってみましょ。(退場)
田原 そうですね。あれだったらFAXで怪文書流しましょう。(追って退場)
多辺田 ちょっと、今はあまり動かないほうがいいと思いますよ。(追う)
村山 ってゆうか、待ってくださいよ。あの団体、危ないんですよ。かなり。(追う)
舞台に町田だけが残される
町田、みんなが去ったほうを見ていたが、ゆっくりうなだれる
うなだれて固まっている・・・1分ぐらい
それから、ゆっくり立ち上がり1分、壁際にあるいていき、しゃがみこむ1分
村山が登場し、町田を見つける。見つけた位置で立ち止まっている、1分
それから町田の横に歩いてきて、見下ろして1分
町田、ゆっくり村山を見上げる
町田 もう、だめだよ。
村山 だいじょうぶだよ。
町田、手を伸ばす
村山、手を握る
二人、固まる
多辺田、登場し、二人を見つけるが、イスに座る
二人、多辺田を見る
多辺田、キーボードをたたき仕事を始める
ふと、キーボードをたたくのを止める、沈黙が流れる
多辺田 負けないから。
町田 うん。
田原、登場する
多辺田 (田原に気づき)なんだって?
田原 電話が・・・うちを取材したいって。電話が鳴りっぱなし。
多辺田 なんでうちなの?
田原 さあああ
多辺田 何社ぐらい
田原 なんか、いっぱい。毎度のアレだけど、カメラがいっぱい押し寄せるてくるのね。
村山 あれはどうなったんですか。分断するって。
田原 手遅れね。まあ、どっちみち、うちみたいな小さなとこは力ないから。
村山 でも、オトコ関係ならなんとかなるんじゃあ。
田原 とっくに手が回ってた。文句があるなら訴えろって。
多辺田 またそれかあ。
村山 じゃあ、どうなるんですか。
田原 さあ。うち、どうなっちゃうんですかね。
多辺田 さあ。
町田 だめじゃん。ぜんぜんだめじゃん。
多辺田 頑張ってるから。あきちゃん、頑張ってるから。
町田 頑張っても、だめじゃん。
田原 そうなんだけど。
町田 ちくしょー。
村山 なんで、そんな。
田原 うちは関係ないのに。あ、いや、(町田の視線に気づき)直接って意味でね。
多辺田 そういう問題じゃないのよ。ちょっとでも接点あれば、使えるって考えるし、うちはほら、ピンクだし、オンナだけだし。
田原 あたしの素性とかも調べられるのかなあ。
多辺田 過去かああ。そんな自慢できるようなこと、してないなあ。
田原 それはそれで、悲しいよね。ワケありの過去がないっていうのも。
多辺田 全然ないってわけじゃあないけど。でも、まあ、普通だから。
田原 たかちゃんとか、どうなんの。今のうちに帰ったほうがいいんじゃないの。
村山 いや、います。
田原 二人って、知り合いだったの?
村山 ええまあ。
田原 そうなんだ。ワケありかあ。
村山 ワケありです。
多辺田 ちかちゃん、言ってくれればいいのに。
町田 知らなかったんだもの。さっき、突然たかちゃんが来たんで、ほんとびっくりした。2ヶ月ぶりぐらいで。
村山 38日だよ、まだ。
町田 そっか。
田原 いいなあ、ワケありで。
町田 そうでもないよ。
田原 ちさとちゃんも、ああみえて、いろいろ苦労してんだよねえ。
多辺田 普通だって。普通の人と、普通につきあって、普通に殴り合ってるだけよ。
村山 殴り合うんですか。
町田 必ずね。最後は必ず殴り合いなの。
田原 顔中バンソウコウだらけになって、おしまい。
多辺田 わたしはほら、顔の整形はいらないってゆうか、まあ、身体だけがね、問題で。
町田 そんな、問題っていうほどじゃないよ。
田原 そうよ。私なんか、けっこうお金使ってるけど。
多辺田 えりちゃんは、安いとこにこだわりすぎなのよ。そういうのは、どーんっとお金を使わないとだめなのよ。
村山 (多辺田に)使ったんですか。
多辺田 うるさいわね。効果ないよ、確かに。戻っちゃうし。
村山 悲しいですね。
多辺田 悲しいわよ。でも、オトコと切れたら、やることないから、どーんと使うのよ。そんで、ぴかぴかに磨きあげて、それが終わってもとに戻ったころに、オトコができるわけで、なんか、意味ないなあって思うけどね。
田原 ぴかぴかんときにオトコができればいいのにね。
多辺田 それがさあ、皮肉なんだよなあ。
町田 あれがさあ、おかしいと思うのよ。永久脱毛とか、永久なんとかとか、「永久」ってコトバの意味ってなによ
多辺田 永遠の愛とかってのは、ないのよね。
田原 ちさとちゃんは、そういうこと平気で言うもんなあ。
多辺田 うっさいわね。「愛」を信じられなくなったらおしまいよ。
田原 愛は信じてるけど、男はなあああ。
町田 オトコはなあああ。
村山 オトコはなあ。
多辺田 オトコなあ。
野本、入ってくる
野本 やられたよ。
多辺田 なに?
野本 「ジャスト」からも取材入った。どうも、ジャストが引っ張ってるみたい。
田原 なんで?
野本 やっぱり「ジャスト」がネタを握っているみたいなんだ。
田原 ヨシゾエ・ヒワタシラインを切っても、だめか。
野本 ヨシゾエさんは関係なかった。やっぱりヒワタシさんだった。さっき、ヒワタシさんの奥さんに電話した?
田原 ・・・
野本 なんか、それがアレだったみたいで、ヒワタシさんは離婚するらしいよ。そんで、なんか、ぶち切れてて。
多辺田 なんだよー、ただの個人的な感情かよー。
野本 そうみたい。あんなオトコだったとは・・・。
村山 このままでいいんですか。
野本 なに?
村山 このままそんなやつらにやらせておいていいんですか。
野本 ヒワタシさんはあれで、力持ってるから。吉本とバーニングプロの両方につながってるから、ジャニーズにも。
多辺田 いつ、来るんですか。
野本 なにが
多辺田 取材のカメラですよ。
野本 あああ。たぶん、1時間後か。すぐだと思うよ。
多辺田 じゃあもう、どうしようもないですね。
野本 どうしようもないっていうか・・・
多辺田 何もしないでいると、来るんですよね、大勢。
野本 うん。
多辺田 取材攻撃ですよね。それで、いい画を作るんですよね。
田原 わたしなんかが出たら、それだけですんごい画になっちゃう。
町田 その後は・・・大変だよ。
村山 出なければ? 取材を相手にしなければ・・
多辺田 ムリよ。ここに篭城するわけに行かないもの。
村山 いまのうちに帰っちゃいましょう。
野本 そしたら、みんなのうちに押しかけられるよ。
町田 地域センター経由で、いろんな人の住所をつかんでいるのに、あえてうちに来るんだから、もう完全に狙われてる・・・
村山 じゃあ、私が。私まだ面が割れてないでしょ。私がひっぱたいてやりますよ。
田原 そんなおいしい画を提供してどうする。
野本 おいしすぎるって。
村山 でも、ピンクじゃないから。
多辺田 問題はそこじゃないから。
田原 ピンクじゃないのは、テレビ的にちょっと弱いけどね。
多辺田 思うんですけど、この際みんなで、ピンクの服着ませんか?
野本 なに?
多辺田 えりちゃん、「サンデージャポン」の打ち上げのときの「ピンクレディーファイブ」のやつ、倉庫においてあったよねえ。
田原 ありますけど。
多辺田 この際、乗っちゃおうよ。
田原 どういう?
多辺田 だから、テレビ的に乗っかっちゃって、ナゾのピンク集団で勝負しちゃおうって思うの。
野本 なに?
多辺田 だから、どっちみちテレビ的に扱われるんだったら、みんなでピンク着て、テレビに映っちゃうのってのは?
田原 えっ、なに? 私達がナゾのピンク集団になるの?
多辺田 そう。ナゾなんだから。
野本 そうか。「ナゾ」だもんね。
多辺田 「ピンクレディーファイブ」のハデなピンクでやっちゃおうよ。
町田 それで出て、どうなるの。
野本 どうなるもこうなるも、ナゾは深まるばかりよ。テレビ的にはオッケーだから。
多辺田 がんがん使われるかもよ。
田原 それでどうなるの。いいの、それで。
野本 ヒワタシさん、大喜びでしょ。テレビ的に最高だから。
村山 視聴率アップ間違いなし。
多辺田 でも、実態とは関係ない。
町田 実態なくても、そういうものに見られちゃうよ、みんな。
多辺田 ギャップ生まれると思う。まあ、本当のことがバレたら、うちも責められるかもしれないけど。
村山 どっかで、やらせ、とかになるんですかね。
田原 やらせじゃないよー。
多辺田 その団体とうちは関係ないって言うんだから。
村山 でも、ホントのことは
野本 どうかしらね。そんな命取りなこと、報道するかなあ。
多辺田 っていうか、盛り上げるだけで、地味な真実ってのは報道されないんだよ。
田原 でも、でも、大変なことになるんじゃないの。
野本 大変だよね。・・・大変よお。
田原 でも、平気だよ。
野本 いいのかな。そんなんで、いいのかな。
多辺田 平気だよ。
野本 ムチャクチャになるよ。週刊誌にはおもしろおかしく、好き勝手なこと書かれちゃうよ。近所のおばさんには、ここから出てってとか言われちゃうよ。みんなに、変なことやってて、気持ち悪い、とか見られちゃうんだよ。
田原 (間)・・・平気だもんね。
野本 知ってるよね。この業界が、最終的にこういうネタをどう扱うか。
多辺田 わかってるって。
田原 消費されちゃう。
野本 うん。そうだよね。どうなったって、平気か。
町田 ごめんなさい。
野本 ちかちゃん、いいのよ。むしろ良かったよ、ここの住所書いてくれて。でなきゃ、ちかちゃん一人でメディアと戦うことになってたよ。そんなことになってたら、助けられなかったよ、きっと。ほんと、良かったよ。
多辺田 そうだよ。一人だったら、大変だったよ。良かったよ、一緒で。
田原 うん。一緒だよ。たかちゃんもいるしね。たか緒のオは一緒の緒だよ。
村山 知ってたのか!
田原 知ってたよ、たまちゃん。
村山 どっちだよ。
野本 でもまあ、テキはかなり強いよ。
多辺田 かなりね。
町田 いろいろ作戦を考えて・・・って、そんなヒマないんだよね。
多辺田 そうよ。いいってもう。あれこれ考えてる時間ないけど、状況は見えてるから。
野本 わかってるから。だいたいあっちがどう出るか、わかってるから。
町田 うん。負けないよね。(負けそう)
多辺田 負けないよ。(かなり負けそう)
田原 負けないよ。(かなりピンチ)
野本 負けてたまるかっつーの。(きっぱり)
町田 うぉーっ!
野本 なんだよ、それ。
町田 うぉーっ!
田原 うぉーっ!
村山 なんか楽しそう。
多辺田 楽しいか、ほんとに楽しいのか。(楽しそう)
町田 楽しいかも。
多辺田 そうかなあ。(楽しくて)
田原 楽しいかもー。
多辺田 わかったわかった。じゃ、えりちゃん、衣装探してきて。
田原 ほーい。(なんか歌いながら退場)
野本 よっしゃあ。この際、新聞社とかにも宣伝してこよ。
町田 ちょっと、そんなには・・・
野本 いいってことよ。死なばもろとも。いつだって、覚悟はできてるぜ。(去る)
村山 かっこいいなあ。
多辺田 かっこいいのよ。
町田 あとなんか、準備ないの?
多辺田 あるある。衣装にさ、「ピンクレディー」って書いてあるでしょ。あれ、とらないと。
町田 そっか。
村山 それ、みっともないなあ。
多辺田 はずして、なんか、書く?
町田 なんかって、なに?
多辺田 なんか、「ナゾのピンク集団」とか
村山 それ、ださすぎ。違うのにしたほうが。
多辺田 (退場しながら)なんか考えてよ。
村山 (退場しながら)ピンクですかあああ。ピンク、ピンク、ピンキー・・
多辺田 (退場しながら)やめてよ。お菓子じゃないんだから。
町田 (退場しながら)それ、いいかも。
多辺田 (退場しながら)まさかあああ
全員、退場した。音楽、流れてくる。
舞台には誰もいなくなる。
映像が流れはじめ、舞台が暗くなる
誰もいない舞台に以下の映像が流れている(音なし・音楽のみ)
どこかの会社の前、報道陣がつめかけている
入り口からピンクの衣装を着た一群が現れる
カメラとマイクが一斉に向かう
カメラやマイクを押し戻すピンクの一群
画面のすみには「ナゾのピンク集団」と字幕が
もみくちゃになりながら、「取材拒否」の紙とかを示す女たち
銀色のパネルを掲げたり
カメラに向かって挑戦的な表情で
最初の顔がアップになり、ストップモーション、字幕「田原江利子」
順番に、顔と名前が表示される
最後、町田が、放送禁止指マークを画面に向かって示したところで「終」
フィナーレ
明転して、役者登場、ピンクの衣装に着替えている
あいさつして退場
客電、明るくなる

5人版「安住さんならわかってくれる」
Ver.1.0 2003.7.2 16:00
Ver.1.1 2003.7.4 15:00
Ver.1.2 2003.7.17 18:00
Ver.1.21 2003.7.28 9:00
著作:一寸小丸・神保正則・Pinky2003夏